第9回塩津哲生の会

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第9回塩津哲生の会
2011年10月1日(土) 
@喜多能楽堂 正面席通路後方 9000円

仕舞 松虫 塩津圭介

舞囃子 養老 水波之傳 野村四郎

狂言 井杭 

算置 野村万作、何某 石田幸雄、井杭 野村裕基

能 鸚鵡小町
シテ 塩津哲生、ワキ 宝生閑
笛 一噌仙幸、小鼓 横山晴明、大鼓 柿原昭世
地謡 、香川靖嗣、粟谷能夫、大村定、粟谷明生、金子敬一郎、長島茂、狩野了一、友枝雄人


本日は塩津哲生の会に行ってきました。鸚鵡小町は重い曲で、これを演ずるのは稀だし、おめでたいのだそう。ドナルド・キーンさんもいらっしゃいました。そのほかにもどこかで拝見したようなお顔が。

まず松虫仕舞。息子さん、すっごく若い。まだ海のものとも、山のものとも…。

野村四郎の養老。この人他流試合に呼ばれることが多いタイプなのでしょうか。本日ぼーっと見ながら、物凄く上手いのでは??と初めて思いました(失礼しました)。

そして狂言井杭。姿の消える頭巾を手に入れた裕其クン、長者の石田幸雄から逃げるわ、占い師の万作じいちゃんを馬鹿にするわ、の大悪戯。今は、可愛さと勘で売ってます。でも、天性の才能があるかもしれない。おばさんとしては期待大。ウサギ模様の肩衣も可愛らしい。そして石田幸雄。この人62歳にはと見えてもません。もっと若く見えるのに、しみじみ上手い。


今日のハイライトの鸚鵡小町。仕舞よりは謡が好きな私にとっては結構面白い曲でした。友枝昭世さんは病気療養中とのことで、地謡の変更がありました。病気は声帯ポリープということです。前に聞いた声の感じからは喉頭癌とも思えないので、本当なのでしょう。喫煙者でない事を祈るばかりです。

老女を演ずるというのは、男性にとっては若い女性を演ずるより簡単なのでは。でも、塩津哲生も年が年ですから、年寄りを演じているのか本人の地なのか、わからないところが面白い。

地謡も囃子も裃姿。主後見が橋掛かりから出るのを見たのは初めてかもしれない(退場するときは切戸口からなのですね)。

例によってワキは宝生閑。重要な舞台はいつもこの人。それにしても、シテの絶句はしばしばですが、この人の絶句って見たことない。ワキが絶句したら、だれが付けてくれるのか、というのが私の最近の最大の疑問です。

さて、シテは老女だけあって、橋掛かりからゆっくりゆっくり。なんと私から2つとなりのおじさんはここで鼾をかいて寝ていました。そのあとはずっと起きていたようですが、びっくり。話をシテにもどすと、動きもほんのちょっと。私が注意をワキや囃子方に向けているすきにちょっとだけ顔の向きが変わっていたり。
傘の下から一寸だけ顔が見えていますが、その角度で面の下からあごが動いているのが見えると、本当に面が動いているように見える不思議。

声が比較的細いのに面の下からでもはっきりと聞こえるのは鍛錬の賜物なのでしょうか。囃子方が若干強いかとも思いましたが、地謡、囃子、シテ、ワキとバランス良く、楽しめました(大鼓の柿原崇志さんは赤ら顔で必ず終わると汗を拭いますね、フフっ)。
喜多流は独自の型付けだそう。この辺はパンフレットの村上湛の解説に詳しい。ついでながら、このパンフレットの解説はなかなか力が入っていてしかも情緒過剰でなく嬉しい。

これからもっともっと色々見たら注文もあるのかもしれませんが、本日大変満足した能でございました。

能楽堂の駐車許可を得た車多数。アルファロメオは誰のかな。

参考:能の表現 清田弘 草思社
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by soymedica | 2011-10-02 19:56 | 能楽 | Comments(0)
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