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東京観世会 2011年5月28日

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東京観世会 2011年5月28日(土曜)午後1時から4時20分
@観世能楽堂 
指定席7870円


弱法師
シテ 野村四郎、ワキ 森常好、アイ 野村万蔵
大鼓 柿原崇志、小鼓 幸清二郎、笛 一噌千幸

狂言 雁大名
野村萬、野村扇丞、野村万蔵




仕舞
絹巻キリ 岩屋 稚沙子
敦盛クセ 河西 暁子
網の段 山階 弥次
歌占キリ 津村 聡子

鵜飼 附祝言
シテ 大松洋一、ワキ 高井松男、アイ 野村太一郎
大鼓 亀井実、小鼓 住駒充彦、太鼓 小寺佐七、笛 栗林祐輔


すぐ後ろで観世のカメラマンが写真を撮っている目付柱寄りの正面席でした。
でも、端の席が取れなかったら自由席のほうが空いているのでよいかもしれない。


弱法師

後妻の讒言で一度は捨てた我が子俊徳丸。父親は、放浪の末盲目となった俊徳丸と天王寺で行きあい、連れ帰る、という話。三島由紀夫の小説にもなったし非常に有名ですが、もとはこんなシンプルな話だったのですね。

本日は野村四郎目当てでチケットを買ったのですが、弱法師はもしかしたら当たり役なのでしょうか。それこそよろよろした感じです。ほかの人の弱法師と比べてみたいと感じました。

しかし、このお父さん(通俊)、ひどい人ですね。息子と確信しているのに「昼間は人目があるから夜まで待って連れて帰ろう」って…。



狂言 雁大名

大名がそんなズルしちゃて良いの?という可笑しな能。
雁を売る商人が妙に立派なのも可笑しさを増します。



鵜飼

禁漁の石和川(今の笛吹川)で鵜飼漁をして、簀巻きにされて淵に沈められた漁師の怨霊の話。旅の僧(日蓮だと言われているそうです)が泊まったお堂に漁師が怨霊として出てきます。後シテは、閻魔大王。漁師は生前何にも良いことをしなかったけれど、坊さんに親切にしたからまあ、許してやろう、と。

楽しめました。舞が見どころということですが、謡も良かった。

ところで、後シテの閻魔様、走って入ってくるのだから、最後も走って退出したらどうかと思うのですが。閻魔様しずしずと退場、ってどうなのよ。というのは、あまりに素人な感想でしょうか。鬼が出てくるものでもいつも退場はしずしずとですよね。



今回仕舞は全員が女性でした。そして全員が全員とも袴の着付けの後ろ姿で若干歪んでいるのが気になったのでした。


弱法師:あらすじで読む名作能50 多田富雄 世界文化社
    能楽への招待 梅若猶彦 岩波新書
    (あらすじの説明ではなく、梅若での演能の心得に関する解説あり)
鵜飼:演目別に見る能装束 観世喜正 淡交社
    装束好きのおばさま向けの写真集かとおもったら、なかなか役に立つ本です。
    お勧め度高し。
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by soymedica | 2011-05-29 10:16 | 能楽 | Comments(0)

能の見える風景

能の見える風景 多田富雄 藤原書店
182ページ 2200円

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我が家に糸井重里のホームページで発見して買った黒い土鍋がある。土鍋にしては何と作った人の名前もわかる高級品。(伊賀の陶工福森雅武氏。今でもほぼ日刊イトイ新聞で買える。)
この本を読んでいたら、何とその人の作った土鍋はあの白州正子が愛用していたらしい(もちろんネット販売の普及品とは違うのだろうが)。糸井重里はどうしてこの人に土鍋を作らせようと思ったのだろうと不思議に思っていたのだが、きっと白州正子経由なのだろう。

それはさておき、本は多田富雄が見た能の評を集めたもの。どちらかというと厳しい研究者、というイメージの多田富雄はこんな優しげな(内容はやさしくないが)文章も書いたのですね。
能に対する愛着が伝わってくる文章です。
とことどころ舞台に対する感情移入がすごく激しいのに、嫌味にも青臭くもならない文章が凄い。

なお、書かれたのは筆者が脳幹梗塞に倒れた後のものばかりです。それ以前のものを集めた「脳の中の能舞台」、ぜひ読んでみよう。
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by soymedica | 2011-05-28 00:15 | 本・CD・その他 | Comments(0)

観世会 東日本大震災義援能 第二部

観世会 東日本大震災義援能 5月23日6時半 観世能楽堂
3000円

仕舞 国栖 高梨良一
   葛城 キリ 小川明宏
   須磨源氏 今井泰介

狂言 鐘の音 野村萬、野村扇丞

仕舞 屋島 観世三郎太
仕舞 龍田 キリ 武田志房
    観世恭秀
   松風 谷村一太郎
   鵜之段 野村四郎
   鞍馬天狗 観世芳伸
舞囃子 頼政 観世銕之丞



能 杜若 恋之舞
シテ 観世清和、ワキ 森常好
大鼓 亀井広忠、小鼓 観世新九郎、太鼓 金春国和、笛 寺井宏明
(60分)



仕舞もだんだんわかってくると楽しいものです。
でもまあ、今日は難しいことは抜きにして、三郎太君ががんばりましたね。昨日の喜多流は完全に他の役者が子供に喰われていましたが、今回はそんなことなく、「やっぱり大人の芸は味が違う」と思わせたのは三郎太が下手なわけではなく、本来そうあるべきなのでしょう。

昨日見た喜多流と比べて、観世はショウビジネスとしての基本ができている、という感じ。素人のお弟子さんに頼ってやるのではなく、もっと裾野の広いファンを満足させるべく、切符の売り方などのビジネスから、舞台の上までしっかり統制がとれている、というのは褒めすぎでしょうか。


鐘の音
鎌倉へ行って「カネノネ(金の値)を聞いてこい」と言われた太郎冠者が、鎌倉へ行って「鐘の値」を聞いてご報告。怒った主人のご機嫌を取るべく、それぞれの寺の鐘の音を謡にし、舞を舞って見せるというもの。野村萬は上手いな~。


能 杜若
「恋之舞」の小書がつくと、短くなって、仕舞を見せるのが中心となります。
お話は、例によって旅の僧が八橋の杜若を出てくると、何やら怪しげな美女が出てきて「からころも…。」の歌を教えて、「うちに泊まっておゆき。」ホイホイと付いて行くと、美女は在原業平の冠と高子后の唐衣を着て出てきて、舞を舞う、という話。

ゆっくりゆっくりした舞、と解説書にあったので、眠くならないかと心配でしたが、すごく綺麗で楽しめました。これを衣装をつけないで舞ったらどうなのだろう?やはりプロが舞うと楽しめるのだろうか?

今日も笛はいつもの人。(女性だと思っていたらなんと男性とご指摘を頂いた。)あの人ばかり働いているような気がする。
小鼓は本日は調子良かったです。


ところでところで、3月に最初に見た時と比べて、皆さん御髪が黒くなりましたね。染めてないのは家元と野村萬くらい?


能の鑑賞講座 1 三宅襄 檜書店
あらすじで読む名作能50 多田富雄 世界文化社
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by soymedica | 2011-05-24 08:23 | 能楽 | Comments(0)

喜多流職分会

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喜多流職分会 平成23年5月自主公演能
2011年5月22日12時 十四世喜多六平太記念能楽堂
全席自由席 6000円

橋弁慶 
シテ 内田安信、シテツレ 佐藤寛泰、子方 内田貴成
アイ 大蔵吉次郎、アイ 大蔵教義
後見 粟谷辰三、塩津哲生
大鼓 佃良勝、小鼓 住駒充彦、笛 寺井義明
(45分)

狂言 口真似
シテ 大蔵彌太郎、アド 大蔵千太郎、小アド 大蔵基誠

湯屋
シテ 高橋呻二、シテツレ 塩津圭介 
ワキ 福王知登 ワキツレ 村瀬提
後見 高林白牛口二、金子匡一
大鼓 安福光雄、小鼓 鵜澤洋太郎 笛 寺井宏明(?)
(90分)

仕舞 網の段 
狩野琇鵬

船橋 附祝言
シテ 粟屋能夫 シテツレ 大島輝久
ワキ 福王和幸、ワキツレ 喜多雅人、ワキツレ 村瀬慧
アイ 宮本昇
後見 粟屋幸雄 佐々木宗生
大鼓 柿原弘和、小鼓 大蔵源次郎、 笛 藤田次郎(?)、太鼓 助川治
(80分)



まず、橋弁慶
子方がかわいらしくセリフを言って立ち回りもする、というもの。でも五条の橋で千人切りするのって、弁慶じゃなかたっけ?牛若丸が千人切りするのだったけ。どうやらシテは子方のおじいちゃんらしい。子方はセリフも元気よく、うでがしびれちゃうよ(?) と思いながらもかっこよく決まって、かわいらしい。本当の年齢は何歳なんだろうか(12,3歳の、とセリフでは言われている)。子方のでるものなのに、お友達があんまり見に来てないですね。残念。
おじいちゃんのほうは途中でセリフを忘れちゃって、地謡がプロンプトしてた(とても良い声の人でしたが、誰だったのだろう)。



狂言はなかなか面白かった。これは彌太郎が可笑しい。小アド(酒癖の悪い近所の人)、の退場がもう少しなんとか工夫があるのかと思ったけれど。


湯谷

現代だったら我儘なベンチャー企業の社長と美人で心根優しい愛人の物語、と言ったところでしょうか。これで愛人を里に帰さず、彼女がお母さんの死に目に会えなかったら、「おれが悪かった」と心から謝るのだけれど、きっとまた同じようなことを繰り返すという金と権力はあるダメ男…。

ここでもまたまたシテツレ(朝顔)がセリフを忘れて地謡に教えてもらってた。大丈夫?

シテは手がごつい人。前のほうの席だったので妙に気になる。
人気曲とのこと。うーーん。
ワキは福王というからには福王和幸と兄弟?三白眼の眠そうな感じがよく似ている(失礼)。


仕舞。この人とっても高齢なのかしらん。厳しい先生という感じ。髪の毛は染めないほうが(あ、私個人の好みです)。


船橋

これが本日のお目当て。シテの粟屋能夫が良かった(直面の前半もなにやら怪しげな感じが出ていた)。またまたシテがセリフを教えてもらっていたけれど、たぶんそれはシテツレがセリフを飛ばしたせいだと思う。



笛はどう見ても湯谷と船橋、同じ女の人なのだけれどどうなっているのだろう。この人、きっと前にも観世会で聞いたことがある人で私は好きだけれど、この人ばっかりたくさん働かせて大丈夫なのかな。


見所は今までで一番平均年齢高し。の前のほうに座っていたのだが、全員が謡本片手。皆さんお弟子さんなのかな。しかしお客さんが謡本を持って見ているとわかっていてセリフ忘れちゃうってちょっと…。



参考:
湯谷  演目別にみる能装束 観世喜正・正田夏子 淡交社
    あらすじで読む名作能50 多田富雄 世界文化社
    能の鑑賞講座 1 三宅襄 檜書店
湯谷 橋弁慶
    能の表現 清田弘 草思社
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by soymedica | 2011-05-22 20:36 | 能楽 | Comments(2)

国立能楽堂 定例公演 飛越 石橋

国立能楽堂 定例公演 飛越 石橋 
5月20日午後6時30分開演
正面席:4320円




飛越 
シテ(新発意) 野村万禄、 アド(何某)小笠原匡


お茶会に参加することになったシテは物知りのアドを連れて行くことに。道々得意げに茶道の蘊蓄を傾けていたアドは何と小川(飛び越えられるくらいだから飛越)が飛べない。それを馬鹿にするシテに、「何だお前なんか相撲大会でみっともなかったじゃないか」と得意の口先でやり返すから、さあたいへん。
と、ここまであらすじを書いてきて「もう少し面白くできるんじゃないか?」と思っちゃった。要するにシテは今でいう口先だけの蘊蓄男。そこを誇張する、とか。


石橋 大獅子
シテ(童子、白獅子)観世芳伸、後ツレ(赤獅子)関根祥丸、ワキ(寂昭法師)福王和幸、アイ(千人)野村萬蔵
笛 杉市和、小鼓 曽和正博、大鼓 國川純、太鼓 助川治


江戸時代の復曲だそうです。
中国巡礼旅行中の日本の高僧が清涼山(しょうりょうせん)に行くと、石橋が。深ーーーい谷にかかった幅の狭いつるつるした橋。でも向こう側には文殊菩薩の住む仙境があるという。それを聞いて渡ろうとする法師を謎の童子が止めます。(でも、せっかく遠くから来た要人だからと、)待っていると良いことがあるよ、と言われて待っていると、獅子が出てきて素晴らしい舞を舞う、というもの。

ワキはこの前見た背の高い人。大きい割に妙に気配が無くて、しかもじーーーーっとできる。もしかしたらワキとして上手なのかもしれない。上手く年取ってほしいな。

アイの山の精は笑ったおじいさんのお面をかけている。そして、杖の先に瓢箪をくくりつけている。何となくあのなかには美味しいお酒が入っていそう…。

そしてハイライトの獅子舞。二匹の獅子が両手を左右に伸ばした独特の姿勢で、お面をかけたまま台に上ったり、頭を振ったり、橋がかりに足を乗せたり。そういえば、私は正月の門付けの獅子舞(サザエさんの漫画に出てくるやつ)って見たことが無いが、あれもTVで見るイメージとしては頭を振りますよね。他に動かすところもあまり無さそうだけれど。

華やかで堪能しました。もっと見ていたいなー、と思うところで終了。
今回はオペラグラスを持って行ったので面や装束の細部も見ることができました。

華やかで動きのある演目のせいか、今回は西洋人率高し。能が好きになってほしいとまでは思わないけれど(そこまでは望みません)、少なくとも「今日は珍しいものが見られて良かった」と思って帰ってほしいな。


この能の解説のある本
能へのいざない 味方玄 淡交社
あらすじで読む名作能50 多田富雄監修 世界文化社
これならわかる能の面白さ 林望 淡交社
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by soymedica | 2011-05-20 23:59 | 能楽 | Comments(0)

国立能楽堂 普及公演 船渡聟 東岸居士

国立能楽堂 普及公演 5月14日(土曜)午後1時開演

能の「橋」物語 増田正造 

船渡聟
シテ(聟):大蔵千太郎、アド(舅):大蔵吉次郎、アド(太郎冠者):大蔵基誠、アド(船頭):大蔵彌太郎

東岸居士 橋立
シテ(東岸居士):山本順之、ワキ(男):飯冨雅介、アイ:大蔵教義、
笛:藤田次郎、小鼓:幸正昭、大鼓:守家由訓
後見:浅井文義、浅見慈一、
地謡:安藤貴康、谷本健吾、長山桂三、馬野正基、小早川修、西村高夫、清水寛二、柴田稔

正面席 4320円


とても良いお天気でした。能楽堂の前庭では、お弁当を広げる人も。
代々木駅から10分ちょっと歩いたのですが、ちょうどよく汗をかきました。食堂に入って皿うどんを注文したら、おじさんが「あと20分ではできないので他のものにしてください」と。ここで「解説は聴きません」と、言って良いものやら、言ったら「そうですか」、と皿うどんの食券を売ってくれるのか見当がつかなかったので、ハヤシライスに変更。
本当は解説はどうでもよかったのだけれど…。やっぱり、私の聞きたいところとはずれた解説でした。でも、解説者も困るのではないでしょうか。誰に向って、どの程度の話をするのか???

食堂には「○×ツアー様」という札が立っていたので、団体さんがいた模様。


船渡聟

いきなり舅どのの発声がかん高く(鶏が絞殺されているのかと思った)びっくりしましたが、聟と船頭(親子らしい)の息がぴったり合って面白かった。


東岸居士

筋といった筋は無い話です。京都見物に来た人が、橋の勧進をしている「東岸居士」の芸を見て楽しむ、というものです。なんだかやたらと抹香臭い謡ですが、舞を見せるのが目的の60分ほどの作品。この解説を書くのは大変だろうな、と思って改めてプログラムを読み返すと、さすがプロ(金子直樹)、ためになることが沢山書いてありました。560円は安い。
ほかにためになるぬえ様のブログにトラックバックしてみました。

ただ、こういうのを「普及公演」ってどうでしょうか。鬼がでてきて派手なのか、いっそのこと井筒とか。

シテの山本順之。とてもきちんとした人なのではないかと思います。あんまり派手ではないのは、演目のせいなのか、本人の性格なのか。70歳過ぎているのですね。見ていた時はもっと若い人かと思いました。


…本屋さんが勧めるので、なんだかとても高い本を買ってしまった…。「能・狂言事典」
8000円くらい(涙)。私にとって本屋さんは鬼門なのだけれど。仕事で本を買う時には1万円以下だとお買い得かなと思う程度何ですが、そのほかの本で3000円以上すると、反省しちゃうんですよね。

今ではネットでこーんな良いお写真も見られまっせ。
http://www.harusan1925.net/0406.html

参考は
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/efd7ea0ca6c9e61ac822c3b7998697da/9a
http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/ce03a6fbb2b6e46a35c81b6a7ed216be/9a
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by soymedica | 2011-05-15 00:17 | 能楽 | Comments(4)

能楽への招待

能楽への招待 梅若猶彦 岩波新書

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能とは何か、の本なのですが、歴史や曲の解説もあるものの、主眼は「能楽師は何を考えて舞っているか」「何がすばらしい芸か、そこへの到達:観客側から見て、舞うものから感じて」と言うところにある本です。
一部は全く私には実感のわかない部分もあり、一瞬で消えてしまう主観的な感覚を説明することの難しさを感じさせます。
しかしながら、筆者が体験した現代劇「リア」などの話は門外漢にも良く理解できます。これはいろいろな国のいろいろな背景を持つ一流の役者たちがリア王の新解釈を一緒に演じるもので、筆者はリアの役だったそうです。「伝統芸能出身の『型』で演じる役者は長期の公演の間それを変更する必要はなかったが、現代劇出身の役者は少しずつ演技の変更をした。」とのこと。
確かにそうかもしれないと思う一方で、もっと長いスパンで考えると、型が決まりすぎていると観客が時代とともに変化するのに芸能のほうがついて行けないこともあるだろう、と思います。
ある程度の集客力を期待するならそこのところを少しずつ変化させていかないと、というのも伝統芸術の苦しいところかもしれません。

能楽関係でブログを書いたり熱心に解説執筆をしたりするのは普通の家庭から能の世界に「就職」した人が多いようです。
筆者はシテ方の家に生まれていますが、父親が早世しているらしい。その意味では一般的な芸事の家に生まれた人とはちょっと違うので、こういう解説的な本を書こうという要求がつよいのかもしれません。

2003年の出版なのにもう絶版になっています。岩波さんも最近はサイクルが早い。
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by soymedica | 2011-05-13 11:00 | 本・CD・その他 | Comments(0)

亀井広忠

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亀井広忠(能楽囃子)

第8回ビクター伝統文化振興財団賞 奨励賞

こーんなCDが売られていて、こーんな賞があるのですよ。

星が5つなのだか3つなのだか評価できるほど知らないのですが。そもそもあの曲とこの曲を区別できるのか??と思っていたのですが、結構それぞれ違うものですね(あまりに初心者な感想ですが)。

実際の舞台のときよりも気合いが入っている感じは、自分たちが主役だから?囃子のためだけに編曲された曲も入っているようですから、なおさらかも。
この他にもアマゾンで大人買いしちゃったので順に聞いていこう。
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by soymedica | 2011-05-11 22:25 | 本・CD・その他 | Comments(0)

平田オリザ 演劇展

平田オリザ 演劇展 マッチ売りの少女たち
原作 別役実、構成・演出 平田オリザ
@こまばアゴラ劇場 2500円

毎度のことながら満席でした。しかも凄く若い人が多い(あの椅子ではあたりまえか)。有名なものなので、ご存知の方も多いと思いますが、あらすじとしては:
子供を失ってだいぶたつ夫婦二人の平和な茶の間に、「私、あなたの娘です」という若い娘が突然やってきて、それが3人にまで増えたと思ったら、弟までやってきて…。さらに市役所の戸籍係、近所の噂好きの主婦たちが加わり…という不条理劇。

1997年が平田オリザとしての初演。
別役実の原作は「マッチ売りの少女」という形で1966年に初演されているそうです。「マッチ売り」というのは、戦後の混乱期のマッチ一本が消えるまでの間スカートの中を覗かせる、という子供の売春まがいの行為のことです。原作は戦後の混乱と貧困の色を濃く残した作品だそうで、私の見た写真も何と茶の間が畳だった。
今回の舞台は立派な木のテーブルでアールグレイを楽しむ、というものでしたし、やってくる市役所の課長が女性、下っ端がいかにもの兄ちゃん、というのも現代風。
私は衣裳のセンスがすごく良いと思ったのですが如何ですか?(有賀千鶴、正金彩となっています)。

110分、堪能できます。別役のもとの形も見てみたいような気がしますが、ネットであらすじを検索した限りでは、今見るなら平田オリザの形の方が面白いかな。
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by soymedica | 2011-05-07 21:22 | その他の舞台 | Comments(0)

観世会定期能 5月

観世会定期能 5月
観世能楽堂 正面席12500円

能 絵馬
シテ(尉/天照大神)観世清和、前ツレ(姥)林宗一郎、後ツレ(天鈿女命)木原康之、ワキ(勅使)殿田謙吉、アイ(末社)野村太一郎、後見 木月孚行、地頭 武田志房、笛 一噌隆之、小鼓 曽和正博、大鼓 柿原弘和、太鼓 助川治
(95分)

狂言 茶壷
シテ(すっぱ)野村萬、アド(田舎者)野村扇丞、アド(目代)野村万蔵

能 蝉丸 替之形
シテ(逆髪)関根祥六、ツレ(蝉丸)岡久廣、ワキ(清貴)工藤和哉、アイ(博雅三位)野村万蔵、後見:観世恭秀、地頭:谷村一太郎、笛:内潟慶三、小鼓:鵜澤洋太郎、大鼓:亀井実
(100分)

阿漕
シテ:観世銕之丞、ワキ:宝生閑、アイ:山下浩一郎、後見:野村四郎、地頭:角寛次朗、笛:寺井久八郎、小鼓:亀井俊一、大鼓、佃良勝、太鼓:観世元伯
(85分)

絵馬。観世会の講座に行ったので、期待はいやがうえにも高まります。100%に近い入りだったのですが、ラッキーなことに隣が空席。前の人の頭に邪魔されずに見られました。やはり、宗家は上手なのか、カリスマがあるのか、引きつけます。中入り後の能面に装束ではどれが誰やら能楽初心者の私にはわからなかったのですが、やはり目が行ってしまう人が天照大神でした。前半と後半が一つの能になる整合性がいま一つわからないのですが、五穀豊穣を願うおめでたい能です。東北にも五穀豊穣が早くおとずれますように。林望先生によると、初心者にもお勧めということですが、確かに楽しい能でした。途中、節分が2月と思っている現代人には「おや?」と思う言葉があるのですが、興味ある方は下の文献を。

狂言 茶壷。酔っ払って茶壷を枕に寝ている男からまんまと茶壷をせしめようとしたら、仲裁に入った目代に漁夫の利をとられるという筋。野村萬を初めて見ましたが、この人がすごーく可笑しい。さすが。野村扇丞も上手ですが、若いと「味」というものが出ないのかもしれない。野村萬さんは狂言を見ない人にもお勧めしたい楽しさです。

蝉丸。すいません。後半寝てしまいました。この人、凄く上手いのだろうなーと思いつつ、幸せに寝ました。観世会って長いので。ごめんなさい。若干良性の震顫がありますね。手に笹を持っていたのでよくわかりますが、演技の上ではあまり気になりません。

阿漕。「あこぎな奴」の阿漕です。密漁者だった人です。密漁が見つかって、海に沈められても亡霊になっても出てきて密漁をする、という内容。何回も同じことをするとたとえ秘密にしていても、わかっちゃうんだよ、ということで西行法師の恋の歌にも出てくるそうです。こういうドロドロしたものって、結構面白く感じられます。またまた小鼓が私の気に入らなかったのですが、能としては堪能できました。今回正面の一番後ろの席だったのですが、こういうものはもう少し近くで見ても良いかも、

参考文献
絵馬:これならわかる、能の面白さ 林望 淡交社
   特集・絵馬 中尾薫 観世74巻3号p28-33
蝉丸:能の鑑賞講座2 三宅襄 檜書店
阿漕:能の鑑賞講座1 三宅襄 檜書店
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by soymedica | 2011-05-01 20:48 | 能楽 | Comments(0)