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諸子百家 中公新書

d0226702_13485836.jpg諸子百家 湯浅邦弘 中公新書
2009年3月25日発行

昔習ったけれど、孔子と孫子くらいしか覚えていなかった。
何で読む気になったかと言うと、「邯鄲」の解説で林望が荘子について語っていて、「何だっけ」と思ったから。教養の不足ですな(もっとも「一度覚えて忘れた状態を教養と言う」と、うちの母ちゃんは言っておりますが)。

最近中国では色々な出土品があり、そこから諸子百家に関する定説が見直されたり、新しいことがわかったりしているらしいのですが、その辺の知見も加えた解説集です。

儒家、墨家、道家、法家、兵家について解説されています。割と厚いし(290頁)、活字も不自然に大きくないし、お買い得な一冊。
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by soymedica | 2013-03-28 13:40 | 本・CD・その他 | Comments(0)

神遊十五周年記念公演(第45回公演)道成寺

d0226702_2364237.jpg神遊十五周年記念公演(第45回公演)道成寺
3月22日(金)19時より@国立能楽堂
正面席12000円

仕舞
網之段 片山九郎右衛門
西行桜 観世喜之

道成寺 赤頭
シテ 観世喜正、ワキ 森常好、ワキツレ 館田善博、森常太郎
アイ 井上松次郎、野村又三郎
笛 一噌隆之、小鼓 観世新九郎、大鼓 上原弘和、太鼓 観世元伯
後見 観世喜之、古川満、遠藤喜久
地謡 片山九郎右衛門ほか(6人)


早い桜が咲きだして、もう東京も桜は4分咲きくらい。席に着こうと思ったら隣の40歳くらいの物凄くドレスアップした女性が荷物を私の席の前にまで広げて…。「あのー」と注意を促したら「あ、大丈夫です」って、どういう意味?

ま、それはともかく仕舞で心を落ち着けて道成寺へ。観世喜之は幾つかな。もう枯れに枯れた印象。

橋掛で切り火が切られて、いよいよ道成寺(翁意外でもやるのですね)。皆長袴ですが、狂言鐘後見はさすがに普通の袴。先頭は誰だろう、狂言共同社はあまりなじみがないのでわからない。かなりスレンダーな人で手が震えている。これ、身長も合わせないとつらいでしょうね(今回はほぼ同じ)。
無事鐘が釣られて、でも、観世喜正は大きな人だから(装束はすべて誂えるそう)低すぎるのでは、と思ったらシテが烏帽子をつけている間にちょっと高くしていた。

森常好登場。気のせいか謡がおどろおどろしく、短調といったイメージ。
ついで謎の女登場。私の座っているところからは、揚幕が上がってから相当気を持たせて待ったあげく、スタスタ登場。で、おろされた幕の前にじーっと立っているので、なんだか湧いて出てきたよう。気の良い能力の兄ちゃん(井上靖浩改め松次郎、なかなか良かったです。もちろん野村又三郎も)をだましてまんまと寺に入り込む。

いよいよ乱拍子。おどろおどろしさたっぷりで楽しかった。鐘に引きつけられている様子が手に取るように感じられます。前の席の男性二人は飽きちゃったみたいで、前回の講座のパンフ読みだした。そして隣の「大丈夫です」姉さんは寝てました。でも、凄ーく良かった。
実は前回道成寺を見たときには小鼓にばかり注目していたのですが、今回後半入る大鼓も良かった。

で、鐘の中にはいってしまう。この鐘入りが良かった、悪かったと言うのが見巧者の間で評判になるそう。ダイナミックな場面で見せ場であるのは違いないけれど、一瞬ですからね、私としては今回も面白かった以上の感想が書けると言うのが驚き。能力が驚いて駆け付けると、鐘は落ちているうえに熱い。しょうがないから上司に報告。謝るしぐさのときにはてのひらをぴったり地面につけるのですね。

ここからは任せてください、と偉いお坊さんの森常好一行が頑張る。この角帽子の模様が金が透けるデザインできれい。後ろ姿を見せることが多いので、じーっと見てしまった。
すると、鐘が動き出して、蛇が…。

普通は白い絹の鱗をかぶっていますが、本日は水色とグレーの二色模様のオシャレな鱗。センスの良い蛇です。
もったいないことに途中でこれは脱皮してしまうのですが(鱗落としというのだそう)落とす前から後見が拾いに行く姿勢を見せるのはいかがなものか。

祈り倒された蛇女はどこかへ消えて行きます。そして偉いお坊さんは腰帯と揃いの色使いの立派な扇を広げて喜ぶのでした。

後半の蛇女より、前半の女の方が良かったな。

ところで、この道成寺の話というのは熊野観光に行く人をなんとか自分の寺に立ち寄らせようと頑張って作った絵巻物によるらしいですよ by 田中貴子「あやかし考」。面白い本ですから是非。
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by soymedica | 2013-03-24 23:09 | 能楽 | Comments(0)

国立能楽堂特別公演3月 花盗人 草紙洗小町

d0226702_2395249.jpg国立能楽堂特別公演
3月20日(水)13時より
正面席7500円

仕舞 宝生流
蝉丸 三川泉

狂言 花盗人
シテ 野村萬斎、アド 野村万作

能 草紙洗小町 替装束
シテ 観世清和、子方 藤波重光
ツレ (壬生忠岑)坂口貴信 (官女)坂井音晴、武田宗典 (凡河内躬恒)角幸二郎(紀貫之)観世芳伸。
ワキ(大伴黒主)福王茂十郎
アイ 石田幸雄
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 観世新九郎、大鼓 安福光雄、
後見 武田宗和、上田公威
地謡 角寛次郎ほか


ちょっと遅れていったので、仕舞が終わってから入るつもりだったら、「私がしきります!」感あふれた劇場の案内係のお姉さんが世話をやいてくれた。

花盗人は絶対に前に見たことあるはずなのに全く思い出せないな、と思っていたら「寝てしまった」と書いていた…。というわけで、初見、面白く拝見いたしました。(ファンには怒られるかもしれないけれど、野村萬斎って若いころの三枝に似てこない?)


草紙洗小町は上村松園の絵で見て、そのうち装束をつけたものを見てみたいな(絵は普通の女性を描いている)と思っていました。扇を頭の上に掲げたポーズが子供心に不可解だったので。

黒主登場。福王茂十郎、立った時の足先がハの字に開くのが面白い。宮中歌合わせに参加するのだが、相手が小野小町では負けてしまうので、ちょっと偵察に行こう、と。石田幸雄と出かけていきます。

小町登場。美人。歌合わせのお題は「水辺の草」。三の松で完成した明日の為の歌を口ずさみます。それを舞台から窺う黒主。
「蒔かなくに何を種とて浮草の波のうねうね生い茂るらん」
が彼女の歌だと聞き知り、手持ちの万葉集にそれを書き込んで「古歌からの盗作だ」と誹謗することにします。

ここで、石田がその歌をさらえるのですが、ぜーんぜん違う歌になっているのがおかしい。それにしても小町の歌、そんなに良いですかね。

当日の宮中歌合わせ、百人一首の読み札から抜け出てきたようなゴージャスな舞台。どうも今回の切符は国立にしては高いな、と思ったけれど、人件費ですかね。
壬生忠岑、凡河内躬恒はしっかり名前がありますが、女性は「官女」とだけ。人丸・赤人の御影(があるものとして)に短冊を捧げます。紀貫之が中々頑張っていて膝行して短冊をとりあげたり、カッコ良い。

「小町の歌は素晴らしいぞ」と天皇が言うと、「それは古歌なり」と黒主が訴え出る。紆余曲折がちょっとあって、小町が草紙を洗って「まかなくに」の歌があとから書き加えられ、墨が新しいために流れてしまうことを証明します。

洗う前に裳着胴になり、おいおい宮中でそれはOKなの?という感じですが、目付柱のところで草紙を洗う仕草が素晴らしい。ここがあの絵のポーズ。

面目を失った黒主は自害しようとしますが、引き留められます。この時代、そういう感覚ってあったのでしょうか。なんだか宮中絵巻の世界とは不釣り合い。やはり室町以降につくられた話なのだな、と思いました。

そして「小町黒主遺恨無く」と地が謡うのですが、そんなに簡単に遺恨が無くなるの?!
替え装束の小書きはここで物着をすることだそうです。金の烏帽子・紫の長絹を着ます。袴はそのままですが赤です。問題の草紙は真中に置きっぱなしなので、地謡後列の彌右衛門がひきますが、後見が引き忘れたのかと思った…。
そしてここで小町は中の舞を舞って喜びをあらわしてめでたしめでたし。

綺麗だし、中々楽しい曲です。でも、謡も難しそうだし、舞台も人が多い分タイミングが大変そうですね。素人受けしそうなのにあまり出ないのはそのせいでしょうか。今日みたいにきっちりやるのは御家元で無いと大変なのかも。

あれ、壬生忠岑、凡河内躬恒、立派な名前のついた役なのに、最初の同吟以来何にも話さなかったような気がする。


シテの面は節木増(ふしきぞう)、ツレは小面
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by soymedica | 2013-03-22 23:13 | 能楽 | Comments(0)

第一回下掛宝生流能の会 八句連歌 檀風

d0226702_1281360.jpg第一回下掛宝生流能の会
2013年3月17日(日)14時より@国立能楽堂
正面席10000円

素謡 経政
シテ 宝生閑、ワキ 野口敦弘

仕舞
俊成忠度 キリ 香川靖嗣
天鼓 友枝昭世

狂言 八句連歌
貧者 野村萬、某 野村扇丞

檀風 
シテ(熊野権現) 高橋章 シテツレ(日野中納言資朝) 武田孝史、
子方(梅若丸) 宝生尚哉、
ワキ(帥の阿闍梨) 森常好
ワキツレ(本間三郎)殿田謙吉、(棹サシ)野口能弘、(輿舁)森常太郎、野口琢弘
アイ 本間の下人 野村万蔵、早打 野村太一郎
後見 近藤乾之助、宝生和英、朝倉俊樹、
脇後見 宝生欣哉
地謡 三川泉ほか


国立能楽堂、駆け込みセーフ。
素謡、本日は宝生閑、見かけはひどく痩せたものの謡はいつもどおりきれい。この調子で復活してほしいのだけれど…。
それにしても、ワキ方宝生流、今まで一度も見たことのない人がいた(地方で活躍している方らしい)。普段ワキ方って地謡しないから皆で声を合わせるのって新鮮かもしれない。

八句連歌。「花ざかりごめんなれかし松の風」「桜になせや雨の浮雲」「幾だびもかすみにわびん月の雲」「こいせめかくる入相の鐘」「にわとりもせめてわかれはのべてなけ」くらいまでかき取ったところでついていけなくなった。こんなことならのんびり聞いていれば良かった(笑)。

檀風。どういう意味かと思ったら檀の字はもともと手偏だったとか、山中玲子先生の解説にありました。
しずしずと日野資朝を先頭に本間三郎、本間の下人登場。
本間三郎(本間の某と名乗っていたが)、は資朝は大切な罪人なので、丁寧に扱いでも誰か会いに来ても合わせるなよ、と下人に命ずる。
そこに都から佐渡まで父を追いかけてきた梅若丸とそれを助ける阿闍梨登場。橋掛かりで身の上を謡います。
梅若丸はすごーいボーイソプラノ。変声期前の男の子の声ってあんなだったかな。

本間の屋敷に二人でやってきて下人に案内を乞います。この本間の下人の野村万蔵、「罪人を人に会わせるなとのお言いつけであったが大切な資朝の息子とのことなのでお伺いをたてましたが」、などというやり取りをするのですが、とても良かったです。

それにしても梅若丸の宝生尚哉、欣哉そっくりですね。

そこで出置になっていた(そして皆いることを忘れちゃっていた)資朝、独り言を言いだす。「こういう宙ぶらりんはいやだから早く処刑してほしい」この人、とても上品で、囚われの身の公達の雰囲気十分。
本間が息子が都からはるばる会いに来たと言うと「それがしは子を持たぬ」、でも「都のものは懐かしいから物陰から見よう」、といって落涙。
涙を見とがめられると「配所を聞きちがえてきたのは不憫だから泣いているのだ」

お前らとにかく帰れ、という本間。そしてこちらとあちらでお互いを思って謡う梅若丸、資朝。最後は声を合わせて謡います。ちょっとミュージカル仕立てですね。

いよいよ処刑の日、輿に乗せられた罪人について行く梅若丸。資朝は本間に「本当はあの子は自分の子。無事に都に送り返してほしい」と頼みます。本間は良い人で、「自分はこんな田舎者だが、約束は違えないできっと無事に送り返す」と約束します。

資朝が掛絡を脱いで退場するのがクビを切られた印。胴体の小袖は後見の宝生和英が持ってきます。
この間、帥の阿闍梨は後見の宝生欣哉に肩上げをしてもらいます。
このあと、資朝の死骸に見立てた小袖と掛絡を正先から後見座へ持って帰るだけの無言の数分が見せ場。パンフレットもこの場面(宝生弥一)が写真になっています。
シーンと静まり返った能楽堂、別に小袖を重そうに持つわけではないのに、「ああ、死んでしまった資朝を抱いているのだな」と思えてくるから不思議。

「さあ、身分の高い罪人の処刑を済ませてみんな疲れたね」、と本間。親切な人で、梅若丸を私宅に泊めて休ませてくれるらしい。
これだけのアレンジをして本間は切戸口から退場。

ところが興奮した梅若丸「本間を打つべし」と言いだす。ここのところで、台詞に詰まり後見の欣哉がつけてやる(お父さんキビシソ―、と思われる口調なんですよね、これが)。緊張のあまり顔は真っ赤、汗なんだか涙なんだか顔もぐちゃぐちゃなんだが、それでも責任感の強さか日ごろの鍛錬のたまものか、このあとは大した破綻も無く最後まで演じ通したのは凄いです。見所の期待を一身に背負っていましたものね。

阿闍梨は一度は「本当の仇は都にいる。その上ここは離島だから切った後逃げられないし」と説得するのだが、熱意に負けて「じゃあ、一の太刀は梅若丸が、その後は私が」と。
このあと、まだ明かりがついているのを消すなど、色々の面白いことがあります。この辺、子方の面倒を見つつ演技を進行させる森常好、タダものでは無い。テンポの良さをとるのか、セリフをぐっと聞かせるのかのバランスのとり方が素敵。

そしてかたき討ちの後港にやってきた二人。おりしも準備万端の舟が出ようとする。呼びとめる阿闍梨。正直に「人を殺して逃げるから乗せてくれ」って言っちゃう、そりゃないんじゃないの?!
逃げる船頭。そこで今までの修業を生かし、舟を祈り戻す。

ここでワキ後見の宝生欣哉が引っ込むのだけれど、その前に小さなため息をふっとついたのが笑えました。本日、日本一気疲れしたお父さんだったのでしょう。能楽界の親子は幸せですね。

そして熊野権現登場(中国の神様かと思った)。この権現よりも森常好の方が力強そうに見えるのがちょっと。まあ「檀風」はもとは手偏の「擅風」で「風を思いのままにする」という意味だったそうなので、阿闍梨がメインだからしょうがないかも。
そして船は無事吹き戻されて二人は本土に戻ったのでした。

あー、面白かった。


写真はパンフレットから。左は宝生弥一、右は宝生閑の筆になる「雅」の字。字も上手なんだ!
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by soymedica | 2013-03-19 12:13 | 能楽 | Comments(0)

国立能楽堂3月 定例公演 腹不立 善知鳥

d0226702_11233241.jpg国立能楽堂3月定例公演
3月15日(金)18時30分より

腹不立(はらたてず)(大蔵流)
シテ 善竹十郎、アド 大蔵吉次郎、大蔵千太郎

善知鳥(観世流)
シテ 浅見真州、ツレ 谷本健吾、子方 谷本悠太郎
ワキ 宝生閑、アイ 大蔵基誠
笛 一噌庸二、小鼓 林吉兵衛、大鼓 亀井忠雄、
後見 武田志房、清水寛二
地謡 浅井文義ほか


狂言はパス。生意気にも演者が好みで無かったので…。

善知鳥。解説本にはツレと子方は出置、とあるのですが、囃子と地謡が座った後にでてきたのはワキ。え?と思ったら休演の続いていた宝生閑。もともと小柄な人だけれど、もっとやせて色も白くなった。病気療養中と聞いたが、何だったのだろう。1934年生まれとあるから79歳。肺炎でもやったのだろうか。小さな脳梗塞か心臓か…。そして、後見に欣哉が座った。この時点で「大丈夫か?」と思ったのですが…。

なぜ子供があんなに小さいのに父親の幽霊は老人なのか?青森の幽霊が立山に出てくるって?貧しい猟師の妻にしては難しことを言うじゃないか、などなど、この話は突っ込みどころが万歳ですが、それはそれ。話の筋も面白いし、カケリも有名。浅見真州、手がふくよかできれいすぎるところを除くと(逆に言うとどうしようもない手の綺麗さを除いては役になりきっていたということか)、とても素晴らしかったです。カケリも良かったですが、短い前場も。こういう曲が得意なんだろうか。イメージとして派手な感じの人なので、意外でした。

幽霊が旅の僧に自身の証拠として麻衣の袖を渡し、僧はそれを持って未亡人と子供のもとへ。ここでツレと子方登場。実際にも親子の二人。パパは隣の息子が気になるでしょうねー。立派に座っていたうえ、幽霊のお父さんに頭をなでられそうになって後ずさりするところなんてなかなか。ツレも素敵でしたが、子方が出るとどんな曲でも喰われますね。

ところで面をかけていると、余計に実年齢が感じられるものですが、このシテとツレ、年齢を逆転させる配役でやってみたらどうでしょう。
曲の哀れな親子に対し、このツレと子方の現実生活には未来がある。
その一方、
宝生閑、ショックでした。謡が出ない、立ち位置が決まらない。ほとんど詞章を知らない私にも、「ああ、この先でつまるぞ」とわかってしまうのです。じつは昨年一度「?」と思ったことがあるのですが、その時は詞章も立派に言えていましたし、なによりこんなに生気を欠いた感じでは無かった。
高齢ゆえに、休演が続いたら復帰できないと思い、本調子でないのに出てきたのか、それともこれが精一杯なのか。一度こういう舞台をやってしまうと、安定感が必要なワキとしてはまずいのではないか。ファン心理としては「良いじゃないのいつも欣哉を後ろに座らせておいて顔を見せに出てくれば」なのですが…。
この先人間国宝の閑に引退を勧められるのは息子だけでしょうけれど、こちらの親子はどういう選択をするのでしょうか。


面は前シテが小尉、後シテが痩男、ツレは深井。

写真はムクドリ。
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by soymedica | 2013-03-17 11:26 | 能楽 | Comments(4)

国立能楽堂普及公演3月 薩摩守 竹生島

d0226702_11305948.jpg国立能楽堂3月 普及公演
3月9日(土)13時より
正面席4800円

解説・能楽あんない 弁財天は女体にて 馬場あき子

薩摩守(和泉流)
シテ(出家) 野村万禄、アド(茶屋) 野村万蔵、小アド(船頭)野村萬

竹生島(宝生流)
シテ 田崎隆三、ツレ 小倉健太郎、ワキ 高井松男、ワキツレ 梅村昌功、則久英志
アイ 吉住講
笛 寺井義明、小鼓 久田舜一郎、大鼓 柿原光博、太鼓 金春國和
後見 宝生和英、大友順、小倉伸二郎、藪克徳
地謡 小倉敏克ほか


今年は点鼻薬だけでは乗り切れないかとおもい経口抗アレルギー薬を飲んだのが間違い。前の晩早くに飲んだのにキャリーオーバーで眠い。せっかくの馬場あき子の名解説も後半起きていられず。
でも、能を見る人の中でだけ皆がトリビアを共有している竹生島、スゴイ…。東京では特に歴史に興味がある人でなければ、どこにあるのかも知らないのではないだろうか。

薩摩守、観たかったけれど、ちょっと失礼してリフレッシュ。竹生島に備えました(実はこちらをしっかり観た方が良かったのでは、と後から思ったのですが)。

「月海上に浮かんではウサギも波を走る」の文句が有名な竹生島。ワキの高井松男の装束の模様もウサギです。
解説や詞章を読むと、とても美しい作品のように感じるのですが、ボーットした私の頭にも「これはどうか」と思うほどあまりさえない舞台でした(ボーッとしているからかもしれませんが)。宝生流って出来不出来(あるいは演者によるのか)の差が激しい。

そもそも高井松男が、セリフを入れるところを二度も間違え、シテのセリフが終わらないうちに話し始める。流儀によってシテのセリフが違うためかとも思うけれど、「海士の釣り舟にて候らうほどに」というところで話し始めるのは、相手の言うことを聞いていないのでは?
そして、囃子も笛と小鼓の調子が宜しく無く…。

狂言方はまあ危なげなかったものの、シテもいささかポーズが決まらなかった。

鏡の間の比較的奥まで見渡せる席に座っていたのですが、シテが演技を終えて戻ってくると後見がお辞儀をして迎える、その平伏に近い宝生和英のおじぎが本日一番きれいだった。


ところで内容と直接の関係は無いですが、中世の人の地理・宗教感覚の一端を知ることができる
岩波新書「龍の棲む日本 黒田日出男」面白いですよ。
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by soymedica | 2013-03-15 11:30 | 能楽 | Comments(4)

銕仙会3月定期公演 高野物狂 通円

d0226702_17264227.jpg銕仙会3月定期公演
3月8日(金)18時より@宝生能楽堂
正面席6000円

高野物狂
シテ 浅井文義、子方 長山凛三、ワキ 工藤和也、アイ 山本泰太郎
笛 松田弘之、小鼓 幸正昭、大鼓 柿原崇志
後見 観世銕之丞、北浪昭雄
地謡 野村四郎ほか

通円
シテ 山本東次郎、ワキ(僧) 山本則秀、アイ 山本凛太郎


初観能のお嬢さんと二人で。突然行くことに決まったので、やや地味目の演目(やっぱり初回は熊野などの装束のきれいなもの、石橋などの動きのあるものが定番では)。
でも、私前々からこれを見たかったのですよね。

高野物狂は直面もの。装束も地味目ですが、子方がいるのでちょっとそこに花が。
主君の命日のために菩提寺に参詣した四郎のもとに、主君の遺児春満からの手紙が。「親の成仏のために出家する」という内容。すごーーーく立派なお手紙。これを書いたのが子方の凛三くんとは信じられない。

行方知れずになった春満をあてどなく探す四郎。高野山で再開する二人。それまでの間の物狂いとなった四郎の様子が見どころ。

私の理解としては、これは本来的に男色の話だったのでは。春満が子方でなくてりりしい青年だったら何となくわかる話。
しかも観世流だと「お家が絶えるのは宜しくない」と、春満は出家をやめますが、他流だと四郎、春満そろって出家するのですよね。だからホラ…。

「なんでご主人の息子にあそこまで尽くすのでしょうね」というお嬢さんの質問に上記のように答えたら凄く納得してくれましたが、一応私の創作であるとは断っておきました。


通円。ずーっと見たかった狂言で東次郎とはラッキーな。でも、初心者にみせるものでは無いですね。ま、しょうが無い。

本当に本当に能のパロディーで笑えました。
途中で団扇を腰にさしたひしゃくに持ち替えたりするので着物の裾が下がったら、正面を向いたままさりげなく自分で直すので、びっくり。

大変満足したところで葵上に心を残したまま退散。

初観能のご感想は、(幸正昭の後ろに後見で出てきた)「田邉恭資が好みのタイプ」だそうです。あ、それと彼女は田村良平(村上湛)のそばに座っていたのですが、「あの人素敵」、だそうです。


写真はカクテル「東京駅」
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by soymedica | 2013-03-11 17:30 | 能楽 | Comments(0)

大槻秀夫二十三回忌追善 東京清韻会別会 景清 泣尼

d0226702_1159673.jpg大槻秀夫二十三回忌追善 東京清韻会別会
2013年3月2日(土)13時より@観世能楽堂
正面席 10000円

景清 松門之会釈 小返
シテ 大槻文蔵、トモ 馬野正基、ヒメ 長山桂三
ワキ 宝生欣哉
笛 一噌仙幸、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄
後見 野村四郎、赤松禎英
地謡 観世銕之丞ほか

泣尼
シテ 山本東次郎、アド 山本則秀、山本則俊(尼)


もうだいぶ前になってしまったのでさらっと思い返して。
うららかな春と言う感じの午後、能楽堂まえの梅の花も開いていました。

景清も大槻文蔵も好きなので、切符買ってみました。最後に海人があったのですが、それは時間の関係で見られず。私、海人と自然居士とは縁が無いのですよね。
大槻文蔵一門&銕仙会。

あ、ワキはプログラムにあった宝生閑では無くて欣哉だった。ここのところずっとお見かけしませんが、閑さん、お会いしたいですー。

イメージの中で大槻文蔵と流浪して盲目の乞食になる景清とがどうしても重なり合わなかったのですが、とても良かったです。作りものの中から謡いだすところ、「御身は花の姿にて」と謡うところ、見どころ、聴きどころもとても満足。もう一度観たいなと、思わせるものでした。
でも、なぜか見所のお客さんの集中度が低く、そこが残念。

泣尼との間に姨捨の素謡、仕舞が入り、泣尼のあとにさらに仕舞、海人。能二つと狂言一つで良いのではと思いますが、そこは家の会だと色々やりたいのかもしれません。

泣尼。とっても面白かった。説法に呼ばれて行く坊さんの東次郎。効果的に泣いてくれるはずの尼が説法の最中に寝ちゃう…。やっぱり東次郎は面白い。
日経夕刊の「心の玉手箱」に昔はスピードスケートをやっていたと書いていたので、運動神経も良いのでしょうね。
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by soymedica | 2013-03-07 12:02 | 能楽 | Comments(0)