平田オリザ 演劇展

平田オリザ 演劇展 マッチ売りの少女たち
原作 別役実、構成・演出 平田オリザ
@こまばアゴラ劇場 2500円

毎度のことながら満席でした。しかも凄く若い人が多い(あの椅子ではあたりまえか)。有名なものなので、ご存知の方も多いと思いますが、あらすじとしては:
子供を失ってだいぶたつ夫婦二人の平和な茶の間に、「私、あなたの娘です」という若い娘が突然やってきて、それが3人にまで増えたと思ったら、弟までやってきて…。さらに市役所の戸籍係、近所の噂好きの主婦たちが加わり…という不条理劇。

1997年が平田オリザとしての初演。
別役実の原作は「マッチ売りの少女」という形で1966年に初演されているそうです。「マッチ売り」というのは、戦後の混乱期のマッチ一本が消えるまでの間スカートの中を覗かせる、という子供の売春まがいの行為のことです。原作は戦後の混乱と貧困の色を濃く残した作品だそうで、私の見た写真も何と茶の間が畳だった。
今回の舞台は立派な木のテーブルでアールグレイを楽しむ、というものでしたし、やってくる市役所の課長が女性、下っ端がいかにもの兄ちゃん、というのも現代風。
私は衣裳のセンスがすごく良いと思ったのですが如何ですか?(有賀千鶴、正金彩となっています)。

110分、堪能できます。別役のもとの形も見てみたいような気がしますが、ネットであらすじを検索した限りでは、今見るなら平田オリザの形の方が面白いかな。
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# by soymedica | 2011-05-07 21:22 | その他の舞台 | Comments(0)

観世会定期能 5月

観世会定期能 5月
観世能楽堂 正面席12500円

能 絵馬
シテ(尉/天照大神)観世清和、前ツレ(姥)林宗一郎、後ツレ(天鈿女命)木原康之、ワキ(勅使)殿田謙吉、アイ(末社)野村太一郎、後見 木月孚行、地頭 武田志房、笛 一噌隆之、小鼓 曽和正博、大鼓 柿原弘和、太鼓 助川治
(95分)

狂言 茶壷
シテ(すっぱ)野村萬、アド(田舎者)野村扇丞、アド(目代)野村万蔵

能 蝉丸 替之形
シテ(逆髪)関根祥六、ツレ(蝉丸)岡久廣、ワキ(清貴)工藤和哉、アイ(博雅三位)野村万蔵、後見:観世恭秀、地頭:谷村一太郎、笛:内潟慶三、小鼓:鵜澤洋太郎、大鼓:亀井実
(100分)

阿漕
シテ:観世銕之丞、ワキ:宝生閑、アイ:山下浩一郎、後見:野村四郎、地頭:角寛次朗、笛:寺井久八郎、小鼓:亀井俊一、大鼓、佃良勝、太鼓:観世元伯
(85分)

絵馬。観世会の講座に行ったので、期待はいやがうえにも高まります。100%に近い入りだったのですが、ラッキーなことに隣が空席。前の人の頭に邪魔されずに見られました。やはり、宗家は上手なのか、カリスマがあるのか、引きつけます。中入り後の能面に装束ではどれが誰やら能楽初心者の私にはわからなかったのですが、やはり目が行ってしまう人が天照大神でした。前半と後半が一つの能になる整合性がいま一つわからないのですが、五穀豊穣を願うおめでたい能です。東北にも五穀豊穣が早くおとずれますように。林望先生によると、初心者にもお勧めということですが、確かに楽しい能でした。途中、節分が2月と思っている現代人には「おや?」と思う言葉があるのですが、興味ある方は下の文献を。

狂言 茶壷。酔っ払って茶壷を枕に寝ている男からまんまと茶壷をせしめようとしたら、仲裁に入った目代に漁夫の利をとられるという筋。野村萬を初めて見ましたが、この人がすごーく可笑しい。さすが。野村扇丞も上手ですが、若いと「味」というものが出ないのかもしれない。野村萬さんは狂言を見ない人にもお勧めしたい楽しさです。

蝉丸。すいません。後半寝てしまいました。この人、凄く上手いのだろうなーと思いつつ、幸せに寝ました。観世会って長いので。ごめんなさい。若干良性の震顫がありますね。手に笹を持っていたのでよくわかりますが、演技の上ではあまり気になりません。

阿漕。「あこぎな奴」の阿漕です。密漁者だった人です。密漁が見つかって、海に沈められても亡霊になっても出てきて密漁をする、という内容。何回も同じことをするとたとえ秘密にしていても、わかっちゃうんだよ、ということで西行法師の恋の歌にも出てくるそうです。こういうドロドロしたものって、結構面白く感じられます。またまた小鼓が私の気に入らなかったのですが、能としては堪能できました。今回正面の一番後ろの席だったのですが、こういうものはもう少し近くで見ても良いかも、

参考文献
絵馬:これならわかる、能の面白さ 林望 淡交社
   特集・絵馬 中尾薫 観世74巻3号p28-33
蝉丸:能の鑑賞講座2 三宅襄 檜書店
阿漕:能の鑑賞講座1 三宅襄 檜書店
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# by soymedica | 2011-05-01 20:48 | 能楽 | Comments(0)

お能の見方

お能の見方 白洲正子 吉越立雄 とんぼの本 新潮社
ISBN 978-4106020186


写真はとてもきれいですし、初心者として知っておくべき最低限の知識がきちんと解りやすく説明はされているのですが、入門書であって文学書ではないのだから、もう少し整理して書いてほしかった。
それと、参考書とか出典の一覧があると助かる。

何となく家庭画報とかあの辺の高級婦人雑誌の特集を思わせる作りではありますが、一読する価値はあると思います。
でも、絶版らしいですね。

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# by soymedica | 2011-04-23 14:33 | 本・CD・その他 | Comments(0)

観世研究会 4月20日

観世研究会能 5時半より at 観世能楽堂

通し券の一部で3200円(だったと思う)

花月
シテ:角幸二郎、ワキ:大日方寛
大鼓:佃良太郎、小鼓:幸信吾、笛:八反田智子
間:山本泰太郎、
後見:観世芳伸、観世清和
地謡:武田祥照、藤波重孝、坂口貴信、津田和忠、木月宣行、武田尚浩、清水義也、上田公威

狂言 土筆
山本則俊、山本則秀

吉野静
シテ:山階彌右衛門、ワキ:福王和幸
大鼓:亀井広忠、小鼓:観世新九郎、笛:松田弘之
間:山本則孝、山本則秀
後見:藤波重孝、関根知孝
地謡:武田祥照、清水義也、武田宗典、岡久広、林宗一郎、武田志房、坂口貴信、藤波重彦

野守 黒頭 附祝言
シテ:浅見重好、ワキ:森常太郎
大鼓:佃良勝、小鼓:鵜澤洋太郎、太鼓:桜井均、笛:寺井宏明(?)
間:山本則重
後見:上田公威、武田尚浩
地謡:武田宗典、大松洋一、林宗一郎、武田宗和、木月宣行、寺井栄、藤波重彦、観世芳伸


開演5時半というビミョーな時間。仕事帰りの人を狙ったのでもなく、仕事のない人を狙ったのでもなく...。自分でも稽古をやっているのかと思われる人多し。謡本を膝に置いている。

花月の後半から入る。シテがおなかの前に鼓(正確には羯鼓というのだそう)を着けて舞う。

狂言の土筆は、春の陽気に誘われて野遊びに出たは良いが、妙な歌を詠んだり、無理やり相撲をとったり、というポカポカしたお話。相撲をとる場面の動きが見せ場。

吉野静は、頼朝と不仲になった時期の義経が、吉野山に隠れる。吉野山衆徒も義経を討とうと動き出したために義経が脱出を図る、という情勢のときの物語。能は、部下の佐藤忠信(ワキ)と静御前が義経脱出の時間稼ぎをするために義経の武勇を語ったり、静が舞を舞ったり(これがメイン)という話。
しゃれた小品と解説にあったが確かにそう。
ワキは非常に背の高い人だが、姿勢が良いので、座っていると密命をおびた強い武士に見える。あまりにはまっているので「この人ほかの役ができるのかしらん」と思ってしまう。
静は緋長袴、水干で舞うので、動きがいまひとつ分かりにくい。見ていると衣装のさばきが気になる。それと意図的なのかどうかわからないが、じっとしているのか微妙に動いているのかよくわからないのも気になる。「もしかしてこのシテは静止が苦手なのかも」と、失礼なことも考えてしまった。(ワキが微動だにしないだけに。)

野守。黒頭(くろがしら)というのはどうやら使う面の種類のことらしい。
出羽の山伏が修行に行く途中で春日野に着く。野守のじい様が出てきて「野守の鏡」という池の言われや、塚に鬼が住んでいるということなどを語り、いなくなる。例によってアイが登場し、その野守は塚の鬼じゃなかろうか、と教える。鬼を是非見てみたいものだと思った山伏は夜になると数珠をグリグリと手繰って祈る。と、鬼が出てきて鏡を持って舞う、というもの。
シテは前半の老人のときと、後半の鬼のときと身長や体形が変わったかのように見えるのが驚き。ワキが近い距離で鬼と対峙する場面があるのだが、「そんなことしないほうが良いのじゃないの?相手は鬼だよ、目を見ちゃだめ」と、思わず心の中で呟く。今までワキが向きを変えるのをなんということもなく見ていたが、「ああ、そういうことだったのね、」と如実にわからせてくれる能。


あっと書き忘れましたが、吉野静の小鼓がよろしくなかったと思うのですが、道具の調子でしょうか。
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# by soymedica | 2011-04-21 11:26 | 能楽 | Comments(0)

国立能楽堂定例公演4月15日 

国立能楽堂定例公演4月15日

正面席 4800円

ネット予約、カード引き落とし方式にしてみた。当日劇場の自動発券機で発券。ところが、何とこの自動発券機が1台しか無い。何を考えているのだか。
前の人が何回かの切符をまとめて発券しているのでなかなか機械が空かない。さすがに窓口のひとが「こちらで」と言って窓口の中のPCで発券してくれたが…。あの窓口の人を二人から一人にして発券機を3台にするのと、いっそのこと自動発券をやめて窓口のみ(二人でさばけそう)にするか、考えた方が良いのでは。

鞍馬参り
シテ:善竹忠一郎、アド:大蔵彌太郎

小塩 車之仕方
シテ:金井雄資、ワキ:宝生閑、
ワキツレ:殿田謙吉、大日方寛、
アイ:大蔵千太郎
笛:松田弘之、小鼓:住駒幸英、大鼓:柿原崇志、太鼓:小寺佐七
後見:中村孝太郎、金森秀祥
地謡:渡邉茂人、今井泰行、水上優、當山孝道、小倉健太郎、武田孝史、高橋亘、朝倉俊樹

いかにも常連さんといった感じのお客さん多し。
前の席のじい様がやや大きな人なので、見にくい。椅子の配置を前後で半分ずらすとか、工夫したら良いのに。今度は電話予約にして端の席にしてもらおう。(観世のネット予約の方が席が指定できて便利。)

さて、狂言はシテもアドも比較的年配の方。おめでたい感じを出すのが主たる目的の狂言なのだろうが、何となくものたりなかった。セリフの間のとりかたのせいだろうか。

小塩。これは好きになりそうな演目。花見に来たらなにやらいわくありげな爺さんが桜の枝をかざして和歌の話をする。そのうち、ふっと爺さんは消えていなくなる。アイが「それは業平の化身でしょう」と説明する。
そのうち、花見車にのった業平の霊が現れ、舞を舞い、歌を詠む、というもの。
堪能しました。もしかしたら、シテの金井雄資が良かったのかも。そのへんのところは能初心者の私にはわかりませんが。
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# by soymedica | 2011-04-15 23:59 | 能楽 | Comments(2)