銕仙会定期公演一月 翁 玉井 佐渡狐 鷺

d0226702_16163396.jpg銕仙会定期公演一月
2018年1月13日(土)13時半より@宝生能楽堂

翁 柴田稔、 三番叟 野村万之丞、 千歳 青木健一、 面箱 河野佑紀
玉井 
豊玉姫 谷本健吾、 玉依姫 安藤貴康、 海神ノ宮主 観世銕之丞、 彦火火出見尊ひこほほでのみこと 宝生欣哉、 従者 則久英志、御厨誠吾、 鱗ノ精 山下浩一郎
笛 藤田次郎、 小鼓頭取 曾和正博、 脇鼓 曾和伊喜夫、森貴史、 大鼓 大倉慶之助、 太鼓 小寺眞佐人
後見 大槻文藏、浅見慈一
地謡 清水寛二ほか

佐渡狐
シテ(佐渡の百姓)野村万蔵、 アド(越後の百姓)能村晶人、小アド(奏者)野村萬
後見 山下浩一郎

シテ(鷺)浅井文義、 ツレ(王)浅見真州、 ワキ(蔵人)森常好、 ワキツレ(大臣)館田善博、森常太郎、梅村昌功、野口能弘、野口琢弘、(輿舁)高井松男、吉田祐一、 アイ(官人)能村晶人
笛 松田弘之、 小鼓 大倉源次郎、 大鼓 亀井忠雄、 太鼓 小寺佐七
後見 観世銕之丞、北浪昭雄、永島忠侈
地謡 野村四郎ほか


前に銕仙会の正月プログラムを見たときには大雪で、見所がらがらだったなーと思いつつ、到着。本日は晴天のために皆さんおしゃれして満席。
それにしてもいつもと違って客層が宜しく無い。年に一度正月気分を味わうために来る人が多いのだろうか。なかなかおしゃべりが終わらない、なかなか着席しない。遅れてきて後ろに立っている人がいるというのも落ち着かないものです。

は誰がやってもたいして違わない様な気がしますが、まあ、上手い人は上手いし下手な人は下手、かな。何やっても上手な柴田は翁も上手かった。ブログ確認したら初役だそうで、びっくり。
翁を何十回もやっていると思われる観世清和がさらっと謡うのに対して、こちらの翁は力強い謡でしたが、それもなかなか好し。
千歳の青木も若々しくて良い。やはり千歳はある程度若年でないと感じが出ないですよね。

面箱の河野は割と緊張していたけれど。それとやや箱の位置が低くは無かったか。
万之丞は割と慣れた感じで舞っていたが。
終わって面を後見に返すところがわりと無造作な感じでした。あれはあれで、良いのだそうですが。


引き続き玉井。古事記の海幸彦山幸彦の話ですね。
唐冠の宝生欣哉が二人のお供を連れてやってきます。そしてお兄さんの釣り針を無くしてしまい、代わりのものではなくもとの針を返せ返せと言われるので探しに行こうと、言います。
皆が海底に着くと、欣哉は後見座へ、お供は囃子方の後ろへ。

なぜ?と思ったらここで初めて正先に井戸と桂の作り物が出されるのです。
準備が済むと、彦火火出見尊は井戸をチェックし宮の様子をうかがうためにワキ座へ。

二人の姫登場。最初に出てきた方がわりとふっくらした顔立ちの美人で、次に出てきた方があごが細くて薄幸の美人風でしたが、後からのほうが奥さんになる豊玉姫でした。
尊は「美人が来たけれど、声かけにくいから隠れよう」と、木に隠れているとその姿が井戸にうつる。海底の都では女性は積極的で「あら素敵、あなたのお名前は?」と女性のほうが声をかける。
三人が名乗りあっていると、大小前に一畳台が出され、尊は台上へ。めでたしめでたし、結婚したのでした。

ここで、もういらないからと井戸と木の作り物はひかれてしまいます。
そして、姫は懐妊。
そこで釣り針のことを打ち明けて探し出して帰る、というのもなんだか変だけれど、竜宮の遺伝的多様性に寄与したからもう竜宮の側でも聟殿に用は無いというのかもしれない。

姫たちが尊への贈り物の準備のために引っ込むと、アイ(鱗の精だそうだ)登場。釣針が赤目という魚の口に引っかかっていたことなどを話したあと、舞を見せてくれます。なかなか楽しかった。

そしてお姫様がそれぞれ玉をもって登場。ひとりが上が白の舞衣に下が深緑の大口、もう一人は上が赤で下がオフホワイト、と二人揃うと視覚的に豪華。玉の色も金属光を放つものと緑青のようなものとをそれぞれ持っています。
次いで姫たちが幕の方を向くと、龍王登場。巨大な龍を頭の上にのせ、髪の毛は真っ白、黒っぽいお顔に黒いあごひげ。半切の模様は鱗模様のあいだに竜がいるまさに玉井のためのもの。狩衣は碇の模様の様です。自然木の枷杖を持っています。
頭の上の龍の作り物が巨大だなー、と思ったら、これは老体の龍なので、春日龍神の龍戴などよりも大きいのだそう。そして、しっぽには雄なので剣が付いているそうですよ。

龍王は巨大な釣針を尊に渡します。そして一畳台の上へ。
2人の姫も尊に玉を捧げます。
姫たちが舞った後龍王も降りてきて舞いますが、舞うと言うよりも龍戴が大きいので歩く感じ。でも、最後にその巨大な龍の上に袖を返すのですよね。

尊の前に置かれた玉をどうするのかな?と思ったら、最後に姫たちがまた捧げ持つのですが、そのときに豊玉姫がよろけたのでびっくりしました。
龍王が尊の袖を取って鰐の背に載せます。
尊、玉を捧げた二人の姫、尊の従者、の順に幕へ。
それを見送る龍王がカッコ良かった。

面は
豊玉姫が増女で洞水作、玉依姫が北沢一念作の小面、海神ノ宮主が要石悪尉で出目半蔵作。

ここまでで3時間。浅井文義の鷺、とても残念だったけれど失礼しました。

参考は演能別にみる能装束 観世喜正ほか 淡交社

[PR]
by soymedica | 2018-01-20 15:16 | 能楽 | Comments(0)
<< 国立能楽堂定例公演一月 鬼継子 忠度 近松心中物語 >>