世阿弥 北川忠彦 中公新書1972年7月25日初版発行、1991年3月20日14版
かなり版を重ねた本ですが、今は絶版です。読んでみると若干学問的には古い所があるのかもしれませんが、素人には十分。「新書とはよくできたカタログだ」と喝破したひとがいましたが、まさにそうです。
世阿弥とその時代、世阿弥の作品、世阿弥の芸論、世阿弥の流れにわけて論じています。その作品や作能態度がいかに時代とかけ離れて高踏的になって行ったのかを、いろいろな証拠をあげて論じて行きます。また、後の能役者、能作家が時代を意識しつつ、世阿弥の作品や芸術意識から逃れられなかった様子を説明しています。
手に入るようだったら一読をお勧めします。