2017年 06月 25日 ( 1 )

国立能楽堂定例公演六月 伯養 班女

d0226702_14171045.jpg国立能楽堂定例公演六月
2017年6月16日(金)18時30分より

伯養 和泉流
シテ(勾当)野村万蔵、アド(伯養)能村晶人、小アド(何某)野村萬

班女 喜多流
シテ 粟谷能夫、ワキ 殿田謙吉、ワキツレ 館田善博、森常太郎、アイ 小笠原匡
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 飯田清一、大鼓 亀井広忠
後見 中村邦生、狩野了一
地謡 出雲康雅


初めて見る演目の伯養。伯養はシテでは無くてアドだと言うところが不思議。伯養は座頭、シテは勾当(名前あったか?忘れた)。勾当の方が偉いので、杖もずーっと長いのだろうか。面白いですね。二人が盲人の大切な集まりのためにそれぞれ同じ人に琵琶を借りに行くところから始まります。紆余曲折の後、じゃあ相撲で勝った方が借りようという事に。ところが目が見えないので、それぞれ柱と相撲をとってしまう(これは能楽堂でないとできない演目ですね)。これはいかんと、今度は琵琶を貸してくれる有徳人を投げ飛ばしてしまうという…。
人間国宝も投げ飛ばされるとは楽では無い。


たぶんこれは能役者の好きな曲の一つであろう班女。狂言口開けってわりと好きなパターンです。本日の小笠原は上が茶系、下が紫。着物の裾の刺繍は何の模様なのだろうか。
この人、なかなか上手なのではあるけれど、ビナンが何となく風呂上がりのようにみえる。

戻ってこない吉田少将を思ってぼーっとしている班女。何となく最初の座り方が決まらず、そのまま倒れるかと思った。宿の長の小笠原に追い出され、「そのまま消えてしまいたいのに」と、よろよろとさがる。そのままどこかへ消えてしまいました。出だしはおや、いつもの粟谷能夫ではないな、と思ったけれど、短い時間の間に後半見事に盛り返して中入りした感じ。

さて、ここで美男の吉田登場。これははっきりした年齢が述べられていないので、ワキの誰がやっても良い感じ。あんまり若かったり華奢だったりするとちょっと違うかな、という感じがしますが。それにしてもこの最初の謡は難しそうな節回しですね。
班女を探しに部下をお使いに出す少将でしたが、「もう居ない」といわれがっかりして(?)都へ。

何だか小鼓の掛け声が主張し過ぎで今一つノリ切れない。

さて、シテの登場。全身がやつれたように見えるのはさすがの演技力。
この後場の長い謡や、やり取りが聞かせどころなのでシテ方に好まれる曲なのだろうか。
常に裏切らない喜多流の地謡も素晴らしい。
地謡に合わせて、橋掛りへ行き「そなたの空よと眺むれば」と一の松で遠くを見るところなど、シテの型はとても綺麗でした。
そしてこの面(小面)、客席から見ると三白眼のように見えます。(三白眼の美男美女って好きです。)
序の舞のところで、大鼓の掛け声が出なくなる。お風邪でしょうか。

吉田の少将が「あれはもしかして」と部下に班女の扇を持ってこさせようとする。扇を取られまいと懐に隠す班女。このしぐさがカワイイ。演じているのが男性だという事を思わず忘れてしまう。
少将は扇を渡して比べさせる。あら、同じ扇。ここの大団円、テンポが速くなったように感じられて面白い。
めでたし、めでたし、なのですが、いつもここで、「あれ、揃いの扇を作ったの?交換したんでしょ」と思う…。

最後に班女は少将と手に手を取って帰ったのでした、ではなくて先に一人で「やったぜ!」と嬉しく帰るのでした。



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by soymedica | 2017-06-25 22:19 | 能楽 | Comments(0)