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世阿弥の能を読む

d0226702_1351325.jpg世阿弥の能を読む 斎藤征雄 幻冬舎ルネッサンス新書 
2012年12月15日第一刷発行 838円+税

筆者は1944年生まれの普通の会社勤めの方。宝生流を京都大学の学生だったときに始めたとのこと。現在でも能の愛好家のグループを率いているとある。
ということで、本格的な研究者ではないのだが、かえってこれが素人の私には読みやすい。まえがきによると、世阿弥の描いたものを読もうと思い立って「風姿花伝」から始めたのだが、これが難しい。それで気分転換のために世阿弥に関する研究所や伝記、世阿弥論などを並行して読んだと。
さらに世阿弥の生きた時代背景を知ろうと室町時代の文化にも目配りした読書をしたらしい。

結果としてこの本は筆者の言葉を借りると「…世阿弥の能楽論におけるキーワードや能の発生から今日までの経緯など極力幅広く話題を取り上げたので、能を愛する同好の士はもちろん、能に馴染みの少ない人にもいささかでも参考」になる本になっています。

お勧めの一冊。早く買った方が良いと思いますが。
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by soymedica | 2014-08-11 13:52 | 本・CD・その他 | Comments(0)

観世会定期能八月 鉄輪

d0226702_11594858.jpg観世会定期能八月 
2014年8月3日(日)11時より@観世能楽堂

花月 山階彌右衛門ほか 隠狸 野村萬ほか
花筐 筐之伝 野村四郎ほか

鉄輪 早鼓之伝
シテ 観世清河寿、ワキ 福王和幸、アイ 野村万蔵
笛 杉信太朗、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 亀井広忠、太鼓 小寺真佐人
後見 木月孚行 上田公威
地謡 谷村一太郎ほか


花筐からいたのだが、途中でうとうとしてしまったので感想は無し。ワキツレで宝生欣哉が登場してびっくり(ま、重要なセリフがあるけれど)したのと、目を開けるとそのたびに野村四郎が素晴らしい演技をしているのに起きていられない、の繰り返し。残念極まりない。


鉄輪は蝋燭能だったので余計眠くなりそうな気がしたのだけれど、こちらは大丈夫だった。暑い外から急に快適なクーラーの部屋に移行したのがいけなかったらしい。
始まる前に袴姿の若者たちが蝋燭をつけに。ライターのカチカチ言う音がちょっと興ざめ。

どうやら貴船神社に毎晩やってくる女があるらしい。神職におそろしい神託があり、その女に告げよ、と言われる。今晩も京の町中から貴船神社に―距離を考えただけで凄い執念―女がやってくる。衣を被いて顔ははっきりしないが、おどろおどろしい物言いの女。神様に何を言われても黙っていれば面倒なことにはならないだろうに、万蔵神職は考えなしに女に神託を告げてしまう。と、女の姿はみるみる変わり…。この面は遠くから見てもなんだか怖い。

女の亭主は別の女に乗り換えてルンルンだったのだけれど、ここのところ調子が悪い。有名な安倍晴明を尋ねると、晴明は顔を見るや否や「お前の命は尽きている!!」と。だが何とかしようと言ってくれる。福王和幸にそういってもらうと、強そうだし何とかなりそうな感じ。福王流の謡のほうが下宝生より強そうに聞こえるしね。

で、一畳台の前に据えた祭壇に形代の人形や髪の毛を置いて晴明が強く念じます。安倍晴明の陰陽師の映画では野村萬斎でしたが、福王和幸のほうが本来的には良かったか?(映画観ていませんが)。やることはやった、と晴明は笛座前に控えてじっと様子を見ます。

すると本当に上半身が真っ赤で頭には鉄輪にたてた蝋燭(これ、本物だったら凄いけれど残念ながら作り物)という女が。色々形代に恨みを述べたり、泣いたり。観世清河寿、もちろん仕舞や所作も良いのですが、何よりこの人の魅力は謡ではないだろうか。昔どこかの能楽講座で自ら「音痴はいけませんねー」と言っていたけれど、きっと謡以外の何を歌わせてもじょうずなんだろうな。

結局女の一念も晴明の力の前に屈して「時期を待つぞよ」と消えていく(この消え方も凄い)。そして、やったぞー、と晴明も退場。

蝋燭能、以前見た国立能楽堂の二人静のほうが暗かったし、あのくらいが良かった。舞台と橋掛かりには弱い照明がついていましたが、普段の公演でも演目によってはもっと照明を落としても良いかも、と思います。以前観世能楽堂で「証明は普段の半分にしています」という井筒を見ましたが、あれで十分。でもお年寄りのお客さんには暗いのかな。

亀井広忠、明るい水色(?)の袴。明るいところではずいぶん派手な色の袴だろうと思うのですが、暗い中ではなかなか良かった。もちろん囃子陣、良かったです。地謡も満足でした。

貰ったプリントに「演出の都合上、附祝言は省略させて戴きます。」とあったけれど、気にするお客さんいるのでしょうね。
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by soymedica | 2014-08-05 12:01 | Comments(0)

現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより

d0226702_23595975.jpg現代美術のハードコアはじつは世界の宝である展 ヤゲオ財団コレクションより
@東京国立近代美術館
2014年8月1日

ヤゲオ財団というのは台湾のお金持ち(ITで成功した)が作っただということです。ちょうど、昔の山種美術館のようなものかも。コレクションしているのは現代美術。
中国の現代芸術も色々。

面白いのは、「市場価値」というところを前面に出した解説がついているところ。やはり美術といえども、その時代時代に経済力がある国の作家のものが注目され、高額になるのだなー、と。やはり皆お金持ちになって新しいコレクションを作ろうと思ったら、自分の国の伸びる作家のものを買おうと思うのでしょうね。

最後にミニチュアのお家をミニチュアの絵で飾り付けて「ハウマッチ?!」のゲームができます。
普段は「○○美術館展」よりは作家に絞った展覧会に行くのですが、これはちょっと面白かった。
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by soymedica | 2014-08-02 00:00 | 本・CD・その他 | Comments(0)