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国立能楽堂 夏スペシャル 働く貴方に贈る 瓜盗人 通盛

国立能楽堂 夏スペシャル 働く貴方に贈る 瓜盗人 通盛_d0226702_11423075.jpg国立能楽堂八月公演 国立能楽堂夏スペシャル 働く貴方に贈る
2018年8月2日(木)19時より

対談 石田ひかり 大倉源次郎

瓜盗人 和泉流
シテ(男)高澤祐介、アド(畑主)前田晃一
笛 一噌幸弘、小鼓 曾和鼓堂、大鼓 大倉慶之助、太鼓 大川典良

通盛 金春流
シテ 高橋忍、ツレ 井上貴覚、ワキ 則久英志、ワキツレ 館田善博、アイ 三宅近成
笛 一噌幸弘、小鼓 曾和鼓堂、大鼓 大倉慶之助、太鼓 大川典良
後見 横山紳一、山中一馬
地謡 辻井八郎


まずは石田ひかりと大倉源次郎の美男美女対談から。石田ひかり、もう40代後半だとは知らなかった。お話は大倉源次郎の方がうまいな。引き出しも多いし。石田ひかりはTV番組のまんま、訥弁。

瓜盗人、観るのは二度目の演目。萬家の方が万作家より演出が地味なのに、囃子方の人数は多い(万作家は笛のみ)。瓜にしろ桜にしろ、盗んだものをご進物にして引っ込みがつかなくなって…と言うところがのどか。昔の夜の瓜畑は満月でなかったら暗いでしょうね。
高澤祐介の演技、楽しめました。


通盛は平家の武将通盛と小宰相の局の悲しい話。武骨な通盛が一生懸命歌を贈った小宰相の局。統子内親王の取り持ちで中の良い夫婦になった二人。小宰相の局は戦場にまで同行しますが、結局一の谷の合戦で通盛は戦死。小宰相の局はその後を追って海に身を投げたという話。

まず、夏場の修行をしている僧の一行のところに舳先に赤いかがり火をつけた船がやってきます。舳先は目付柱の方に向けておかれます。次いで尉と女がやってきます。これ、薄暗い能楽堂でLEDのかがり火でやったら面白いだろうな。
二人はここは小宰相の局が身を投げた海だと僧の一行に教えます。
船の中でかなり頻繁に向きを変えたりするものですね。前回梅若玄祥&紀彰で見た時にはどうだったか。
身投げをした女は後見座へ。尉は中入り。

ここでアイが出てきて、通盛と小宰相の局のなれそめを語ります。この語りによって悲恋の物語が盛り上がりますね。良い語りだったとは思うのですが、私には残念ながらピンと来なかった。

さて後場。ワキの読経が響き渡ります。目立ちすぎず、かつピリッとした則久が凄い。
なぜ前場の通盛が尉なのかわかりませんが、後場は凛々しい。ツレは後見座から大小前、さらにワキ座へ。
うっとりとわが君を見ているのでしょうか。

通盛は床几にかけたりもしますが、勇ましいカケリも素晴らしい。
ちょっと残念だったのは地謡。誰か二人くらい下手。
余韻を残してシテ退場。その後を小宰相の局。
面白かったのは小宰相の局が立ち上がったそのあとにわき方がもぞもぞ横にずれて、それから立ち上がって帰ること。
今座っているところから帰ってはダメなのかな。

面は前シテが三光尉、ツレが小面、のちシテは中将。

by soymedica | 2018-08-12 11:42 | 能楽 | Comments(0)
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