2017年 07月 31日 ( 1 )

第三十四回テアトル・ノウ 三笑 舟渡聟 巴

d0226702_15112920.jpg第三十四回テアトル・ノウ 東京公演
2017年7月22日(土)14時より@宝生能楽堂

三笑(さんしょう)
シテ(慧遠禅師)味方玄、子方 谷本悠太朗、ツレ(陶淵明)河村晴道、(陸修静)味方
アイ 野村太一郎
笛 杉信太朗、小鼓 成田達志、大鼓 亀井広忠、太鼓 小寺真佐人
後見 片山九郎右衛門、谷本健吾
地謡 観世喜正

舟渡聟
シテ(舅)野村万作、アド(聟)中村修一、(姑)高野和憲

(替装束)
シテ 味方玄、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、梅村昌功、アイ 高野和憲
笛 一噌隆之、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄
後見 清水寛二、味方
地謡 片山九郎右衛門


三笑のシテは味方健の予定だったものが体調不良とのことで玄に。心の底で味方健のシテを楽しみにしていたことに気づく。
藁屋が笛座前に出され、狂言口開。いかにも昔の日本人の考えた中国人、と言う感じの帽子の上に赤い羽根がのった装束の野村太一郎、なかなかいいじゃないの。幕に太一郎が帰ると、引き回しが下ろされる。
菊の花に囲まれたシテが座っている。
次の巴でも感じたことだけれど、味方玄の間の取り方って若干長いのだろうか、関東の謡と違うような気が。
次いで子方を先頭に二人のお爺さんが登場。

ここで早くも眠くなってしまう私。
はっと気付くと子方の舞が終わり、お爺さんたちがゆるゆると舞っている。
そして橋を越えてしまった慧遠禅師に気づき、皆でなごやかに顔を見合わせるのでした。

いや、寝てしまって残念なことをした…。


舟渡聟の組み合わせが万作の船頭と中村修一の聟。中村くん緊張するだろうなー。それより張り切っているのが万作。萬斎とやっているときは半分「お前に任せた」モードなんだな、というのが良くわかった。
そして中村修一、上手くなったじゃないの。前はどうなる事やらと思ったけれど。


最初に見たは宝生流の辰巳満次郎のものではなかったか。それ以来それと同じ感動を求めて見続けている私。
うかつなことにこの僧が木曽出身であることを初めて認識。安定の謡の三人組で安心して聞いていられます。
と、向こうから女が。歩みが滑るようで、どうも人らしくない。真っ白な水衣の下から鶯色の地味な着物がのぞく。さっきやっていた役柄と歩き方だけでこんなに印象を変えてしまう玄ってやっぱりすごい。
そしてまた囃子がすばらしい。

謎の女は謎のようなことを言って消えてしまう。
不思議に思った僧の一行は地元の人にいわれをたずね、ここが義仲ゆかりの粟津であるから、巴御前の霊を慰めるようにと勧められる。
高野のアイもなかなか。

そしていよいよ巴登場。
この人、長刀の扱いもとってもうまい。(まるで長刀が主人公かのように思える演技をする人が居るけれど。)
まずは蔓桶にかけて戦いの様子を。だんだん負けて、追い詰められていくんですよね。そして、義仲に自害を進める一方自分は奮戦。力自慢と言うよりはこの人、器用な武者だったのだな、と感じる。
奮戦して戻って見ればもう義仲は自害している。左の扇で形見を受けるところが綺麗。

そして、泣く泣く烏帽子を脱いで、というしんみりした場面で、なんと見所で携帯が。ちゃんと使えないのなら、携帯持つな!!!

甲冑を脱いで白一色の装いになった巴が、橋掛かりで舞台をじっと振り返るところが美しい。
やっぱり好きな曲です。
そして今回、この曲は長刀の扱いを見せるだけの曲では無く、いろんな要素が盛り込まれた見どころ満点の曲なのだな、としみじみ思ったことでした。味方玄、やっぱり好きだな。

来年は何を見せてくれるのでしょうか。



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by soymedica | 2017-07-31 22:20 | 能楽 | Comments(0)