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国立能楽堂開場35周年記念公演 嵐山 猿聟 定家

d0226702_22074675.jpg国立能楽堂開場35周年記念公演
2018年9月15日(土)13時より

金春流
嵐山 白頭働キ入リ
シテ 金春安明、前ツレ 金春憲和、子方(木守の神)金春初音、(勝手の神)中村千紘
ワキ 飯富雅介、ワキツレ 有松遼一、岡充

間狂言 和泉流
猿聟
オモアイ(聟猿)野村万之丞、アドアイ(舅猿)野村万蔵、(太郎冠者猿)小笠原匡、(姫猿)能村晶人、立衆(供猿)野村万禄、山下浩一郎、吉住講、炭光太郎、河野佑紀
間狂言地謡、三宅右近ほか計4人

笛 一噌隆之、小鼓 飯田清一、大鼓 佃義勝、太鼓 三島源太郎
後見 高橋忍、井上貴覚
地謡 本田光洋ほか

観世流
定家
シテ 浅見真州、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、御厨清吾、アイ 野村萬
笛 松田弘之、小鼓 林吉兵衛、大鼓 亀井広忠
後見 武田宗和、浅見慈一、武田友志
地謡 浅井文義ほか


嵐山の桜は吉野から移植されたものであるという伝説をもとにした、筋があるようで無いようなお話の嵐山。間狂言が「猿聟」となっています。
大小前に一畳台が出されます。端には桜が植えられています。
勅使の一行は今回は高安流。あまり主張しないのは流儀の特徴なのか、ワキ方の個性なのか。勅使一行は嵐山に行ったはずなのに謡が「吉野山」と謡っていたように聞こえたのは気のせいか。

勅使が役得(?)で嵐山の桜を見ていると、老夫婦が出てくる。それにしても姥の面ってひどくありませんか。尉面は品があったりするのだけれど、姥は骸骨に皮膚を張ったような…。
ま、それはともかく、老夫婦は桜を拝みます。

シテの謡が素敵。これは金春安明の個性なのか金春流ってこの人以外あまり謡を聞いたことが無いので判断が難しいのですが、地謡が何だかおとなしいと思うのは毎度のこと。

などと考えているうちに猿聟に。昔茂山の猿聟だけを観た事がありますが、あの時にはせりふのほとんどがキャキャキャでしたが、今回はわりと人語を話します。それと、猿の面に物凄くバリエーションがあって面白い。
酒席でおさるの一人が飛ばされて笑いを取ったり、猿聟が舞の途中で四足になったり、手足を掻いたり…。
最後は「俵を重ねてめんめんと」とめでたく終わります。
(あ、吉野の猿が嵐山に婿入りのする話です。)

やっと舞台が静かになったというところで、地謡横に退いていたワキも本来の位置に戻ってきます。

次いでこれまた可愛らしい子方の神様が登場。金春初音さん11歳、中村千紘くん9歳。このくらいの頃の年の差は大きいうえに女の子の方が早く大人びてくることもあって、千紘君が幼く見える。扇がうまく出せずに泣きそう。
太鼓の三島の掛け声が高いので、子方の声かと思った。
何はともあれ、二人の神様、立派に可愛らしく舞いました。

そして全身白と金色の装束で真っ白な髪の毛の蔵王権現登場。
白頭働キ入リの小書きは装束や頭が違う事はもちろん、後シテの「舞働」が登場直後の「和光利物の御姿」の一句の後に入り、神意を強調した演出となるとのことです。
物々しいというより、華やかで有難い感じでした。

こういうワキ能なら退屈しないなあ。

面は
前シテが 伝 日氷作の小尉、後シテが鷲鼻悪尉


舞台は一転してしっとりとした定家に。大小前に塚が出されます。ワキとワキツレの謡がしっとりしているなあ、と思いながら寝込んでしまいました。前場、しっとりして良かったんですってねえ。
目が覚めたら地謡が「怪しや御身たれならん」と。ここでアイ登場。ちょっと遅くないかい?と思ったが萬をそんなに長く橋掛かりに座らせておくのも、と思ったのか、いつもそうなのか。

「真の姿は陽炎の」で里の女が塚によりかかるのが面白かった。

アイ語りはさすがに萬。良かった(目が覚めたばかりで頭がスッキリして聞けたし)。

そして塚から内親王の霊が出てくる。
いつもはこの人は「浅見真州が〇〇を演じている」という強烈な個性を見せるタイプなのだけれど、今回は式子内親王そのものが塚から現れてきた感じ。
地味な装束に扇が派手なのがワンポイント。
地謡に合わせて よろよろと足弱車の家宅を出でたるありがたさよ ときれいな型をしみじみと見せてくれました。

最後、どうするのかなあと思ったら。いったん塚に入った後3方から出入りをして最後に下居します。この型がきれい。
囃子がひとくさり奏でて終わり。

前場、寝てしまって残念なことをした。

麺は前シテが増、後シテが痩女


by soymedica | 2018-09-29 21:24 | 能楽 | Comments(0)
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