国立能楽堂 普及公演 船渡聟 東岸居士

国立能楽堂 普及公演 5月14日(土曜)午後1時開演

能の「橋」物語 増田正造 

船渡聟
シテ(聟):大蔵千太郎、アド(舅):大蔵吉次郎、アド(太郎冠者):大蔵基誠、アド(船頭):大蔵彌太郎

東岸居士 橋立
シテ(東岸居士):山本順之、ワキ(男):飯冨雅介、アイ:大蔵教義、
笛:藤田次郎、小鼓:幸正昭、大鼓:守家由訓
後見:浅井文義、浅見慈一、
地謡:安藤貴康、谷本健吾、長山桂三、馬野正基、小早川修、西村高夫、清水寛二、柴田稔

正面席 4320円


とても良いお天気でした。能楽堂の前庭では、お弁当を広げる人も。
代々木駅から10分ちょっと歩いたのですが、ちょうどよく汗をかきました。食堂に入って皿うどんを注文したら、おじさんが「あと20分ではできないので他のものにしてください」と。ここで「解説は聴きません」と、言って良いものやら、言ったら「そうですか」、と皿うどんの食券を売ってくれるのか見当がつかなかったので、ハヤシライスに変更。
本当は解説はどうでもよかったのだけれど…。やっぱり、私の聞きたいところとはずれた解説でした。でも、解説者も困るのではないでしょうか。誰に向って、どの程度の話をするのか???

食堂には「○×ツアー様」という札が立っていたので、団体さんがいた模様。


船渡聟

いきなり舅どのの発声がかん高く(鶏が絞殺されているのかと思った)びっくりしましたが、聟と船頭(親子らしい)の息がぴったり合って面白かった。


東岸居士

筋といった筋は無い話です。京都見物に来た人が、橋の勧進をしている「東岸居士」の芸を見て楽しむ、というものです。なんだかやたらと抹香臭い謡ですが、舞を見せるのが目的の60分ほどの作品。この解説を書くのは大変だろうな、と思って改めてプログラムを読み返すと、さすがプロ(金子直樹)、ためになることが沢山書いてありました。560円は安い。
ほかにためになるぬえ様のブログにトラックバックしてみました。

ただ、こういうのを「普及公演」ってどうでしょうか。鬼がでてきて派手なのか、いっそのこと井筒とか。

シテの山本順之。とてもきちんとした人なのではないかと思います。あんまり派手ではないのは、演目のせいなのか、本人の性格なのか。70歳過ぎているのですね。見ていた時はもっと若い人かと思いました。


…本屋さんが勧めるので、なんだかとても高い本を買ってしまった…。「能・狂言事典」
8000円くらい(涙)。私にとって本屋さんは鬼門なのだけれど。仕事で本を買う時には1万円以下だとお買い得かなと思う程度何ですが、そのほかの本で3000円以上すると、反省しちゃうんですよね。

今ではネットでこーんな良いお写真も見られまっせ。
http://www.harusan1925.net/0406.html

参考は
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/efd7ea0ca6c9e61ac822c3b7998697da/9a
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/ce03a6fbb2b6e46a35c81b6a7ed216be/9a
[PR]
# by soymedica | 2011-05-15 00:17 | 能楽 | Comments(4)

能楽への招待

能楽への招待 梅若猶彦 岩波新書

d0226702_10594630.jpg

能とは何か、の本なのですが、歴史や曲の解説もあるものの、主眼は「能楽師は何を考えて舞っているか」「何がすばらしい芸か、そこへの到達:観客側から見て、舞うものから感じて」と言うところにある本です。
一部は全く私には実感のわかない部分もあり、一瞬で消えてしまう主観的な感覚を説明することの難しさを感じさせます。
しかしながら、筆者が体験した現代劇「リア」などの話は門外漢にも良く理解できます。これはいろいろな国のいろいろな背景を持つ一流の役者たちがリア王の新解釈を一緒に演じるもので、筆者はリアの役だったそうです。「伝統芸能出身の『型』で演じる役者は長期の公演の間それを変更する必要はなかったが、現代劇出身の役者は少しずつ演技の変更をした。」とのこと。
確かにそうかもしれないと思う一方で、もっと長いスパンで考えると、型が決まりすぎていると観客が時代とともに変化するのに芸能のほうがついて行けないこともあるだろう、と思います。
ある程度の集客力を期待するならそこのところを少しずつ変化させていかないと、というのも伝統芸術の苦しいところかもしれません。

能楽関係でブログを書いたり熱心に解説執筆をしたりするのは普通の家庭から能の世界に「就職」した人が多いようです。
筆者はシテ方の家に生まれていますが、父親が早世しているらしい。その意味では一般的な芸事の家に生まれた人とはちょっと違うので、こういう解説的な本を書こうという要求がつよいのかもしれません。

2003年の出版なのにもう絶版になっています。岩波さんも最近はサイクルが早い。
[PR]
# by soymedica | 2011-05-13 11:00 | 本・CD・その他 | Comments(0)

亀井広忠

d0226702_221991.jpg

亀井広忠(能楽囃子)

第8回ビクター伝統文化振興財団賞 奨励賞

こーんなCDが売られていて、こーんな賞があるのですよ。

星が5つなのだか3つなのだか評価できるほど知らないのですが。そもそもあの曲とこの曲を区別できるのか??と思っていたのですが、結構それぞれ違うものですね(あまりに初心者な感想ですが)。

実際の舞台のときよりも気合いが入っている感じは、自分たちが主役だから?囃子のためだけに編曲された曲も入っているようですから、なおさらかも。
この他にもアマゾンで大人買いしちゃったので順に聞いていこう。
[PR]
# by soymedica | 2011-05-11 22:25 | 本・CD・その他 | Comments(0)

平田オリザ 演劇展

平田オリザ 演劇展 マッチ売りの少女たち
原作 別役実、構成・演出 平田オリザ
@こまばアゴラ劇場 2500円

毎度のことながら満席でした。しかも凄く若い人が多い(あの椅子ではあたりまえか)。有名なものなので、ご存知の方も多いと思いますが、あらすじとしては:
子供を失ってだいぶたつ夫婦二人の平和な茶の間に、「私、あなたの娘です」という若い娘が突然やってきて、それが3人にまで増えたと思ったら、弟までやってきて…。さらに市役所の戸籍係、近所の噂好きの主婦たちが加わり…という不条理劇。

1997年が平田オリザとしての初演。
別役実の原作は「マッチ売りの少女」という形で1966年に初演されているそうです。「マッチ売り」というのは、戦後の混乱期のマッチ一本が消えるまでの間スカートの中を覗かせる、という子供の売春まがいの行為のことです。原作は戦後の混乱と貧困の色を濃く残した作品だそうで、私の見た写真も何と茶の間が畳だった。
今回の舞台は立派な木のテーブルでアールグレイを楽しむ、というものでしたし、やってくる市役所の課長が女性、下っ端がいかにもの兄ちゃん、というのも現代風。
私は衣裳のセンスがすごく良いと思ったのですが如何ですか?(有賀千鶴、正金彩となっています)。

110分、堪能できます。別役のもとの形も見てみたいような気がしますが、ネットであらすじを検索した限りでは、今見るなら平田オリザの形の方が面白いかな。
[PR]
# by soymedica | 2011-05-07 21:22 | その他の舞台 | Comments(0)

観世会定期能 5月

観世会定期能 5月
観世能楽堂 正面席12500円

能 絵馬
シテ(尉/天照大神)観世清和、前ツレ(姥)林宗一郎、後ツレ(天鈿女命)木原康之、ワキ(勅使)殿田謙吉、アイ(末社)野村太一郎、後見 木月孚行、地頭 武田志房、笛 一噌隆之、小鼓 曽和正博、大鼓 柿原弘和、太鼓 助川治
(95分)

狂言 茶壷
シテ(すっぱ)野村萬、アド(田舎者)野村扇丞、アド(目代)野村万蔵

能 蝉丸 替之形
シテ(逆髪)関根祥六、ツレ(蝉丸)岡久廣、ワキ(清貴)工藤和哉、アイ(博雅三位)野村万蔵、後見:観世恭秀、地頭:谷村一太郎、笛:内潟慶三、小鼓:鵜澤洋太郎、大鼓:亀井実
(100分)

阿漕
シテ:観世銕之丞、ワキ:宝生閑、アイ:山下浩一郎、後見:野村四郎、地頭:角寛次朗、笛:寺井久八郎、小鼓:亀井俊一、大鼓、佃良勝、太鼓:観世元伯
(85分)

絵馬。観世会の講座に行ったので、期待はいやがうえにも高まります。100%に近い入りだったのですが、ラッキーなことに隣が空席。前の人の頭に邪魔されずに見られました。やはり、宗家は上手なのか、カリスマがあるのか、引きつけます。中入り後の能面に装束ではどれが誰やら能楽初心者の私にはわからなかったのですが、やはり目が行ってしまう人が天照大神でした。前半と後半が一つの能になる整合性がいま一つわからないのですが、五穀豊穣を願うおめでたい能です。東北にも五穀豊穣が早くおとずれますように。林望先生によると、初心者にもお勧めということですが、確かに楽しい能でした。途中、節分が2月と思っている現代人には「おや?」と思う言葉があるのですが、興味ある方は下の文献を。

狂言 茶壷。酔っ払って茶壷を枕に寝ている男からまんまと茶壷をせしめようとしたら、仲裁に入った目代に漁夫の利をとられるという筋。野村萬を初めて見ましたが、この人がすごーく可笑しい。さすが。野村扇丞も上手ですが、若いと「味」というものが出ないのかもしれない。野村萬さんは狂言を見ない人にもお勧めしたい楽しさです。

蝉丸。すいません。後半寝てしまいました。この人、凄く上手いのだろうなーと思いつつ、幸せに寝ました。観世会って長いので。ごめんなさい。若干良性の震顫がありますね。手に笹を持っていたのでよくわかりますが、演技の上ではあまり気になりません。

阿漕。「あこぎな奴」の阿漕です。密漁者だった人です。密漁が見つかって、海に沈められても亡霊になっても出てきて密漁をする、という内容。何回も同じことをするとたとえ秘密にしていても、わかっちゃうんだよ、ということで西行法師の恋の歌にも出てくるそうです。こういうドロドロしたものって、結構面白く感じられます。またまた小鼓が私の気に入らなかったのですが、能としては堪能できました。今回正面の一番後ろの席だったのですが、こういうものはもう少し近くで見ても良いかも、

参考文献
絵馬:これならわかる、能の面白さ 林望 淡交社
   特集・絵馬 中尾薫 観世74巻3号p28-33
蝉丸:能の鑑賞講座2 三宅襄 檜書店
阿漕:能の鑑賞講座1 三宅襄 檜書店
[PR]
# by soymedica | 2011-05-01 20:48 | 能楽 | Comments(0)