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Intermission

8月末までしばらくブログお休みさせていただきます。
皆さま良い夏休みを!
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by soymedica | 2016-08-04 08:28 | Comments(0)

観世会定期能八月 鉄輪

d0226702_11594858.jpg観世会定期能八月 
2014年8月3日(日)11時より@観世能楽堂

花月 山階彌右衛門ほか 隠狸 野村萬ほか
花筐 筐之伝 野村四郎ほか

鉄輪 早鼓之伝
シテ 観世清河寿、ワキ 福王和幸、アイ 野村万蔵
笛 杉信太朗、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 亀井広忠、太鼓 小寺真佐人
後見 木月孚行 上田公威
地謡 谷村一太郎ほか


花筐からいたのだが、途中でうとうとしてしまったので感想は無し。ワキツレで宝生欣哉が登場してびっくり(ま、重要なセリフがあるけれど)したのと、目を開けるとそのたびに野村四郎が素晴らしい演技をしているのに起きていられない、の繰り返し。残念極まりない。


鉄輪は蝋燭能だったので余計眠くなりそうな気がしたのだけれど、こちらは大丈夫だった。暑い外から急に快適なクーラーの部屋に移行したのがいけなかったらしい。
始まる前に袴姿の若者たちが蝋燭をつけに。ライターのカチカチ言う音がちょっと興ざめ。

どうやら貴船神社に毎晩やってくる女があるらしい。神職におそろしい神託があり、その女に告げよ、と言われる。今晩も京の町中から貴船神社に―距離を考えただけで凄い執念―女がやってくる。衣を被いて顔ははっきりしないが、おどろおどろしい物言いの女。神様に何を言われても黙っていれば面倒なことにはならないだろうに、万蔵神職は考えなしに女に神託を告げてしまう。と、女の姿はみるみる変わり…。この面は遠くから見てもなんだか怖い。

女の亭主は別の女に乗り換えてルンルンだったのだけれど、ここのところ調子が悪い。有名な安倍晴明を尋ねると、晴明は顔を見るや否や「お前の命は尽きている!!」と。だが何とかしようと言ってくれる。福王和幸にそういってもらうと、強そうだし何とかなりそうな感じ。福王流の謡のほうが下宝生より強そうに聞こえるしね。

で、一畳台の前に据えた祭壇に形代の人形や髪の毛を置いて晴明が強く念じます。安倍晴明の陰陽師の映画では野村萬斎でしたが、福王和幸のほうが本来的には良かったか?(映画観ていませんが)。やることはやった、と晴明は笛座前に控えてじっと様子を見ます。

すると本当に上半身が真っ赤で頭には鉄輪にたてた蝋燭(これ、本物だったら凄いけれど残念ながら作り物)という女が。色々形代に恨みを述べたり、泣いたり。観世清河寿、もちろん仕舞や所作も良いのですが、何よりこの人の魅力は謡ではないだろうか。昔どこかの能楽講座で自ら「音痴はいけませんねー」と言っていたけれど、きっと謡以外の何を歌わせてもじょうずなんだろうな。

結局女の一念も晴明の力の前に屈して「時期を待つぞよ」と消えていく(この消え方も凄い)。そして、やったぞー、と晴明も退場。

蝋燭能、以前見た国立能楽堂の二人静のほうが暗かったし、あのくらいが良かった。舞台と橋掛かりには弱い照明がついていましたが、普段の公演でも演目によってはもっと照明を落としても良いかも、と思います。以前観世能楽堂で「証明は普段の半分にしています」という井筒を見ましたが、あれで十分。でもお年寄りのお客さんには暗いのかな。

亀井広忠、明るい水色(?)の袴。明るいところではずいぶん派手な色の袴だろうと思うのですが、暗い中ではなかなか良かった。もちろん囃子陣、良かったです。地謡も満足でした。

貰ったプリントに「演出の都合上、附祝言は省略させて戴きます。」とあったけれど、気にするお客さんいるのでしょうね。
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by soymedica | 2014-08-05 12:01 | Comments(0)

第10回国際ミルトン・シンポジウム記念行事 能 「散尊(サムソン)」

d0226702_755292.jpg第10回国際ミルトン・シンポジウム記念行事 能 「散尊(サムソン)」
2012年8月21日(火)19時 国立能楽堂
中正面3500円

サムソン 辰巳満次郎、ミルトン 金井雄資、デリラ 和久荘太郎、ミルトンの娘 石田幸雄
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 吉阪一郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 観世元伯
作 高橋睦郎、演出・節付け 辰巳満次郎、制作 橋の会事務所


国際学会レセプションの一環として作られたらしく、学会参加者と思しき西洋人が正面席にはたくさん。本当は昨年開かれる予定だったのが震災で今年にずれこんだそうです。
主催者の佐野弘子教授によると、シェークスピア学会が狂言法螺侍を上演したのを見て、「いつか日本でミルトン・シンポジウムを開くことがあったら、絶対にミルトンのサムソンを能でやって見せたい」と思ったそうで、それが実現しました。…ミルトンって失楽園しか知りませんでした。そしてそれも読んだことすら無い

最初に佐野教授の司会で高橋睦郎が制作の意図を説明。英語に翻訳していく必要があるので日本語原稿を読み上げているせいで、若干退屈だしわかりにくい。でも、後から見たら内容はほぼパンフレットに書いてあったものと同じでした。
晩年の盲目となったミルトンの書斎に夫婦と思しき老人二人が訪れる。それが実はサムソンとデリラであり、後場で回廊を破壊するところを見せる、という筋。この旧約聖書の話は良く知られていますが、ミルトンがギリシア劇に仕立てていたとは知らなかった。

さて、旧約聖書を乗せた書見台が正先に出されます。そして、杖をついたミルトン登場。ワキという設定なので直面。ここで名のり、状況説明をするのですが、ずーっとコトバなのがいささかつらい。謡っても良いような。でも、金井雄資上手い。

毎晩書斎にやってくる老夫婦が気になるミルトン。今晩こそは誰なのか聞いてみようと誓います。
そして、曲がりくねった杖をついたこれもまた盲目の老人(実はサムソン)と老婆登場。面は何なのでしょう。何となく西洋の感じのする(特にツレ)面です。自分たちがサムソンとデリラであることをほのめかして中入りします。
なぜかここで地謡後列のうち3人も中入り。足が痺れたんだろうか(笑)。

ここまで、若干台本が説明的に過ぎたかな、と私には感じられました。サムソンとデリラの話は誰でも知っているという前提で構成し、要約はアイに任せた方が。白鳥の湖みたいに、西洋にも皆が知っていること前提での筋の省略ってあるし。

さて、舞台に戻ると、その二人は盲目のミルトンには見えるけれどミルトンの口述筆記を手伝っている娘には見えない。「おお、あの二人は」とミルトンには思い当るところがあり、娘に旧約聖書のサムソンとデリラの段(士師記)を読ませる。この石田幸雄のアイが良い感じ。

地謡が戻ってきて緋色の長袴のデリラと撞木杖を持ったサムソン登場。デリラはちょっと高慢な感じのする美人。
髪のエピソードを演じ、そしてついに囚われの身となったサムソン。「なぜおれを騙した」とデリラをなじりますが、最後には彼女の言葉を信じ、祭の場に出ていきます。そしてとうとう回廊を引き倒す場面。柱を押し倒す演技のときには実際にシテ柱を押すのですが、舞台の屋根が落ちてくるわけでなし、そこだけリアルにするのは私の趣味じゃなかったです。
橋掛かりも使ったダイナミックな暴れ方です。

いつもの曲だとここで、終了となるイメージですが、もう少しやりとりがあったあと、静かにツレ、シテの順に退場。
そのあと橋掛かりをゆっくりと戻るミルトンの杖の音が印象的でした。

とても面白かったです。プロが見所から見た眼ではもう少し改善点があるかもしれませんが、ミルトン・シンポジウムを越えてこの先何回も演じられると良いな。
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by soymedica | 2012-08-23 08:01 | Comments(0)

白翔会公演 平家物語の世界

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白翔会公演 平家物語の世界
平成23年7月10日 @国立能楽堂
正面最前列真中 10000円


連吟:俊寛、藤戸

能 清経 恋之音取
シテ 坂井音雅、ツレ 坂井音晴、ワキ 森常好
大鼓 柿原崇志、小鼓 幸清次郎、笛 藤田次郎
後見 谷村一太郎、津田和忠、寺井栄

狂言 六地蔵
山本東次郎、山本則俊、山本則孝、遠藤博義

仕舞 鵺
坂井音隆

独吟 起請文
関根祥六

船弁慶 重キ前後之替、名所教、船中之語 附祝言
シテ 坂井音重、ワキ 宝生閑、子方 藤波重光、アイ 山本東次郎
大鼓 亀井忠雄、小鼓 観世新九郎、太鼓 助川治、笛 一噌康二
後見 観世恭秀、坂井音隆、藤波重彦


友人のお父様の先生のおうちの会。素敵なお父様に丁寧にごあいさついただく。
坂井音重は華やかなことのお好きな方、とのことで、豪華なパンフレットもさることながら、お弟子さんと思しき人たちもゴージャス。堂々たるロシア人軍団もきていた。(ロシア講演をやったので大使館関係者だろうとのこと。)

清経。戦闘で生き残ったにもかかわらず、待つ妻を残して自害してしまった清経。その遺髪を持って粟津三郎が人目を忍んでやってくる。(昼メロだったらここで残された妻と粟津三郎の恋愛が始まるのだが、)あくまで夫を思う妻は遺髪を見ると悲しくなるので、と遺髪を神社に帰してしまう。そこに夫の幽霊が現れ、お互いに「何で私を残して自害するの」「せっかくの遺髪をなぜ手元に置かない」と、言い合うという悲しいお話。恋之音取という小書で、笛方が地謡の前まで出て橋掛かりのほうに向かって笛を吹くと、それに合わせて清経の霊が出てくる。

囃子方も地謡も長袴。皆ああいうものお持ちなのね(当り前か)。でも、こういうおはなしなのだから、あまりしゃっちょこばったのも。全体に真面目すぎる感じが気になる。


六地蔵。地蔵を六体買おうとしている田舎者をだまそうとする詐欺師。3人で6体の地蔵のふりをしようと大わらわ。友人が「皆年寄りなのに頑張るなー」と感心。確かに。


最後は小書のたーくさんついた船弁慶。子方ちゃんに「静はこっから帰れ」と言われて悲しむ 静。実はこの静の衣装の後ろが途中で若干裂けてしまって、それが気になってしょうがなかった。シテは真面目そうな仕舞と謡。華やかなことがお好き、とのことでしたが、実は真面目一方なのでは、と思わせる舞台。

アイの船頭が相当活躍する話なのですが、山本東次郎、すごく良かったです。動きが綺麗ですね、この方。そして、ワキの宝生閑扮する弁慶。この人、他の全員を喰っちゃってました。まずいんじゃないか…。でも最後に知盛の幽霊に襲われそうになる義経を守ろうとするときは、孫を守ろうとするおじいちゃんのようであった。これもまずいのでは(笑)。

小書がこれだけついて長くなったせいか、若干焦点の絞りきれない話の感じ。もともと船弁慶の話の作りがそうなのかもしれません。子方ちゃんがあくびを噛み殺していたのがかわいかった。

さて坂井家の三人の息子のなかで誰が一番上手なのかはわかりませんが、音隆が一番華があるかな。皆ハンサムさんなのですが、どーも(ただの印象ですが)真面目すぎるような感じがしますね。

ということで、豪華絢爛な一日でありました。


世阿弥の能 堂本正樹 新潮選書
能の平家物語 秦恒平 朝日ソノラマ
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by soymedica | 2011-07-12 21:56 | Comments(0)