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マクベス

d0226702_17101339.jpgマクベス
2月26日(火)19時より@世田谷パブリックシアター
S席6500円

マクベス 野村萬斎、マクベス夫人 秋山菜津子、 魔女1 高田恵篤、 魔女2 福土憲二, 魔女3 小林桂太
原作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:河合祥一郎
構成・演出:野村萬斎


友人に萬斎ファンがいて、それならということで私としては珍しく友人と二人で出掛けました(いつもは展覧会も劇場へもたいてい一人で行く)。

シェイクスピアの劇を見るのは生まれて初めてかもしれない。もちろん原作は翻訳でも読んだこと無し(こどものころラムの「シェイクスピア物語」は読んで筋は知っていますが)。そして、アマゾン検索でシェイクスピアと言ったら福田有恒、新しいところで中野好夫かと思ったらもうそれは古典だった。

そんな状態で行ったので、直前まで何となくオセロだと思っていました。萬斎といえばマクベスでしたね、失礼。(ハムレットもあったらしい)。

舞台セットがシンプルで素晴らしい(海外公演を意識しての軽量化が発端だとか)。そして、袴などの和風の豪華さで王をイメージさせる衣装。
3人の魔女がダンカンになったりバンコーになったり。くっきりと演じ分けるので別の役者が何人も出てくるよりも主題が分かりやすいのではないでしょうか。この三人が上手くないとこの演出は台無しになるでしょうね。

もちろんお目当ての萬斎、素晴らしかったです。私もファンじゃないというわけではないですが、前の方の席だったので友人は大満足。長刀さばきにも驚嘆したようです。秋山菜津子も素敵。エッグのときに凄く印象に残ったので楽しみにしていましたが、期待通り。

楽しかった。

写真は30年以上前のコーダー城です。でも今もきっとそのままでしょう。
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by soymedica | 2013-02-28 17:14 | その他の舞台 | Comments(2)

第17回條風会 湯谷 磁石 春日龍神

d0226702_017570.jpg第17回條風会 
2013年2月23日(土)12時半より@喜多能楽堂
正面席(指定)7000円

仕舞 巻絹 狩野良一
   昭君 金子恵一郎

湯谷
シテ 内田成信、シテツレ 佐藤陽
ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 館田善博
笛 一噌隆之、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井広忠
後見 内田安信、中村邦生
地謡 友枝昭世ほか

磁石
シテ(すっぱ)深田博治、アド(田舎者)内藤連、(宿屋)竹山悠樹

仕舞 高野物狂 道行 塩津哲生

春日龍神
シテ 友枝雄人
ワキ 大日方寛、ワキツレ 野口能弘、梅村昌功、アイ 中村修一
笛 一噌幸弘、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 柿原弘和、太鼓 小寺真佐人
後見 塩津哲生、佐藤陽
地謡 香川靖嗣


久しぶりの能楽堂。最初の仕舞には間に合わず。正面席は満席ですが、その他は空席がちらほら。

湯谷。偉そうな宗盛に続き、しずしずと手紙を持った侍女の朝顔登場。ふと、面をかけた人間が舞台に登場することのあまりの非日常性に気付く。しばらくたつと気にならなくなるのだけれど。やっぱり能って不思議。それと面の色が一の松にいるときと舞台の中とでかなり違って見えるのは角度のせいか、照明のせいか。

この朝顔、声良し、元気良し、なんだが、やや一本調子。手紙を渡すと朝顔退場。湯谷は手紙を宗盛に見せようとするが、「そこで読め」と言われ、良い声で読みます。で、手紙を読むとそのまま下に置いてしまう(後見が引く)。お母さんの大切な手紙をそんな床に置くなんて…。ものの本によると、手紙を置くタイミング、後見が引くタイミングに色々あるのだそうな。

結局花見に連れて行かれることになり、後見が派手な女車に見立てた作り物を持ってしずしずとやってくる。この後見が地味でしかつめらしい感じなので、派手な車の色合いと妙に対照的で面白い。

で、花見から舞、そして帰郷となります。
このシテ、扇の返し方などちょっとしたしぐさにクセのようなものがあってそこが印象にのこりました。
地謡もなかなか良かったなと思いました。


磁石は野村万作一家の若手三人。深田博治、なんだか感じ変わりましたね(良い方に)。大御所万作、石田幸雄、萬斎もよいけれど、こういう組み合わせも楽しい。
なかに「目のさやのはずれた」という文句があって、何かと思って調べたら「すばしこいやつ」ということなのだそう。国立定例公演だったら説明がでるだろうにな。


春日龍神というのは能楽師に好まれる曲なのでしょうか。もう何度目かです。
笛の一噌幸弘って年齢不詳、と思って見ているうちに明恵上人登場。このワキ、大日方と言う人は能楽師の家の出身ではないらしいのだけれど、なかなか素敵です。

明恵上人が唐に留学しようと考えて春日明神に暇乞いをしようと訪れると、宮守のお爺さんが出てきて止める。お爺さん、箒をふりまわして一生懸命です。この時代の日本の船は世界標準から遅れてしまい本当にあぶなっかしかったそうですから(司馬遼太郎によるとたらい舟のようなものだとか)、春日明神のお言葉はそれこそ渡りに船。じゃあ、というので留学とりやめ。留学の危険性>>留学の喜びという時代だったらしい。ましてや日本国内での成功が固ければ、命の危険を冒して行ってもしょうがない。

ところで、後見が寝るってどうなんざんしょ。安心して寝ていられるくらいのシテなのでしょうね。

滑稽な末社の神登場。春日明神は栂尾の明恵上人を太郎、笠置解脱上人を次郎と呼んで、両眼両手と思し召しているなどと、色々説明。末社の神も踊れば良いのに。

いよいよ龍神登場。頭に龍の作りもの。ライオンキングって能のパクリかな。などと思っているうちに華やかな舞台は終わったのでした。


終わってもまだ外が明るい。日が長くなりましたね。
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by soymedica | 2013-02-27 00:21 | 能楽 | Comments(0)

神遊 第4回公演 狐塚 鳥追舟

神遊第44回公演 徹底解剖!薩摩能 鳥追舟

解説 観世元伯

素囃子 花重蘭曲
笛 一噌隆之、小鼓 観世新九郎、大鼓 柿原弘和 太鼓 観世元伯

狂言 狐塚 小唄入
シテ(太郎冠者)山本則孝、アド(主人)山本凛太郎、(二郎冠者)山本則秀

シテ 狩野了一 ワキ(日暮殿) 森 常好  ワキツレ(左近尉) 舘田善博
アイ 山本則孝
子方/花若 友枝大風
笛 一噌隆之、小鼓 観世新九郎、大鼓 柿原弘和
地謡 友枝雄人ほか全6人    
後見 中村邦生 友枝真也




職場にどえりゃー事件が持ち上がり、観能どころでは無い日々。とりあえず前半行ったのだから記録にとどめておこうと。

まずは観世元伯の解説、とありますが「これは太鼓の無い曲なので…。」と森常好&友枝雄人が助っ人に登場。
下掛宝生ではこの曲のワキ・ワキツレは同格に扱うそうです。ワキ中心の曲と言われると確かに。
ところで、解説のとき、観世能楽堂のように桶に腰掛けるのではなく、折りたたみ式の床几に座っていました。どちらが座りやすいのかな。

着付けの解説では、かつらをつけるところから見られました。胴着を着て上半身を膨らますのは、面が体躯より前に出ないように横から見てのバランスを考えてのことだそうです。そして、ちょこっと顎を出して面をかけると謡っているときにまるで面が謡っているようにみえるでしょ、と。

鳥追舟の話のもととなっている「日暮長者伝説」は最後には子供が川に身を投げるという悲劇で終わる鹿児島県さつま川内市に伝わる伝説だそうです。
今回は、関東鹿児島県人連合会大会の一環として行われた催しだそうで、ロビーには「最近能は観ていないけれどせっかくの機会だから、あの方もお見えになるし」といった感じのちょっと鹿児島弁の方がたくさんいらっしゃいました。こういうのも良いですね。

で、肝心の舞台はって?狐塚は観ましたが、鳥追舟は涙をのんで職場に戻りました…。
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by soymedica | 2013-02-19 12:49 | 能楽 | Comments(0)

中世幻妖 近代人が憧れた時代 田中貴子 幻戯書房

d0226702_12561172.jpg中世幻妖 近代人が憧れた時代 田中貴子 幻戯書房

まず、「中世とはいつか」と言うところから始まります。私高校生のころ網野善彦の本を読んで「日本にも中世ってあるんだ」とぼんやり思った記憶あり。当時の私にとっては中世というのはヨーロッパの区分で不思議に思ったのですが、やはり舶来の区分方法だったのですね。

そして日本の中世を代表すると言われている西行、実朝、世阿弥について語っていきます。

西行はすべてを捨てて(許されぬ恋のために?)放浪の旅に出た、そして勧進をした:実朝は文弱の徒で、結構な歌を作ったが、政治家としては「?」であり滅びの美を象徴する云々:世阿弥は能学を一人で集大成した、それは男色の美学が支えるものだった。と言うことになっているようですが、それに異議申し立てをする本。異議申し立てをしているのは筆者の田中貴子だけではないようなのですが、でもやっぱり日本人は上記のように固定化した説が好きなのはなぜか?についても触れられています。

この人は私と同年代で、おそらく家庭環境も似たり寄ったりなのではと思います。きっとこの人は白州正子を胡散臭く思い(でも学者がまともに取り上げるような文筆家では無いと思う。高級婦人雑誌には欠くことのできないキャラクターですが)、小林秀雄が嫌い(私にとってはデータに裏打ちされないことを難しく書く人という印象)でしょ?そこも私とよく似ています。

確か感動人様に教えていただいた本。面白かったです。
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by soymedica | 2013-02-07 12:58 | 本・CD・その他 | Comments(2)

国立能楽堂1月狂言の会 目近 伯母ヶ酒 唐人子宝

d0226702_11504482.jpg国立能楽堂狂言の会1月
1月30日(水)18時30分より
正面席4500円

目近(めちか)和泉流
シテ(果報者)井上靖浩、アド(太郎冠者)佐藤融、(次郎冠者)今枝郁雄、(すっぱ)佐藤友彦
笛 松田弘之、小鼓 田邊恭資、大鼓 原岡一之、太鼓 小寺真佐人

伯母ヶ酒 大蔵流
シテ(甥)茂山七五三、アド(伯母)茂山千五郎

唐人子宝 和泉流
シテ(唐人)野村万作、アド(何某)野村萬斎、小アド(太郎冠者)深田博治、(二郎冠者)月崎晴夫、(唐子)野村遼太、中村修一、子方(今若)野村裕基、(熊若)山口圭太
笛 松田弘之、小鼓 田邊恭資、大鼓 原岡一之、太鼓 小寺真佐人

舞台の上に乗っている人数を考えるとなかなかお得なチケット…。

目近は「目近」と「米骨」という種類の扇を買ってこいと言われた太郎冠者と次郎冠者がすっぱにだまされて古扇を買ってしまう。主人はひどく怒るが、太郎冠者と次郎冠者がすっぱに教えられた謡をうたうと楽しくなって一緒に踊ってしまうという楽しいお話。
私、佐藤友彦が結構好きなのですが、比較的早くに引っ込んでしまったのが残念。井上靖浩は初めて見ましたが、なかなか良かったです。
それにしても何かを「買う」という行為、昔は大変だったのでしょうね。今は商品流通の発達した社会だと言われてもピンときませんが、狂言の時代のお買い物の大変さを見るとなるほどと思います。欲しいものがどこで売られているのか、はたして売られているのか、デパートもネット検索もなかった時代のお話でした。
約40分。

実は唐人子宝が目当てで買った切符だったのですが、伯母ヶ酒、これが一番良かった。たった二人でやる地味な狂言で、前後の比較的派手で囃子も入る演目とくらべて目立たず、注意を払わなかったのですが、これだけに4500円払っても良かったと思うくらい良かったー。
千五郎のけちな婆さんの酒屋、七五三の酒に意地汚い甥、鬼のふりをして酔っぱらっていく様子、びくびくしながら様子をうかがう伯母さん、堪能しました。

考えてみると千五郎と七五三が一緒に舞台に登るのを見るのは初めてではないだろうか…。狂言の「女」って、もしかすると年取っている方がうまくでいるのかもしれないと、いつも思いますがどうでしょう。
約30分。


唐人子宝は何かで復曲だと読んだような気がしたのですが、その本が見つからない。たしか衣装を再現するのに苦労した話が書いてあったような…。
日本で成功した唐人を迎えに、中国の子供たちがやってくる。唐人には日本にも二人の子供がいる。帰国のお願いがかなわなくてごたごたするけれど、やっと殿様のお許しがでて、喜びの舞を舞うというお話。
(双方の奥さんがどうなっているのか全く話に出てこないのが時代ですね。子供も男の子しか出てこない。)
中国の子供と唐人が中国語らしきものでお話をするというのが一つの見せ場。

直前の万作の会の公演が万作の体調不良で延期になっていたので、今回どうなるかと思ったのですが、無事登場。考えてみると野村万作家は茂山家ほど男の子に恵まれていないので、なかなか大変かもしれません。しかし、万作、「病み上がり」とこちらが思っているせいか、今一つ生彩を欠いていたような。芸の「旬」と言うものを考えさせられました。
約45分。
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by soymedica | 2013-02-03 11:53 | 能楽 | Comments(0)