国立能楽堂定例公演四月 武悪 籠太鼓

d0226702_17561160.jpg国立能楽堂四月定例公演
2018年4月20日(金)18時30分より

武悪 和泉流
シテ(武悪)石田幸雄、 アド(主)野村萬斎、小アド(太郎冠者)深田博治

籠太鼓 舞入 宝生流
シテ 田崎隆三、 ワキ 殿田謙吉、 アイ 高野和憲
笛 一噌幸弘、 小鼓 古賀裕己、 大鼓 大倉慶之助
後見 宝生和英、水上優、金森良充
地謡 小倉敏克


石田と深田の武悪、とっても期待して出かけたのに、途中から眠くなってしまった。たぶん舞台のせいでは無くて私の体調のせいだと思う。ごめんなさいね。でも、太郎冠者が小アドとは気づかなかった。太郎冠者が武悪を打つか打たないかの駆け引きのところが見せ場だと思うのだけれど。


籠太鼓は見るのは二度目ではなかったか。前回石田幸雄のアイがとても印象に残っている。今回の高野も良かった。
まず、大小前に大きな籠が出されてこれが牢屋。
松浦某と従者登場。自ら某と名乗るって変な気がする。松浦の謙吉、とか言えばいいのに。
ま、それはともかく松浦の何某は喧嘩っ早くて相手を殺してしまった関の清次という男を牢に入れている。名前からしてチンピラっぽいのだけれど、ちゃんと奥さんがいるらしい(そういうのに限って妻は美人と言うのは昔から)。

従者の高野は牢屋の番をまかされている。ちょっとへつらう感じで清次に話しかけている(実際は牢はもぬけの殻)のが面白い。牢屋がもぬけの殻なのに高野びっくり。
とりあえず行方を知っていそうな妻を呼び出す。

説明が難しいのだけれど、妻の着ている装束が素晴らしい。地味な色合いだが豪華。しかし、シテは御年なのか、ハコビがちょっと心もとないのと、立ったり座ったりいかにもつらそうなのが気になります。
妻は夫の代わりに牢屋に入れられてしまいます。
松浦の某はちゃんと高野が牢屋に定期的に行って番をするように、牢屋に太鼓をかけて時刻ごとに打つようにいいますが、高野はついつい打ち過ぎて「これは明日の分」なんて言ってごまかす。

最初牢屋の中での妻の謡がぶちぶち切れる感じなので気になりますが、だんだんエンジンがかかってくるとやっぱりそこはベテラン、上手です。
でもこの人、何か肺でも悪いんではないだろうか、喫煙者かな、と思わせる感じ。

某は妻と一対一で話し合い、妻の夫を思う心に打たれて手づから戸を開いて出してやります。昔から美人はトクですね。
ところが、妻は「この牢こそ夫の形見」と言い張って、牢屋から出てこない。
今の設備の整った刑務所と違ってじめじめして狭いところだろうに…。

面白かったアイは退場してしまいます。

ともあれ牢の中でごそごそ肩脱ぎした妻は、牢から出て来ます。すかさず着衣を直す後見。
そしてここでちょっと舞を。これが小書きの舞入りらしい。
そして太鼓を見つけます。

妻は心を慰めようと太鼓をうち始めます。ここ、謡がはっきり聞こえなくて残念。
さらに狂乱した妻は牢に入って自ら戸を閉めて座り込み。
松浦某もこれにはびっくりしたのかあきれたのか(ここがよくわからない)、「夫婦ともにゆるしてやるから」と。
まあ、許してやるにも言い訳が必要で、某の親の供養の年(十三回忌?だったか)なんだそうな。

やっと牢から出る妻。立つのが凄く辛そう。関節に油をさしてあげたい。
出てきて某に手を合わせ感謝します。
地謡は弾むような喜び、と言うのではなく、とても静かに終えたのでした。

面は曲見。

[PR]
by soymedica | 2018-05-02 09:59 | 能楽 | Comments(0)
<< 国立能楽堂企画公演 花折 江口 国立能楽堂普及公演四月 止動方... >>