第38回のうのう能 特別講演 鞍馬天狗 白頭
2014年2月2日(日)13時より@国立能楽堂 正面席10000円 解説 中村健史 仕舞 花月 観世喜之 車僧 梅若紀彰 狂言 素袍落 シテ(太郎冠者)山本東次郎、アド(主)山本凛太郎、(伯父)山本則孝 鞍馬天狗 白頭 シテ 観世喜正、ワキ 殿田謙吉、アイ(能力)山本則孝、(木の葉天狗)山本凛太郎、若松隆 子方(沙那王)味方梓、 花見稚児 柿原萬穂、山本紗綾、遠藤聖実、山本育子、桑田潤之介、遠藤寛和、一噌隆晴、鵜沢龍之介、佐久間瑞稀、観世和歌 笛 一噌隆之、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 安福光雄、太鼓 観世元伯 後見 観世喜之、味方玄、遠藤和久 地謡 梅若紀彰ほか 中村健史さんという京都の若い研究者。謡や仕舞を習って二十年というだけあって、能舞台で正座しての解説。(三十分後にはスーッと立って退場。)話が上手い。解説者としては田中貴子、馬場あき子が好きだけれど、この人も追加しよう。 仕舞。観世喜之はお爺さんのハンサム、梅若紀彰はおじさんのハンサム。 狂言の素袍落。前半の東次郎の酒を飲むところ、面白いな―と思いつつ、寝落ち。残念無念。東次郎が見たかったのもさることながら、この話後半ちと腑に落ちない点も色々あって色んな流派で観たかったのに。 鞍馬天狗。パンフレット本体とは別に、子方全員の写真の入ったパンフレットが作られています。御歳100歳の山崎有一郎さんが一文を書いているというお目出度いもの。見所にも小学生が目立ちます。 山伏が登場したあと、能力と鞍馬の僧、稚児たちがやってくる。ずら―っと橋掛かりに並んだ稚児。歳の順なんですが、先頭三歳児の二人がもう…。おしゃまな観世和歌ちゃんがとなりの佐久間瑞樹ちゃんに「しー」と指導したり、瑞樹ちゃん、橋掛かりでしゃがみこんじゃったり。後見で一人出ている味方玄が橋掛かりに出張ってきて保父さん状態。客席は皆ニコニコしながら見ていて能力の言うことも僧の台詞も聞いていない。 子方は舞台に出て、怪しい山伏を恐れすぐに引っ込んでしまうのですが、立ちあがるときも三歳児は一人では立ち上がれないので、味方保父さんと、観世喜之おじいちゃんが助けてあげる。 狂言方の舞―これがちゃんと子供を楽しませる舞、というものなんですが―と、子供たちに気を取られているといつのまにか舞台の端にいた怪しい山伏がシテ柱のところに座り込んでいる。公園で皆で花見をしていたら、いつの間にかシートの端っこに知らないおじさんが座っていたという感じ。 「花は皆のものだけれど、預かっている大切な平家の公達に万が一のことがあっては」と皆ぞろぞろ退場。 と、一人残って山伏に親近感を示すみすぼらしい姿の少年。味方梓ちゃん、女の子ながらりりしい。謡も所作も立派と思うのだけれど、彼女の場面になると味方玄の眉根にしわが寄って顎の線が硬くなる。お父さんとしては出来に不満なのか、お父さんのほうが緊張しているのか…。 山伏は実は自分は天狗である、と明かすのでした。 狂言方二人が出てきて、大天狗様が教えている沙那王の上達ぶりは凄いものだ。われらではかなうまい、とちょっと兵法のまねごとをして見せてから退場。凛太郎と若松隆楽しい2人でした。昨日に続き大活躍。 そして兵法をまなんで一段と立派になった沙那王登場。凛々しく長刀をもって舞台を一周。大天狗も郎党を引き連れて(目には見えないのですよ)登場。白頭というのは重々しい天狗なのだそうです。 杖を羽団扇に持ち替えて、沙那王に張良、黄石の故事を語ります。この話、司馬遼太郎で読んだけれど、もっと複雑な解釈だったような。 教えるべきことはすべて教えた天狗、さらば、と去って行こうとすると沙那王が縋り付きます。名残を惜しんで退場。ここがかっこ良い。 前半は可愛い子供たち、後半は凛々しい梓ちゃんと凄い天狗で楽しい一日でした。
by soymedica
| 2014-02-04 21:35
| 能楽
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Comments(2)
さきほど当方のブログに書き込みくださったのに誤って削除してしまいました!せっかく書いてくださったのに大変失礼いたしました。公文の萬斎さんの広告、いろんなところに出てるようですが、悲しいことに私は未だに遭遇できずにおります。CMも未だに一度も。。。
子方がたくさん出演する演目楽しそうですね。そして子方のお父様を観察するという楽しみもあるのですねー
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soymedica at 2014-02-09 17:41
jizoさん、ご丁寧にありがとうございます。その後、広告が最寄駅に出たとのブログも読ませていただきました。jizoさんとどこかで遭遇しているかもしれないと思うと、楽しいです!(今度は同じコメントが四つ入っていましたので一つだけ残させていただきました。)
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