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銕仙会青山能12月

銕仙会青山能12月_d0226702_11225644.jpg銕仙会青山能12月
2014年12月17日(水)18時30分より@銕仙会能楽研修所

仕舞 
忠度
 馬野正基
玉鬘 安藤貴康

狂言 八幡前
シテ(聟)大蔵基誠、アド(舅)善竹十郎、(教人)善竹富太郎、(太郎冠者)大蔵教義

能 歌占
シテ 長山桂三、ツレ 青木健一、子方 長山凛三
笛 一噌隆之、小鼓 幸正昭、大鼓 原岡一之、
地謡 西村高夫(6人)


前二回はぎっしりと座布団の敷いてあった銕仙会研修所。今回はちょっと畳が見える。今度はベンチシートを試してみよう。

狂言は八幡前。萩大名と同じような筋立てだけれども、こちらは金持ちに婿入りしたいバカ男に親切な人が指導するが、あまりのバカぶりに逃げ出してしまうというもの。「いかばかり神も嬉しと思すらん八幡の前に鳥射るたてたり(鳥居たてたり)」というちょっとした歌を覚えさせようとするが…。
なかなか面白かった。大倉基誠、善竹富太郎も上手でした。ただ、もっと大きいホールで後ろの方で見たときに届く芸ではないような気がする。


歌占は地味な演目なのですが、ちょっと好き。シテがあやしいところが面白い。
大鼓がやたらに掛け声が大きく若干犬の遠吠えに聞こえるのがちょっと。

さて、子方を連れた男登場。観たことのないワキだな、と思ったらツレだった。そうそう、上掛はツレがやるのですね。眼光鋭い方です。この男と子供ってどういう関係なのか説明のせりふは無かったような。

白髪の神人登場。緑の大口。全体に不思議な雰囲気が出ています。なんで若いのに白髪か?と聞かれて「にわかに頓死す」、そして目覚めたら白髪になっていた、と。下掛ではもっと説明があるそうですが、上掛のこの唐突な感じも捨てがたい。

そしていよいよ占い。弓につけた短冊の歌を読み、それについて神人が解釈を加えるという形式。そういえば前の狂言も「弓」(こちらは当たらない)が題材だったし、弓つながりですね。

ツレがまず短冊をひきます。で、ツレの父親について占うのですが、ここのところは筋立てと全然関係ない。占いの面白い風俗を観客に楽しませるための部分らしいのですが、私には冗長に感じられたし、きっと演者もそう思っている…。

いよいよ子方がくじを引き、親子の再開となります。シテと子方は実の親子なので、練習もたくさんできたのでしょうね。息がぴったり合っていました。前にも思ったのですが、この子方は上手だし、言われてやっているのではなくてちゃんと演技している。(パパよりハンサムだと思う)。

そして「これが最後だから」と、自分が見てきた地獄の様相を舞います。ここのところの謡の文句が非常に面白い。歌占の詞章を持っていないのが残念。喜多流のは国立能楽堂のプログラムのバックナンバーにあるのですがね。

地謡も良かったし、迫力のある舞台でした。大鼓がちょっとねー。
by soymedica | 2014-12-21 11:25 | 能楽 | Comments(0)
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