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観世会定期能12月(一部のみ)

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観世会定期能12月
2011年12月4日 
正面席12.5K円

俊寛
シテ 観世清和、ツレ(成経)野村昌司、(康頼)藤波重彦、ワキ 福王和幸
アイ 高部恭史
後見 関根祥六
笛 寺井宏明、小鼓 大倉源次郎、大鼓 國川純


狂言 文山賊
野村万蔵、野村扇丞

葛城 大和舞
シテ 梅若玄祥、ワキ 殿田謙吉、アイ 野村扇丞
笛 一噌康二、小鼓 亀井俊一、大鼓 亀井忠雄、太鼓 金春國和




小春日和の一日。日当たりではコートが要らないくらい。外が明るいと、能楽堂の中でも何となく楽しい。

俊寛は能楽講座で学んだし、詞章の読み込みも十分。舞がなく、謡で聴かせる能です。栄養のよさそうな成経、康頼に比べて俊寛は憔悴しきっています。何となく、赦免使が来る前からこの結末が予想されるような感じ。

福王和幸、この役ははまり役かもしれない。実は私、「背の高い男」イコール「何を考えているかわからない奴」という偏見があるのですよね。その、何を考えているかわからない感じが赦免使にぴったり。そして、アイの野村虎之介がとても印象的でした。さしてやることもないのだけれど、何故でしょう。

おいて行かれた俊寛。言うことありません。本当に良かった。ツレも囃子方、地謡も良かった。


引き続き、文山賊(ふみやまだち)。始まっているのに声高にしゃべる客あり。観世定期能はここが嫌。
間抜けで優しい山賊が笑わせます。仲たがいの取っ組み合いも「イバラがあるからあぶない」「崖があるから危ない」。じゃあ、果たし合いだ、でも遺書を書かなきゃ。と言っているうちに何故か命拾いした気分になるおまぬけ。二人の息もぴったり。爽やかな気分にさせてくれました。


休憩。観世能楽堂はいかにも狭い。雨が降ったら食事ができない。食堂は前もっての注文した人だけしか入れない。これを何とかしてほしい。食堂はどのくらいの利益が上がっているのか知らないが、冬に年寄りを外に座らせてお弁当食べさせるくらいなら、何か工夫の余地があるのでは。まあ、丸一日聞いるお客は少ないということなのでしょうけれど。


次は葛城です。道に迷っている山伏を家にさそう雪輪模様の衣装の怪しい女あり。謡が優しいのに声が通ってさすが。これが役の小角に折檻された葛城の神。でも役の行者って元祖山伏なのですよね。今回山で声をかけた相手も山伏。怖くなかったのかな。山伏に祈加を頼んで中入りします。玄祥さんはとても大きいので、あの作り物の中で着替えられるのは奇跡のようです。

作り物を出てきた神は、雪の積もった榊を持って舞います。私はゆっくりした舞は退屈してしまうのですが、今回は面白く見られました。
殿田は前半若干語尾の高さがずれていましたが、最後は良かった。調子が出るのに時間がかかったのかも。ワキツレの若い子(大日方じゃない方)、寝てました(笑)。小鼓の調子がいま一つと言う感じがしましたが。


熊坂は見ずに帰りました。連日でしたので。

写真は能楽堂入口の空。
by soymedica | 2011-12-05 20:25 | 能楽 | Comments(0)
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