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第45回のうのう能 鵜飼

第45回のうのう能 鵜飼_d0226702_22583520.jpg第45回のうのう能
2015年6月19日(金)19時より@矢来能楽堂
正面席5000円

仕舞 阿漕 
観世喜之

鵜飼 
シテ 味方玄、ワキ 福王和幸、ワキツレ 村瀬堤、村瀬彗、アイ 山本則重
笛 栗林祐輔、小鼓 幸正昭、大鼓 原岡一之、太鼓 小寺真佐人
後見 観世喜正、小島英明
地謡 永島充ほか計4人


まずは観世喜正のお話から。石和川という川は笛吹川の支流で今は金川と言っているのだとか、謡曲の鵜飼は舟でやるのではなくて、歩いて川に入ってやるもっと古い形態であったとか。また、かがり火で魚を集めるので月のある晩にはやりにくく、「闇夜を喜ぶ」などの文言が曲中にあるとか。
薀蓄が一杯で楽しい。

「では次は着付けの実演です。本日は素晴らしいモデルが登場するので期待してください」

…モデルは観世喜正でありました。
解説の佐久間二郎、甲府出身だという事で登場。いつもくそまじめな顔をして謡っている様子からは信じられないほど饒舌で楽しい解説でした。


鵜飼。本日のワキ3人はビジュアル的にちょっと洗練されすぎているような気がする。福王和幸が舞台に入って謡いはじめると、ワキツレ二人は常座でちょっとの間座る。村瀬提はだいぶ謡が上手になってきたけれど、いかんせん福王和幸と音の高さが合わない。村瀬はテノールで福王がバリトンですからね。

福王流のワキで鵜飼を観るのは初めてかもしれない。「家に泊められない」と言ったものの、気の毒に思った里人が「あそこの御堂に泊めてやろう」「あれはあなたのものか?」「違う」「じゃあ、勝手に泊まるから別にあんたに泊めてもらう必要はない」「幽霊がでるぞ」と。やっぱりこの坊さんは日蓮がモデルかな。

シテはこういう催しとしては贅沢に関西から味方玄を呼んでいる。この人は本当に上手だな。鵜之段なんて、「やっぱりこれがやりたいから幽霊になって出てきてしまうんだよ」という感じできびきびと綺麗。

山本則重のアイ。非常に解りやすかった。

そして閻魔様登場。ここで閻魔様が出てくるというのが何となく意表をついている。しかもこの閻魔様どっしり座っているイメージとは違って物凄くダイナミックに踊る。堪能しましたが、囃子も凄く張り切っていたので謡が(言葉が難しいこともあり)聞きにくくてちょっと残念。

珍しく、閻魔様退場で大きな拍手をした人がいました。誰も追随しなかったけれど、こういう曲はシテの退場で拍手も良いかな。


次回からタブレットで詞章や解説を見られるようにするということです。先着30名、ということで是非と思ったら、脇正面の席でしか使えないのですって。なーーーんだ。
by soymedica | 2015-06-21 23:02 | 能楽 | Comments(0)
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