国立能楽堂企画公演 浦島 玉井

d0226702_10011199.jpg国立能楽堂企画公演 近代絵画と能 水底の彼方から
2018年2月28日(水)18時30分より

浦島(復曲狂言)
シテ(浦島)野村又三郎、アド(孫)野村信朗、アド(亀の緒)奥津健一郎

玉井 竜宮城 観世流 
海龍王 梅若玄祥、 豊玉姫 梅若紀彰、 玉依姫 川口晃平、 彦火々出見尊 福王和幸、 栄螺の精 野村又三郎、 鮑の精 松田高義、 板屋貝の精 藤波徹、 蛤の精 奥津健太郎、 法螺貝の精 野口隆行
笛 杉信太朗、小鼓 大倉源次郎、大鼓 國川純、太鼓 小寺真佐人
後見 梅若長左衛門、小田切康陽、山中迓晶
地謡 観世喜正ほか


狂言浦島は、又三郎家に伝わり断絶していた復曲狂言の再演だそう。少し遅れて行ったら、もう孫と浦島爺さんが舞台上に。二人が囲んでいる笠が亀らしい。爺さんは凄く腰が曲がっているうえに, 太くて実生活でも役に立ちそうな杖をついている。
恐らく亀(笠)にはてぐすかなんかが付いているのでしょうけれど、橋掛かりをすーっと滑って波の向こうに帰って行くのが凄い。

と、玉手箱を持った男がやってくる。これを開けると普通の浦島太郎とは違って若い男になるというしかけ。又三郎は自前の黒い髭があって、この早変りが一層印象深い。見所からは思わずという感じで拍手が起こっていました。


玉井はこの前見たような。今回は新解釈、新演出ということで、かなり銕仙会とは違った感じ。
まず、大小前に一畳台を出し、上に小宮を載せます。正先に桂の枝をつけた井戸も出され、かなり賑やかな舞台。そこに大柄な福王和幸が豪華な衣装を来て出てくるのでますます華やか。彦火々出見尊(つまり山幸彦)が、兄の釣針を無くしたいきさつと許してくれない事を話します。

塩土男に教えられたとおりに海底の都に行って井戸を見つけた尊、女の人が二人やってくるのを見て、井戸のそばの桂の木に隠れます。
と、ここで何か魔がさしたように寝てしまったんですよね。起きたらすでに正中に尊が座り、ワキ座に二人の姫が。
何だか知らないうちに三年たったらしく、尊は帰り方を聞いている。

大鰐の背に乗って帰るらしい尊は宮の中へ。二人の姫は中入り。

ここで貝の精たち登場。前段のいきさつと釣針が見つかった話、尊に二つの玉を与えた話をします。
貝たちも尊をお送りするために宴会を開きます。
お酌をするのはただ一人の女性である蛤。うーむ、フェミニストに怒られそうな。
最後はめでたい貝尽くしの謡でしめます。

アイのあいだに地頭と副地頭がどこかへ。戻ってきました。着付けでしょうか。

2人の姫は赤い袴で正装。宮の引き回しが下ろされ、尊も姿を現すけれど、こっちのお着替えはたいしてインパクト無し。
姫たちは玉を捧げ、海神が釣針を持って登場します。さすがに釣り針を海神から受け取るときには尊は立ち上がって一歩踏み出して受けます。
そして二人の姫は美しい舞を舞います。ちょっと短いけれど、その間海神は定座で偉そうに床几にかけていますが、うつむき加減で年寄りくさい感じが可愛い。装束もあまりパリパリしていなくて見た目が柔らかそうな布(もちろんキンキラキン)。

そして海神もちょこっと動いてめでたしめでたしで終わるのでした。

見た目に楽しい曲でした。わかり易い進行だったけれど、いかにも説明的なのがあんまり能らしくないかなー。
全体の型付けなども含め、前回の銕仙会のほうが好きでした。

面は海龍王が牙悪尉、豊玉姫が増で玉依姫が小面、ともに後シテ・ツレでは泥岩 泥眼。


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by soymedica | 2018-03-13 17:52 | 能楽 | Comments(2)
Commented by 通りすがり at 2018-03-15 18:12 x
泥岩➡泥眼ではないかと。
Commented by soymedica at 2018-03-16 08:30
> 通りすがりさん
おお、ありがとうございます。
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