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藪睨み能舞台 近代能楽側面史 西澤建義 図書新聞

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藪睨み能舞台 近代能楽側面史 西澤建義 図書新聞

2010年9月15日 初版発行


著者は1945年生まれ。1968年に早稲田大学を卒業。一度は就職したものの、しばらく高等遊民のようなことをしていた。その間習っていた謡の師匠に誘われ、梅猶会の雑用係をしていた。プロにならないかと誘われたこともあるらしい。最近になって鵜澤勇三の本と出合い、観梅問題とは何か、当時楽屋で感じた違和感は何か、を調査しだす。

能楽関連の仕事で生計を立てていた人ではないので、当時ほとんどの人を巻き込み今でもその記憶を残している人たちとは違って、観梅問題についてはっきりと書ける立場。いろいろな資料にあたりながら、探偵のように調査します。

始まりは大政奉還で観世宗家が静岡に引っこんでしまうところ。梅若実は能樂を生き残らせるために東奔西走します…。ところが東京を捨てるように徳川家について行った観世宗家が帰ってきて…。ごたごたは戦後まで続いてGHQをまきこんだり。

何故この本を買ったのか忘れましたが、「観梅問題」についてこんなに詳しい本は無いのではないでしょうか。そのうえ、面白い。お勧めです。
by soymedica | 2012-04-26 20:18 | 本・CD・その他 | Comments(0)
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