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国立能楽堂定例公演三月 花盗人 海人

国立能楽堂定例公演三月 花盗人 海人_d0226702_15414303.jpg国立能楽堂定例公演三月
2017年3月17日(金)18時30分より

狂言 和泉流
花盗人
シテ 野村万作、アド 野村萬斎

能 宝生流
海人 懐中之舞
シテ 大坪喜美雄、子方 水上嘉、ワキ 殿田健吉、ワキツレ 大日方寛、御厨誠吾、アイ 深田博治
笛 森田保美、小鼓 住駒幸英、大鼓 國川純、太鼓 前川光長
後見 宝生和英、小倉健太郎
地謡 武田孝史ほか


毎年この時期になるとかかる花盗人。作り物の桜はきれいだし、最後は宴会で終わるし、なかなか楽しい春の狂言。今回は盗人が万作、主人が萬斎。萬斎の装束はおニューですかね。
万作絶好調と思ったら、謡がちょっと苦しそうだった。長くやってほしいな。

しかし、次の能が始まって気づいたのだけれど、正面席、能が終わると帰っちゃう人結構いました。萬斎のときはいつもそうだけれどね。萬斎も上手いけれど、能も楽しいよ。


海人。いかにも大臣らしい子方登場。これが海人が生んだ房前。一行は志度の浦にやってくる。道行が素敵。この旅行は天気に恵まれたんだな、と感じます。
向こうのほうに男だか女だかわからない人が。左手に海藻に見立てた杉玉(?)。海藻だったら本物を持っていても良いような気がするけれど、そこが能。右手には鎌。
月を楽しむのに邪魔だから海松布(みるめ)を刈ってくれという大臣の一行と会話するうちに、昔この裏で明珠を潜き上げが話に。

玉の段、驚いたのは大部分シテは床几にかかっていたこと。これは調べると「懐中之舞」の小書きの時の宝生流のやりかたらしい。これはこれで退屈せずに面白くみられましたが、演ずるほうにとっては却って難しそう。

親子が名乗りあい、母の幽霊は中入りします。このとき見つめあう母子の型がとてもきれい。ワキはシテが落して行った扇を懐にしまいます。

そしてアイ語り。深田(と高野)はもうベテランですな。

龍女登場。左手に巻物を持つ。装束はオレンジで統一して華やかなんだが、なぜあんなに怖い顔。「龍女」にはふさわしい顔つきかもしれないけれど、息子だって高貴な母よりは、美しい母、優しい母をみたいだろうけれど、昔の感覚は違うんだろうか。橋姫を使うのは宝生流の特徴らしいが…。

目付柱のところで巻物(経)を開いて読む龍女。あとで後見が巻いてくれました。
早舞が綺麗。

そして、めでたく皆退場するのでありました。
それにしても海人(海士)にはいろいろな小書きや演出があるものですね。

面は 前シテが曲見、後シテが橋姫

写真は春日大社

by soymedica | 2017-03-27 18:07 | 能楽 | Comments(0)
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