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海辺のカフカ

d0226702_1917732.jpg海辺のカフカ

原作 村上春樹
脚本 フランク・ギャラティ
演出 蜷川幸雄

佐伯/宮沢りえ、大島/藤木直人、カフカ/古畑新之、さくら/鈴木杏、カラス/柿澤勇人、星野/高橋努、ナカタ/木場勝己

6月24日(火)13時半より@赤坂actシアター
S席11000円


出だしが良く無かった。チケットの日付を間違えていて、急遽なんとか仕事の整理をして友人と滑り込みセーフ。

actシアターは初めてだったのですが、そんなに古く無いのに、ロビーが狭く、大混雑。まあ、国立にせよ世田谷にせよいつも行くところは親方日の丸劇場ですから。まてよ、渋谷の東急の2劇場はゆったりしているけれど。

それはともかく、あんなに長くて複雑な話を劇で場面転換をどうするのか?と思ったのですが、そこは工夫されています。でも、演出としては私は失敗だと思う。そもそも脚本の段階で原作をどう処理しようという工夫をもっとしても良かったのでは。それとも村上春樹ファンに遠慮したのか。

俳優陣も生彩を書いていましたね。りえちゃんも調子が今一つ。ああ場面転換が多いと俳優陣もやりにくいのかもしれません。
「ナカタ」役の木場勝己がいなかったらとってもさびしいものになったでしょう。

5時間近い長丁場。原作の力で退屈はしませんでしたが。
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by soymedica | 2014-06-28 19:18 | その他の舞台 | Comments(0)

国立能楽堂六月定例公演 右近左近 采女

d0226702_13292161.jpg国立能楽堂6月定例公演
2014年6月20日(金)18時30分より
正面席 4900円

狂言(大蔵流)右近左近
シテ(右近)大蔵吉次郎、アド(妻)大蔵彌太郎

能(観世流)采女 美奈保之伝
シテ 梅若万三郎、ワキ 森常好、ワキツレ 館田善博、森常太郎、アイ 宮本昇
笛 藤田次郎、小鼓 幸清次郎、大鼓 亀井広忠
後見 加藤眞悟、梅若紀長
地謡 伊藤嘉章ほか


大蔵家の狂言はどうも発声方法が私に合わないらしく、敬遠気味なんですが、今回の右近左近は面白かった。この人たち、こんなに見せる演技をしたんだ、と見直しました。ただ、なんとなく二人とも年より老けて見えるのはなぜか。


観世定期能に続いての采女。采女は美奈保之伝の小書き付で演じられることが多いのか?実は観世家元の采女よりこちらの方が楽しく観られました。良い意味で軽い感じ。
森常好一行の登場。宝生欣哉よりも謡がモダンな感じがしますね。
一行が春日明神見物をしていると、綺麗な女性が。うきうきと観光している僧の一行と綺麗な女性の組み合わせが楽しい。艶やか、華やかな前場でした。でも実は女性は幽霊だったのです。

と、地元の人が采女の話をしてくれます。この人苗字からして大蔵の一族ではなさそうですが、発声がそっくり。そこまで修行で似るものなんですね。ちょっと目線の据え方が中空で不思議。

そして僧が「さすがは南都、不思議なことがあるものだ」と読経していると、目にも楽しい美しい幽霊登場。水色に錦糸で柳と水の模様の長絹、紫の袴。髪が一筋乱れて肩に垂れているのが水死体っぽい。
舞を舞った後、最後に橋掛かりで地謡に送られて入るのですが、大変残念なことに最後で地謡が崩れた。普通なら気づかない程度の乱れだったのですが、何しろ見せ場だっただけに残念でした。

でも、全体に満足の舞台でした。
笛後見、立てなくなってしまったのかな?
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by soymedica | 2014-06-25 13:31 | 能楽 | Comments(0)

第16回千五郎狂言会 しびり、居杭、武悪

d0226702_1418375.jpg第16回 千五郎狂言会 
2014年6月19日(木)19時より@国立能楽堂 
正面席 6000円

しびり 茂山鳳仁、茂山千五郎
居杭 茂山竜正、茂山逸平、茂山茂
武悪 茂山千五郎 茂山七五三、茂山正邦


良い番組、良い演者と思うのに、空席があった。やはり東京だと山本、野村家人気には勝てないのかな。

しびり。まあ、学芸会ですけれども、この年齢の子供がこれだけ大きな声で聞きやすいセリフを言うというのは鍛錬のたまものだと思います。最初の一声で見所のハートをわしづかみ。最後の最後でセリフを間違えて後のお父さんの方を振り返ったのも見所を喜ばせましたね。ふふふ。


居杭。この年齢になってくると、自分がやっていることに自覚的になるのだな、と子供の成長がわかる。和泉流と良く似ているけれど、和泉流よりも短いような気がします。
しかし本日もっとも活躍して疲れたのはお父さんでありましょう。


大曲の武悪。前回は山本家で観たと思うのだけれど、こんなにも違うものか。どちらが上手とかいうことではなく、違う。こちらの方が現代演劇に近い表現となっています。千五郎、前回骨折のせいか若干立ちにくそうですが、年を考えると物凄く機敏。七五三、この人良いバイプレーヤーですね。
そして、太郎冠者が武悪を打とうとするときの正邦、千五郎の緊張感。素晴らしかったです。一転して清水寺で出会ってしまうときのこっけいさ。この転換の妙。凄いものを観た、と満足しました。

思わず秋の公演のチケットも買ってしまった。
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by soymedica | 2014-06-21 14:26 | 能楽 | Comments(0)

おかしな二人 女性版

d0226702_1254513.jpgおかしな二人 女性版
作 二ール・サイモン、翻訳 酒井洋子
演出 平野智子
オリーヴ 薬師寺種子、フローレンス 雨蘭咲木子、ミッキー 小宮和枝、レネー 杉村理加、シルヴィ 南風佳子、ヴェラ 渡辺真砂子、マノロ 川本克彦、へスース 加藤拓二

6月17日(火)19時より@テアトルエコー 5000円


男性版と両方観たかったのだが、日程の関係で断念。

初めてのテアトル・エコー。こんなところにこんな劇場が。
お客さんに結構年配の方が多いのにもびっくり。そして私のお隣はやっぱり演劇をやっているらしい若い女性ふたり。

…週に一回皆でゲームを口実におしゃべりをしに友人宅に集まる女性たち。ダメな前夫にカネを送り続ける人、そこそこ上手く結婚生活を乗り切っている人、共稼ぎの人、専業主婦、現在恋愛進行中の人。皆が人目を気にせず散らかりきった家でがやがや。まあ皆とやかく言いつつも相手の人生尊重し、からかいあい。…わかるわかる、そういう女子会って楽しいんですよね、

と、そこにメンバーの一人が離婚して転がり込んでくる。週一会っている分には良かったけれど、同居し始めると…。
というところからお話が展開。

これ、男性版が最初で1965年にヒット。1985年に女性の社会進出を受けて女性版が作られたそうです。でも、当時日本で上演したとしても、この面白さはわからなかったのでは。男女雇用均等法ができた頃でしょ?
調べたら10年ほど前に小泉今日子主演でシス・カンパニーが上演していました。
「女子会」が盛んになり、「バツイチ」が肯定的に捉えられるようになってきたのがこのころかな。

原作の想定だと女性たちは30代半ばから後半でしょうけれど、もう少し年上の想定で演出されているようです。
その方が今の日本ではリアリティーがあるでしょうし。

あるある感いっぱいで、クスッと笑える元気の出るお芝居でした。

ところでこれ、男性が観たらどんなふうに感じるのだろう。たくさんいた男のお客さんに聞いてみたかった。
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by soymedica | 2014-06-19 12:10 | その他の舞台 | Comments(0)

能を面白く見せる工夫 小書演出の歴史と諸相

d0226702_22281478.jpg能を面白く見せる工夫 小書演出の歴史と諸相 横道萬里雄、山中玲子、松本雍 檜書店 2009年1月30日 第一刷

小書についての本です。
まず、色々な小書を分類。リンネの植物学のように、ものは分類するとある程度見えてくるものがあります(ちょっと古いですね)。でも、ここが意外に面白かった。

そして小書成立の歴史。これを研究すると、曲の変遷が分かることがあるという。代表的な曲(清経、朝長、江口、望月)について例をあげながら解説。

笛など囃子方の小書についての小書はちょっと私には難しかったです。

「クツロギ」の由来については、「へーー」が三回くらい。

最後に現行小書き一覧がついていて、充実した索引もあります。

お勧め。
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by soymedica | 2014-06-15 22:28 | 本・CD・その他 | Comments(0)

第8回日経能楽鑑賞会 咲嘩 求塚

d0226702_1240957.jpg第8回日経能楽鑑賞会 求塚
2014年6月5日(木)18時30分より@国立能楽堂
脇正面席8000円

狂言 咲嘩
シテ(太郎冠者)野村万作、アド(主人)高野和憲、小アド(咲嘩)石田幸雄

求塚
シテ 友枝昭世、ツレ 内田成信、大島輝久、
ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、御厨誠吾
アイ 野村萬斎
笛 一噌仙幸、小鼓 成田達志、大鼓 國川純、
後見 塩津哲生、中村邦生
地謡 粟谷能夫ほか


咲嘩、ってそれ自体が詐欺師のことだとは知らなかった。良く似た話が別の題名であったような、それとも太郎冠者が主人の言うことをそっくりまねるシチュエーションが似ているのか。何となく不思議な話。主人の伯父さんを探しに行った太郎冠者が間違って詐欺師の咲嘩をつれてきてしまい、という話。結構上演されているようですが、シュールです。


求塚は以前一度観世清和のシテで観たことがあります。あのときには記録を見ると太鼓入りでしたが、今回は無し。後見が塚の作りものを大小前に。
田舎から出てきた僧の一行が生田の里に着きます。橋掛かりを歩く宝生欣哉。宝生閑と似てない親子だと思っていましたが、横顔はやっぱり親子。
ワキとワキツレの息が若干合わない感じ。

生田の野には若菜を積む美しい女たちが。声をかけると田舎者とおもったのか、からかうような、はぐらかすような返事。この辺何となくシェークスピアを思い出させる。
今回殆ど地謡の姿の見えない席だったので、地謡の部分、特にロンギのところではツレが謡っているのか、シテの心の中の声なのか、不思議に感じられました。
清冽な感じの前場。僧の一行をからかった女たちはふっといなくなり、残った女に声をかけると「私がその菟名日処女」と女は語って塚に消えてしまう。

今回脇正面だったので、アイそっちのけで、ごそごそやる後見の仕草に見入る。前回観た野村萬のオリジナルの語りの印象が強かったし。
ああ、一人が作りものの中に入って後ろ側をやるのだな、とかそうか、面はあの向きで渡すのだな、とか。しかし、舞台の上には色々なものが置かれて、若干とっちらかった印象でしたね。

そして塚の中から謡いだします。声は小さく、はっきりとは聞き取れません。そういう演出。地謡のなか、引き回しが下ろされて後シテ登場。このワキとシテの謡の応酬が凄い。この友枝昭世と宝生欣哉の組み合わせ、素晴らしかったです。閑でも観てみたかったけれど、欣哉の理屈っぽい感じがとても良い。

前場がすがすがしく美しい感じだっただけに後場の地獄の再現が暗い。この対比。謡でぐんぐん見所を引っ張っていく。

そして、「亡者の形は失せにけり」でシテは作りものに入り、再び引回しが挙げられます。出演者全員が退場したあとですごい拍手でした。

そんなに特別なことをやっているわけではないのにやはり友枝昭世は際立って凄い。
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by soymedica | 2014-06-10 12:40 | 能楽 | Comments(0)

観世会定期能6月 清経 墨塗 采女

d0226702_1422298.jpg観世会定期能6月
2014年6月1日(日)11時より@観世能楽堂

清経 替之形
シテ 武田尚浩、ツレ 武田友志、ワキ 高井松男
笛 藤田朝太郎、小鼓 大倉源次郎、大鼓 柿原弘和
後見 観世恭秀、坂井音雅
地謡 角寛次朗ほか

狂言 墨塗
シテ(大名)野村萬斎、アド(太郎冠者)中村修一、(女)深田博治

采女 美奈保之伝
シテ 観世清河寿、ワキ 森常好、アイ 石田幸雄
笛 杉市和、小鼓 曾和正博、大鼓 安福建雄
後見 武田宗和、上田公威
地謡 武田志房ほか


観世会定期能、一日3つも観ると若干疲れるのと、もろもろの雑事あり、とで3曲あるうちどれを見ようかと。結局清経と采女にしました。
これが大正解でした。

清経。しずしずと美しい妻登場。
いつも歩き方の気になるワキの高井松男。なんだかなー。ワキは直面でやるので、人によって「着流しの諸国一見の僧」タイプか「武士」タイプかを選ぶような気がしますが、高井松男は僧タイプだし。
淡津の三郎って私に言わせると中世ヨーロッパの騎士、というイメージ。要するに十字軍に出かけた夫をまって孤閨を守る美しい奥方にあこがれつつお仕えする、という。そういうタイプを演出してほしかったな。

ツレ、面に装束ですから当たり前なんですが、いかにも若妻と言う感じ。上音がもっと伸びてほしいが、なかなか風情のある姿。

今回中正面の後ろの方だったのですが、全体が見通せて非常に満足。橋掛かりで清経と妻が掛け合いするところなど、全体構成が見渡せる。そしてこの二人の謡がとてもきれいでした。
地謡も素晴らしく、今回久々の観世定期能だったのですが、宗家の底力を感じました。


墨塗、バカ殿をやらせると野村萬斎ぴったり。というか、「太郎冠者を生きる」(万作の著書の名前です)という境地に達するにはまだ若いのでしょう。バカ殿をだます深田が上手い。シテ、アドを入れ替えて見比べる、という催しをやったら面白いだろうし、是非観てみたい。


本日のお目当ての采女。前回観た時も「美奈保之伝」の小書付きだったような気がします。省略される部分を読んでみると、舞を中心に置くなら確かにこれが無いほうがすっきりするかも。

どなたかがネットに書いていらっしゃったけれど、定期能の番組にはワキツレの名前が無い。登場したのを見て初めて「あ、ワキツレがいる」と。何だか扱いが冷たいですよね。ワキ、ワキツレの謡が綺麗だったので余計にそう思いました。

前シテ、綺麗だけれど観世清河寿だと、もっとオーラを感じさせるものを期待してしまう。でも森常好との息がぴったり。やはり同年代だとやりやすいのだろうか。
そして、石田幸雄のアイもなかなか。

後シテが濃いグレーかと思われる衣を被いて登場。姿が見えた時、あれ、ッと思ったのは胸のところのオレンジの組みひもがとれちゃっている。妙にアンバランスな形で気になったのですが、後見が直すタイミングがなかなか来なくって…。

とても美しい舞台でしたが、地謡にもう少し頑張ってほしかったかな。
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by soymedica | 2014-06-09 14:25 | 能楽 | Comments(0)

山本順之の会 寝音曲 檜垣

d0226702_9514286.jpg山本順之の会特別講演 檜垣 
2014年5月31日(土)14時より@宝生能楽堂 
正面席

寝音曲 
シテ(太郎冠者) 山本則俊、アド(主人) 山本則重

檜垣
シテ 山本順之、ワキ 宝生欣哉、アイ 山本東次郎
笛 松田弘之、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄
後見 観世銕之丞、永島忠侈、浅見慈一
地謡 梅若玄祥ほか


寝音曲。これ、少ない人数でそこそこの時間でできる曲ですが、腕の見せ所あり、の曲。太郎冠者が謡に入るまでの勿体ぶり方が和泉流より短いような印象。そして、則俊のだんだん酔っぱらっていく様子が面白い。飲んだ直後では無くて、少し時間差があるところがリアル。


檜垣は解説本に良く出てきますが、観るのは初めて。ご感想は?うーん、まだ老女になっていないので良さがわからないのかもしれない…。
まず藁谷が大小前に出され、僧(着流し)が登場。2時に始まって狂言ひとつ、仕舞無しでなぜ終了予定が5時?と思っていたのですが、なんとシテが最初のセリフを口にするまでに30分かかった。

山本順之、小柄なのに声に張りがあり、謡の調子も好きなのですが(そして素敵な人柄らしい)、暗記に難あり。今回も心配していたのですが、しょっぱなから絶句の嵐。後見は常に助吟している感じ。やはりこれはいけません。見所にいて人ごとながら緊張してしまって今一つお話しに入って行かれない。
とてもとても地味な曲で、語りで理解させなくてはならないのだから頑張ってほしかった。

アイは東次郎。山本家の装束の色合わせにしては今回とてもシック。茶系と青系の主張しすぎない組み合わせ。そして語りが素晴らしいのはいつものことですが、最後に切戸口から退場するときの姿勢がカッコよかった。

後場は作り物のなかから謡いだします。外の地謡との掛け合いのところでもまた後見の助吟が…。お客から見えないんだから謡本見てれば良いのに。

そして、前シテの面は色白でしたが、後シテは若干色黑に。おちょぼ口。赤い大口で若づくりですが、やはり老女ですが皺が少なく、膠原病患者のよう。
うーん、老女の舞の評価は私にはわかりません。隣の席の方は感歎(と思われる)溜息をもらしていらっしゃいましたが。

ワキの宝生欣哉、はまり役でした。主張しすぎず枯れ過ぎず。これが宝生閑だったらとか福王親子だったら、とか考えながら観ていたのですが、やはりここは欣哉、と納得。

最後にシテが扇をポトンと落として退場。
アー疲れた。
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by soymedica | 2014-06-04 09:59 | 能楽 | Comments(2)