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能楽堂のそばのお食事 その2

d0226702_10211657.jpgもうちょっと情報が溜まってからにしようかとおもったけれど、まあ記憶が新鮮なうちに:

矢来能楽堂付近
〈Osteria Aky〉
新潮社前の道を能楽堂で右折しないでちょっと行ったところ。団地の向かいあたり。お昼を食べました。4人掛け2テーブル、二人掛け2テーブルの小ぢんまりした店。ランチはサラダとピザ、ソフトドリンクで800円と破格の御値段の上に美味しかった。ピザランチにしましたが、イタリア風の薄い生地。時間もかからず出てくるし、あたりでした。おそらく御夫婦でやっているのでは。サービスも明るく、お勧め度高し。現在の営業時間だと夜の公演の終演後でもOK。
http://tabelog.com/tokyo/A1309/A130905/13153325/


国立能楽堂付近
〈泥人形〉
気になっている人も多いでしょう、能楽堂そばの地下の喫茶店。中はとても広い。昔大学のそばにこんな喫茶店があったよね、と言う感じの黒っぽい木の内装。
ナポリタンとか高菜のピラフとか、メニューも昔風。そしてなぜかみそ汁がついてくる。味は悪くないし、量もたっぷり。近隣のオフィスのお得意さんがついてそうなかんじ。店の感じからして、もしかして奥で料理している人はこのビルのオーナー??(だって、家賃と値段のつり合い考えたらね…。)
昼の公演の前にどうぞ。
http://tabelog.com/tokyo/A1304/A130403/13111716/

写真の栗きんとんは中津川の「すや」さんのもの。美味です。
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by soymedica | 2013-09-27 10:11 | 本・CD・その他 | Comments(0)

物語の舞台を歩く 能 大和の世界

d0226702_1055970.jpg物語の舞台を歩く 能 大和の世界 松岡真平 山川出版社

帯に「新しいガイド」とありますが、別にガイドブックではありません。まあ、簡単ながら地図もついているし、奈良の地域ごとに能楽とのかかわりを書いていますから、ご旅行の前、後にゆっくり読んで「なるほど」と思われるのには便利ですが、これを持って歩いてもどこにも辿りつかない感じがする。

まず大和と世阿弥のかかわりを概観したあと、奈良坂、春日野、石上・布留、三輪・初瀬、当麻、越智の各地域と能とのかかわりを解説しています。本の作りが面白くて、見開きの左に本文、右はほぼ全部が写真または横書きの小さめの活字によるコラムです。

どういう読者を意識しているのか、書いてあることは結構マニアックなのに、結構マメにルビが振ってあるのが便利。また、本の作りも簡素なところが好ましい。写真は跡見の横山太郎氏の提供のものも多いみたいです。

ちょっと病気をして出歩けないので尚更面白いです。
お勧めの一冊。
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by soymedica | 2013-09-21 10:09 | 能楽 | Comments(2)

白翔会 屋島 二千石 望月

d0226702_813255.jpg白翔会 屋島 二千石 望月2013年9月7日(土)13時30分より@国立能楽堂
正面席10000円

連吟
藤戸、盛久


屋島 大事 語那須
シテ 坂井音重、ツレ 坂井音雅、ワキ 福王和幸、ワキツレ 村瀬慧、中村宜成
アイ 山本東次郎
笛 藤田次郎、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 柿原崇志
後見 観世恭秀、武田尚浩、藤波重彦
地謡 浅見真州ほか

二千石
シテ 山本凛太郎、アド 山本泰太郎

仕舞
実盛クセ
 関根祥六
船弁慶キリ 観世清和

望月シテ 坂井音隆、ツレ 坂井音晴、子方 武田章志
ワキ 宝生閑、アイ 山本則孝
笛 一噌庸二、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 小寺佐七
後見 観世清和、寺井栄、上田公威
地謡 岡久広ほか


一門とそのお弟子さんのフェスティバルという雰囲気の会場。囃子は長袴、謡も揃いの裃。
物凄く上手い素人弟子とプロが混ざっているのではないかと思われる連吟のあと、屋島が始まります。


実は屋島って名曲とされていて確かに見どころ多いのに、あんまり私には入ってこない曲なので、今回はどうか。
着流し、金の沙弥帽子の僧登場。有名な屋島の浦にやってきた。と、そこに品の良い塩屋の主登場。ワキとワキツレの音程が若干合わないような印象でした。ツレは襟がピンクがかったオレンジで華やか。幽霊なので、羽衣の漁師のようなのどかな趣はありません。

漁師たちが「じゃあ、塩屋に帰ろうか」と。後見がシテの釣竿をとるタイミングがあってなくってちょっと目だちました。
それと、今回は詞章が完全に書いてあるパンフが配られているのですが、そこをみんなが一斉にめくると音がかなりします。謡本だと紙が柔らかいので音はないのですが。

「屋島にたてる高松の…」からのシテの演技がちょっと気になりましたが、一番気になったのは途中老翁の髪が乱れたところ。後見が直していました。

シテが中入りすると、小鼓の床几を蔓桶と交換。ああ、大事の小書きなんだな、と思う瞬間。
塩屋の本物の持ち主がやってきて、僧が「やや、さては先ほどの人物は幽霊か?」
語り那須です。ここからが東次郎の聞かせどころ。和泉流との違いなのか、東次郎のもちあじなのか、ややゆっくり。今日能楽堂に来たのは半分はこのため。良かったー。
全然関係ありませんが、東次郎、未練の七三分けやめたんだ。今のほうが良いです。

源義経登場。髪の毛、鉢巻が一緒に細い糸で止めてある。初めて気付きました。皆さんやっているのでしょうか。弓流しの場面でちょっと手探りしたのでハラハラしました。プロでもそうなんだ。勇壮に、そしてしみじみと舞ったあと、地謡に送られシテは退場します。
うーん、やっぱり屋島では緊張が続かない。なぜかな。


狂言の二千石。最後はめでたしめでたし。凛太郎君、いくつだろう。もうすっかり青年ですね。


望月。子方の晴れ舞台ですね。やはり「いざ打とう」のところは見せ場で何回も練習するらしいです。
囃子なしでさーっとシテ登場。
そして、ツレと子方は今回は舞台に入って歌います。お母さんは痩せてやつれています。坂井音晴はやせ形で指も長くて細いので、女の役がとてもよろしい。隣のおじさま方には「痩せせすぎだ」と不評でしたが。

そしてワキの宝生閑登場。復調はしたようですが、痩せて溶けてしまいそう。謡を聞きながら、「ああ、抽象画になった」と思いました。モネのスイレンが晩年にはほとんど淡い抽象画になったように。
衣のそでがとっても大きく感じられました。

お供の狂言はあまりに格調高すぎないか?もうちょっと肩の力を抜いてやってほしかった。

主従懐かしい出会いの場におりよく敵の登場。橋掛かりで母子、宿屋の主人の小澤はかたき討ちの相談。
望月を三人の芸事で油断させて打とうというのです。まず母親が曽我物語を謡います。「そんな縁起の悪い」という従者を「まあまあ」と余裕でいなす望月。子方は後見からもらった鞨鼓を母に渡し、母はそれを打ちながらの謡。

次いで子方の鞨鼓。後見座で腰につけてもらっている間、狂言が「もてなしの良い宿だなー。」としみじみ述懐。
そして鞨鼓を打ち終わった子方は撥を捨てて目付柱で待つ。
そこに獅子が登場。半幕で半身が見えたり、本格的獅子です。華やかな獅子舞。

そして立派に敵を討つのでした。


曲も演技も良くてとっても楽しい半日だったのですが、間で出た観世清和の仕舞の印象が一番強かった…。
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by soymedica | 2013-09-11 08:16 | 能楽 | Comments(0)

第36回のうのう能 殺生石

d0226702_23148.jpg第36回のうのう能 殺生石
2013年8月30日(金)19時より@矢来能楽堂
正面席5000円

解説 観世喜正

仕舞 遊行柳 観世喜之

能 殺生石
シテ 桑田貴志、ワキ 館田善博、アイ 山本則孝
笛 藤田貴覚、小鼓 幸信吾、大鼓 佃良太郎、太鼓 金春國直
後見 遠藤和久、佐久間二郎
地謡 小島英明ほか計4人


今回も解説、謡の練習 ―皆が眠くなりやすいクセのところにしてみました(爆笑)―。隣の若い女性二人連れはおそらく初めての能で、喜正がマイク外して謡ったら声をそろえて「すごっ」とつぶやいていました。
今回の着付けはモデルが素人の女性。仕舞を習っていらっしゃるらしいのですが、とても緊張なさっていました。着付けは本質的には毎回同じことを見ているのですが、毎回発見があるなー、と思ったことでした。
そしてついに、いつもお見かけする白髪のお爺さんの正体がわかった。学者かな?と思っていたら「矢嶌正治先生です」と教えていただいた。


休み時間が終わって御調べの音が聞こえ始めるのだが、何となく笛がたどたどしい。わたしいとっては初めての奏者で聞きなれないためかもしれないけれど。
大きな作りものの石が運び出されて一畳台の上に。軽いのだろうけれど、何となくはらはら。
偉いお坊さんの玄翁がお伴をつれてやってくる。凄いところだなー、あれ、石の上を飛ぶ鳥が落ちるよ、とみていると、美人だがキツネ目の女がやってくる。
気のせいか本日の囃子、なんとなく野暮ったい感じで田舎の雰囲気。

その里女が殺生石のいわれを話す。どうしてそんなに詳しいのか?と聞くと「実は私は…」と言って退場。
玉藻の前と言う名前は、玉はどこから見ても完璧な球形であることに由来するのですってね。

玄翁は本当はこんなことは百も承知だけれど、物知り従者に話す機会を与えているのか、それともこんな妙な知識はもともと持ち合わせていないのか…。

玄翁が石を供養していると、真っ赤な頭のキツネの化け物登場。頭の毛のひと房が白いのがおしゃれ。石の割れ方が派手じゃなかったのが残念だけれど。尚、巨大に見えた石は二つに割れると切戸口から退場できる大きさ。
せっかく供養しているのに石が割れて化け物が飛び出してきたのでは驚くでしょうね。供養が逆効果と思ったことでしょう。結核の治療すると一時的に病状が悪くなるような。似ていませんか?

そして化け物はインド、中国、日本でやった悪事を語り、日本で那須野に追われ打たれた様子を再現します。でも、もう悪いことはしないと「約束固き石となって」消えていくのでした。

謡の人数が少ないせいか、地謡部分が凄く聞きやすかった。
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by soymedica | 2013-09-05 23:06 | 能楽 | Comments(0)

能楽座第19回公演 葵上 花盗人

d0226702_20533127.jpg能楽座第19回公演
2013年8月28日(水)14時半より@国立能楽堂
正面席10000円

舞囃子 天鼓 盤渉 梅若玄祥
仕舞 雲雀山 宝生閑

狂言 花盗人
男 野村万作、何某 石田幸雄

仕舞 藤戸 片山幽雪

独吟 三山 クセ 近藤乾之助

舞囃子 班女 大槻文蔵

能 葵上 古式演出による
六条御息所の生霊 観世銕之丞、青女房 西村高夫、照日の巫女 長山桂三
横川小聖 福王茂十郎、廷臣 福王和幸
従者 高野和憲
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 観世新九郎、大鼓 山本哲也、太鼓 観世元伯
後見 片山幽雪、分林道治、清水寛二
地謡 大槻文蔵ほか


隣におおよそ平均年齢80歳以上のおばあさんの4人組。グループの一人は亡くなり、一人は闘病中らしい。「あの人は癌の民間療法を頑張りすぎて疲れて死んだのよ」「そうそう」「ナントカさんも癌になったって、今日来てないでしょ?」「心配することないのよ。年寄りの癌は進行が遅いから癌が悪くなる前に寿命で死んじゃうから」
……本日の公演より興味深い内容でございました。


能や狂言のほかに仕舞とか舞囃子などもいろいろ。玄祥の天鼓、地謡は銕仙会プラス観世喜正。これがとっても良かったです。でも、鼓はちょっと。
宝生閑の仕舞は物凄く枯れた感じ。で、普通地謡向かって左端が下っ端で演ずる人の袴を直したりしますよね。下宝生では向かって右端の人がやっていました。
近藤乾之助には助吟つき。上に書いた順番で上演されたのですが、班女あたりにくるとこちらも疲れちゃって…。
狂言は花盗人だったので、謡つき。萬も、千五郎も独吟したので三人が比べられて面白かった。千五郎のは初めて聞きましたが、とても気に入りました。


葵上は古式演出。正先に出された小袖は水色と白を基調としたもの。廷臣登場。福王和幸って装束つけると少女漫画に出てくる光源氏のよう。照日の巫を呼び出します。巫女はきれいな弓を手に正先で歌いだす。
と、ここで後見が壊れてはいるけれど派手な車を脇正面まで運び出す。
三の松に立った御息所、一の松の青女房が歌いだします。そしてシテは車に乗って「憂き世は牛の小車の」と。謡がとっても素敵なのに、サシから上歌まで(およそ輪廻は、から、立ち寄り憂きを語らん、まで)が省略されて残念。

廷臣が「大体はわかっているけれど、お名前は?」と聞くと、御息所は車から降りて車が三の松まで後見によって引かれます。とこで、青女房の面、なんとなくオタフクを想像させるものでした。やはり御息所と差をつけないとね。
青女房は御息所の後妻打ちを止めますが、御息所は葵上に扇を投げつけて、唐織をかずいて中入り。この後、完全に車がひかれます。

大変な物の怪が出たというので横川尊い小聖が呼ばれ、祈祷。ここのアイとのかけあいがテンポが良くて小気味良い。そして、一心不乱に祈る聖の後ろに怪しい怨霊登場。尊い聖に三の松まで追い込まれ、かずいていた衣を落とします。
この後修験の祈祷の言葉をシテと地謡が交互に言うのが面白い。

ということで、めでたく怨霊は退散したのでした。この「古式演出」きっと正しいのでしょうけれど、かなり舞台が忙しい感じがしました。じっくりと見せる、というのなら現行演出のほうが(今の私には)良いかな。
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by soymedica | 2013-09-02 21:00 | 能楽 | Comments(0)