カテゴリ:その他の舞台( 35 )

足跡姫 時代錯誤冬幽霊



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足跡姫 時代錯誤冬幽霊ときあやまってふゆのゆうれい

2017年1月18日-3月12日@東京芸術劇場プレイハウス

三、四代目出雲阿国 宮沢りえ、淋しがり屋サルワカ 妻夫木聡、死体/売れない幽霊小説家 古田新太、戯けもの 佐藤隆太、踊り子ヤワハダ 鈴木杏、伊達の十役人 中村枝雀、腑分けもの 野田秀樹
美術 堀尾幸男、照明 服部基、衣装 ひびのこづえ


新作です。特にテーマらしいテーマやメッセージの無い本。それをこれだけ作りこむのは大変だろうな、と思いました。
お話は物凄く楽しめましたし、「足跡」が作る模様をはじめ美術や照明、衣装もすばらしい。
まだやっていますからお出かけください。

再演があったら行こうと思う。そのときはもう少し本が整理されるかもしれないけれど、今回の雑多な感じも面白い。
「これは何かのパロディだな」とか「何かからの引用だな」と思うセリフがあったのですが、次回は出典がわかるかもしれないし。

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by soymedica | 2017-02-10 08:11 | その他の舞台 | Comments(0)

エノケソ一代記

d0226702_12380081.jpgエノケソ一代記

2016年12月5日@世田谷パブリックシアター
9800円

【作・演出】 三谷幸喜

【出演】 市川猿之助 吉田羊 浅野和之 山中崇 水上京香 春海四方 三谷幸喜

抱腹絶倒なんだけれど、最後はほろっと。客席からは洟をすする音も。
というお話。

エノケンこと榎本健一の全盛期を知っている人は客席にはほとんどいないでしょう。かくいう私も知らない(1970年に亡くなったらしい)。糖尿病性の壊疽で下肢切断をしたコメディアンということしか知らなかったです。
歌は聞いたことありますが、劇中で誰かのセリフに合ったように「一本調子で面白くないよね」と思っていました。

ともあれ、そのエノケンの偽物の話。
今のようにTVの普及しない時代には地方に人気芸人の偽物がよく出たそうです。その偽物一座。最初のうちは皆本物と間違って、偽物とばれそうになると一座は逃げだすのだけれど、エノケンが叙勲されてからは、雇うほうも偽物だと思って雇ってる。
猿之助、はまり役ですね。パンフによると最初は「エノケンの役です」と言われていたのに、台本受け取ったら「エノケンの『偽物』の役になっていました」(大笑い)。

そして吉田羊の役って、よくある尽くす妻のようだけれど、それだけじゃない。そこをうまく演じて、最後に筋を客に涙させるだけの力量のある女優なんだな、と思いました。

ということで、もしチケット手に入ったらお勧め。

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by soymedica | 2016-12-08 12:42 | その他の舞台 | Comments(0)

中島みゆき 夜会 Vol.19 橋の下のアルカディア


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中島みゆき 夜会 Vol.19 橋の下のアルカディア
2016年11月24日(木)20時より@TBS赤坂ACTシアター

中島みゆき、中村中、石田匠、森尻斗南、小泉将臣、馬場太史


ポップシンガーのコンサートに行ったのは初めてのような気がする。クラシックのコンサートや歌舞伎に比べるとチケットが割高。オペラを考えると安い。日本では行ったことがないが、ミュージカルと比べるとどうなんだろう。
S席ということだったが2階席の前から5列目中央で、2万円。
パンフレットの3200円にもびっくり。行き慣れた人によると、大体人気シンガーのコンサートではこんなものだそうな。
始まりの時間が遅いのが大変に宜しい。

ダンスの無いミュージカル、と言った雰囲気の構成。でも、かなり動きがあるので手持ちマイクが気になる。何かこだわりなのでしょうね。
殆ど歌でつないでいく構成で、中島みゆきはもちろん、中村中、石田匠にも大満足。

2年前の再演だそうで、切符が入手しやすかったのかもしれません。
お客さんに50歳代、60歳代の男性が多かった。


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by soymedica | 2016-11-29 08:42 | その他の舞台 | Comments(0)

遠野物語・奇ッ怪其ノ三

d0226702_22253362.jpg遠野物語・奇ッ怪其ノ三
2016年11月4日(金)@世田谷パブリックシアター

脚本・演出 前川知大

ヤナギタ 仲村トオル、ササキ 瀬戸康史、イノウエ 山内圭哉、イソ 池谷のぶえ、ミズノ 安井順平、テラダ 浜田信也、スズ 安藤輪子、ノゾミ 石山蓮華、ノヨ 銀粉蝶

美術 堀尾幸男、照明 原田保、音響 青木タクヘイ、音楽 ゲイリー芦屋、 衣装 伊藤早苗、 ヘアメイク 宮内宏明、演出助手 谷澤拓巳、舞台監督 田中直明


評判の高い前川知大の奇ッ怪、観てきました。

「遠野物語」有名で、私も昔ちょっと読んでみましたし、水木しげるの漫画も持っています。びっくりしたのは、起承転結の無い話がほとんどだったこと。「…っで?」と言うところで終わっている。作中で登場人物が全く同じこと言ったので笑っちゃったし、パンフでも読んだ俳優たちがそう言っています。

その遠野物語のいくつかをモチーフにし、その断片をうまくつなぎ合わせて、最後に「ああ、それで遠野物語にははっきりした終わりのない話が多いのか」と思わせる流れになっています。
面白くて、ちょっぴり悲しい。

ヤナギタとイノウエの対話も面白いですし、池谷のぶえと銀粉蝶が上手。
どの登場人物も、「いかにも」というビジュアルになっているのが面白い。

まだチケット入手可能でしたらお勧め。

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by soymedica | 2016-11-05 22:28 | その他の舞台 | Comments(0)

フリック

フリック The Flick
2016年10月15日(土)13時より」@新国立劇場小劇場

作 アニー・ベイカー、翻訳 平川大作、演出 マキノノゾミ
美術 奥村康彦、照明 中川隆一、音響 内藤博司、衣装 三大寺志保美、

エイヴリー 木村了、ローズ ソニン、サム 菅原永二、スカイラー 村岡哲至


ネタばれあります。

東海岸の大学町のさびれた映画館。いまだにアナログ。
従業員は掃除、ポップコーン売り、切符売り、映写までやるが、映写が花形。
従業員は基本的に中流の下の白人らしい。
そこに映画マニアの黒人青年が従業員として加わる。

原作はピューリッツァ賞をとったというだけあって考えさせられる良い本ですが、3時間を4人(うちほとんどは3人で)で引っ張るというのがちとつらい。映画館の客席のみで繰り広げられる話なので、場面の転換も暗転だけで行われる。
以上を、日本人の存在感(物理的な意味でも)で小劇場とはいえ新国の大きさの客席を引っ張るのはちょっと。

話をもう少し刈り込んでも良かったかもね。

とはいえ、観てよかった舞台でした。

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by soymedica | 2016-10-18 18:09 | その他の舞台 | Comments(0)

Disgraced 恥辱

Disgraced 恥辱 

2016年9月21日19時より@世田谷パブリックシアター
作:Ayad Akhtar アヤド・アフタル
翻訳:小田島恒志、小田島則子
演出:栗山民也
小日向文世、秋山奈津子、安田顕、小島聖、平埜生成

パキスタン出身のイスラム教徒であることを隠し、インド出身と何となく思わせて、ユダヤ系ロー・ファームのパートナーの座を狙う弁護士のアミール。妻は進歩的で自由な考えを持つアーティストの白人エミリー。
妻のキュレーターのユダヤ人画商。その妻は同じローファームの弁護士で黒人。
イスラム過激派として逮捕されている友人の弁護を頼みに来た甥。

アーティストである妻の、偏見の無い、ある意味進歩的で独善的な考え方がすべての均衡を壊していく。

メトロポリタン美術館にある、ベラスケスの「ファン・デル・パレーハの肖像」がモチーフとして上手く(いや、どぎつく)使われています。

というお話だとは少しも知らず、行ったのですが、大変面白かった。
原作の力もあるし、俳優たちの実力も十分。

でも、ここが日本だから、「色々考えさせられるわよね」などと悠長なことを言ってお芝居を見ていられますが、これ、9.11後に書かれた話でNYで上演されている。相当刺激的なのではと思いますが、アメリカでもっとも製作されている舞台となったそうです。なんだかんだ言ってもアメリカのインテリの懐は深い。

ピュリッツァー賞受賞作。

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by soymedica | 2016-09-23 20:59 | その他の舞台 | Comments(0)

コペンハーゲン

d0226702_2150637.jpgコペンハーゲン(シスカンパニー)
2016年6月14日(火)18時30分@世田谷パブリックシアター/シアタートラム

作 マイケル・フレイン、翻訳 小田島恒志、
演出 小川絵梨子


ハイゼンベルグ 段田安則、ニールス・ボーア 浅野和之、マルグレーテ・ボーア 宮沢りえ


1941年ドイツ占領下のデンマークにかつての恩師であるボーアを訪ねたハイゼンベルグ。そこで二人が交わした話を振り返る、という心理劇。二人は原子爆弾作成の可能性、その倫理性について話したのか?ハイゼンベルグはナチスのスパイだったのか?すでに三人は亡くなっており、戦後の報道、連合軍による尋問の記憶、などを交えて三人が出ずっぱりで会話するという地味な劇。

テーマは今の遺伝子操作の倫理性に通じるところもあるけれど、それだけでなく長男を目の前で事故で失ったときの父親(ボーア)の行動の倫理性、共同研究とは何か?成果は誰のものか?などを行ったり来たりする。

観念的な話だけれど、それほど退屈せずに3時間見られたのは演出と役者の力か?実はあんまり宮沢りえを上手だと思ったことは無いのだけれど、割とはまり役でした。

量子力学に関する難解な用語が頻出する、というのは嘘です。どういった理論か、だけをぼーーーんやりと知っていれば楽しめるかとは思いますが。シュレディンガーの猫、くらいの用語は知っていた方が良いかもしれない。
しかしながら休憩時間に周りのお客の話を聞いていて思ったのだけれど、ボーアとはだれか、ロス・アラモスとは、マンハッタン計画とは何か、オッペンハイマーが原爆投下後どうしたか、という基本的科学史の知識が無いと、これを観るのは無理かもしれない。

最後に「あの人たちって実在の人?」という後ろの席の兄ちゃんの発言を聞いて椅子からずり落ちそうになった...。

そんなに受ける話とも思わないけれど、演出家の心を刺激するのか日本では数回上演されているらしいです。でも、活字で読んだ方が面白いかもしれない。
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by soymedica | 2016-06-18 21:52 | その他の舞台 | Comments(0)

番外編 クレーメルとドゥバルグ@サントリーホール

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2016年6月7日@サントリーホール

ラヴェル: ヴァイオリン・ソナタ ト長調
    : 夜のガスパール
イザイ: 無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第5番 ト長調 op.27-5
フランク: ヴァイオリン・ソナタ イ長調

ヴァイオリン:ギドン・クレーメル
ピアノ:リュカ・ドゥバルグ



物凄く久しぶりのコンサート。こんな切符が前日に買えてしまった。
ピアノの兄ちゃん(実はただの伴奏者では無かった)はノーネクタイに上着、クレーメルはシルクのような光沢のある長い黒いシャツにズボン。白髪で白いお髭。何となくシャガールの絵に出てくるバイオリン弾きか、屋根の上のバイオリン弾きか、というイメージ。

何年もコンサートに行かないうちに演奏者もお客さんも服装がカジュアルになったんだなーと感心。
なぜクレーメルの演奏会に「夜のガスパール」??と思ったら、このドゥバルグ君は注目のピアニストらしい。何やら彗星の様に現れて、というフランス人。
だからこういう選曲になっています。

クレーメルはもちろん良かった。
この人が弾くとイザイも素敵(残念ながらCDは無かった)。

ドゥバルクはまだ良くわからないです。ピアノって私はもう少しパキパキ弾く人が好きかも知れません。夜のガスパール聞きながら、「この人がバッハ弾いたらどうなるだろう」と考えていました。
どうやら後ろの席のオジサンはピアノ目当てだったらしく、ガスパールのあとの拍手が凄かった。

最後のフランク、この二人が弾くとこんなに面白い曲なのかと思って楽しかった。クレーメルは楽しそうでしたが、ドルバルクはもう少し真面目に弾いてました。何となく、この人、20年後にはあんまり弾いていないのでは(作曲しているとか、隠遁生活に入るとか)という気がしました。1990年生まれ。

アンコールはやはりイザイの子供の夢でした。
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by soymedica | 2016-06-08 22:43 | その他の舞台 | Comments(0)

俳優座 城塞

d0226702_8504347.jpg劇団俳優座公演 城塞
2016年1月12日19時より@世田谷パブリックシアター・シアタートラム

作 安倍公房、演出 眞鍋卓嗣

男 斎藤隆介、男の妻 清水直子、男の父 中野誠也、従僕 斎藤淳、踊り子 野上綾花


満州で大儲けして引き上げの時に妻と娘を見捨てた父親と息子。終戦後17年たった今、息子はその事業を継いでさらに金持ちに、父親は精神を病んでいる、という出だし。

そのシチュエーションを数分で大体のところをわからせるのは上手いな、と思うのだけれど、この辺の歴史に関心のない向きにはピンと来ないかも。
初演が1962年。その時にはあまり当たらなかったとか。あまりに満州引上げと朝鮮戦争の軍需景気の記憶が新しかったから、却って当たらなかったのかな。今見ると階級対立とか国とは何か、よりも父と息子あるいは自我の対立・自分のしてしまったことにいかに向き合うか向き合わないか、というもっと個人的なメッセージを強く感じさせる話。

男の独白のせりふのところなんぞはいかにも古めかしい感じがするけれど、大体においてテンポよく話が展開して2時間ちょっと飽きずに楽しかった。

安倍公房の小説は朗読や朗読劇にするとなかなか味わい深いものがあるのですが、今回初めて観た戯曲も良かった。

お客さんに5,60歳代の男性が多い。(落語以外のたいていの舞台ものは女性の客の方が多い)。そして正面席のうんと前の方のおばさん二人組、開幕までも大声で話をしていたけれど、休憩後は芝居が始まってからもしばらくの間大声でおしゃべりしていたのにはびっくり。
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by soymedica | 2016-01-13 08:52 | その他の舞台 | Comments(0)

十一人の少年 東京乾電池

d0226702_12451438.jpg劇団東京乾電池創立40周年記念プレ公演
十一人の少年

2016年1月6日(水)19時より@下北沢 ザ・スズナリ

作 北村想 演出 柄本明
CAST
青木 前田亮輔、スモモ 中村真綾
別保 西本竜樹、小林 飯塚三の介、スガ子 麻生絵里子、太田 田中洋之助、ヘタムラ 杉山恵一
ほか


時代の設定は昭和30年代、いや40年代ですかね。素人劇団をやっている地方公務員、ガード下で物乞いをしている眼の見えない若い女とそのヒモ、から話が出発して世界はミヒャエル・エンデの「モモ」に。

第二十八回岸田國士戯曲賞受賞作品だそうです。1984年の受賞ですね。
若干冗長な感じを受けました。たとえば私には別保の物凄い悪妻のエピソードがなぜあそこに挟まれるのかピンとこない。終わりのシーンももうちょっと刈り込んだ方が。

でも、面白かった。主演の中村真綾が素敵でした。

実は「モモ」を読んだことが無いので、今度読んでみよう。
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by soymedica | 2016-01-08 12:46 | その他の舞台 | Comments(0)