国立能楽堂十一月 企画公演 石神 調伏曽我

d0226702_10472718.jpg国立能楽堂十一月企画公演 
平成三十年度(第73回)文化庁芸術祭主催《開場35周年記念》
2018年11月30日(金)18時30分より
企画公演 蝋燭の灯りによる

狂言・大蔵流
石神
シテ(男)茂山忠三郎、アド(妻)大藏彌太郎、(仲人)大藏彌右衛門
笛 赤井啓三、小鼓 久田舜一郎

能・宝生流
調伏曽我
シテ(工藤祐経、不動明王)大坪喜美雄、ツレ(源頼朝)島村明宏、子方(箱王)水上嘉、立衆(頼朝の従者)広島克栄、東川尚史、佐野弘宜、佐野玄宜、高橋憲正、ワキ(箱根別当)福王茂十郎、ワキツレ(従僧)福王和幸、福王知登、喜多雅人、矢野昌平、村瀬慧、アイ(能力)大藏吉次郎
笛 赤井啓三、小鼓 久田舜一郎、大鼓 飯島六之佐、太鼓 小寺佐七
後見 佐野由於、水上優、金森良充、金森隆晋
地謡 武田孝史


蝋燭の灯りで見るのが、石神と曽我モノ、と言うのはどうなんだろう。特に調伏曽我の上演は稀なんだからちゃんと見たかったなあ。

石神は、離婚の是非を妻が石神様に聞きにくる、と知った夫が石神に化けて離縁されないように頑張るというお話ですが、そこの滑稽な動きが良く見えなかった。まあ、夜にお参りしているという設定だからそういうものだと言われたらそれまでですが。
石神へのお礼に神楽を舞う妻があまりに楽しそうなのでつられて夫も踊ってしまい、ばれる。ここはもう少し明るい照明でも…。
ところで当時は皆さん神楽ぐらいは嗜みとして舞う事ができたのでしょうか。


曽我モノのうち、調伏曽我は初めて。こんなに人数が必要な話は国立でしかできないかもしれません。

まず頼朝一行登場。頼朝ですから、従者が沢山。鎌倉を朝たって箱根につきました。ですから地元の人も物見高くやってきます。箱根神社の人たち(「この寺の」というせりふがあるので、神宮寺の人たちでしょう)も将軍を見ようとやってきます。
箱王もその中にいます。

箱王の子方くん、10歳とのことですが、とてもしっかりしていて大したものです。場数を相当踏んでいるのでしょうか。
とてもたくさんのワキツレ。福王流、こんなに人が居たんですねえ…。薄暗がりではっきりわかったのは茂十郎と和幸だけでしたが。
頼朝一行の中に敵の工藤が居ると知って興奮する箱王を何とかごまかそうとする別当。そして箱王を見た工藤は、「お前の父を殺したのは自分では無い」と説得。
言いくるめられて箱王は泣く泣く帰ります。

ここでツレも立衆も中入り。

あきらめきれない箱王はどこからか太刀を盗み取って敵を討とうと。驚いた別当は箱王を返すと同時に調伏を誓います。
後場では子方が見られなくて残念。

別当は調伏のための護摩壇を用意するように能力に命じます。(もちろん作るのは後見とそのお手伝いの人々ですが)。
作り物が沢山。大小前には一畳台に乗せた小宮。ワキ座には護摩壇に見立てた一畳台が置かれます。

護摩壇の端に何か黒っぽいものがあるのは、どうも鬘(髪の毛)らしい。
福王パパが呪い(??)を唱えると、宮からは不動明王が。どんな面だかはっきりしないのが残念。
地謡によると矜羯羅、制多迦もやってきたらしい。

出てきた不動明王はなかなか恐ろしい動きを。でも、もう少し力強い感じが欲しかったかも。何しろ派手目に動いてくれないと見えないから、恐ろしいというよりも「明王も見えなくてもたもたしているのかな?」と思ってしまう。もう少しやみくもに動く若い役者にならせるべきだったのか。

最後には剣の先にあの髪の毛を刺し通すという、能にあるまじきリアルさ。
これは箱王の本望が成就することを示しているのです。

…めでたしめでたし、なのか??

あの薄暗がりの中でしっかりと舞台を締めるのはさすが福王茂十郎。素晴らしかったです。

面は出目金之助作の不動。

箱根神社、今では神宮寺は無くなってしまいましたが神社の宝物殿の前あたりに寺があったことを示す碑が建っています。


なお、子方は当日インフルエンザになって代役がたったとの話も入ってきましたので、上記の配役では無かった可能性もあります。どなたか御教示いただければ。


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by soymedica | 2018-12-07 21:58 | 能楽 | Comments(0)
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