2017年 05月 29日 ( 1 )

国立能楽堂定例公演五月 大般若 賀茂

d0226702_08321497.jpg国立能楽堂定例公演五月
2017年5月19日(金)18時30分より

大般若 和泉流
シテ(住持)野村萬斎、アド(神子)高野和憲、小アド(施主)野村万作
笛 杉市和、小鼓 後藤加津幸

賀茂 素働 観世流
シテ 片山九郎右衛門、ツレ 観世淳夫、ワキ 則久英志、ワキツレ 館田善博、野口能博、アイ 石田幸雄
笛 杉市和、小鼓 後藤加津幸、大鼓 亀井広忠、太鼓 小寺真佐人
後見 観世銕之丞、清水寛二

開始時間になってもまだ明るい季節になったなー。


最初の大般若はお経の名前。
施主の家で鉢合わせした住持と神子がそれぞれ読経と神楽をやってはりあう。高野のポーカーフェイスがおかしい。そのうち神楽が煩い、と言っていた住持が一緒に踊りだし…。
パンフレットによると
「『大般若経』は唐の玄奘三蔵によって集大成された六百巻に及ぶ大乗仏教の基礎経典でありこれを全巻読む”真読”が正式であるが、それは困難なので一部のみ読む”転読”を行う。このときに折本の経典を目の上まで高く弧を描くように飛ばしていくのは今も寺院で儀式の折になされている。」
だそうで、住持がこれをワキ柱、目付柱、シテ柱でやってみせます。
大した筋があるわけでは無いけれど、楽しい演目でした。

萬斎が出演する時に毎度認められる現象ですが、ここで帰ってしまうお客さんがチラホラ。九郎右衛門だって人気なんだよ…。

晩夏の糺の森を舞台にした賀茂。だからと言うわけではないでしょうが、亀井広忠が明るい水色の袴で登場。
正先に矢立台が出されます。播磨の室の明神の神職が登場。美声で清々しい感じが強調されます、
むこうからやってきた水汲みの女に矢のいわれを尋ねます。
水汲みの女は二人とも金地に波の模様の書いてある綺麗な桶を持っています。

水を汲もう、という同吟の部分で観世淳夫がちょっとついて行かないのが気になるけれど、その後のところは大分上手になったような気が。
シテの女の面はやや細面で、ツレの面はふっくらに見える。
女たちは矢の意味と神社のいわれを語って退場します。九郎右衛門の能ってなんだかオシャレな感じがします。

ここからは神職たちの夢の中でしょうか。末社之神が登場。アイが末社の能って好きなんですよね。なんだか一粒で二度おいしい、と言う感じで狂言方の舞も楽しめるし。
考えてみるとシテが九郎右衛門で、アイが石田幸雄とは豪華。

そして女神登場。こうやって天冠の下で見るとやや男っぽい印象の面ですね。観世淳夫、女神の舞もなかなか良いと思いましたが、扇の扱いが若干気になりました。
女神が舞終わるとシテ柱のところに下居するのですが、その場所を作るためにワキとワキツレの三人がごそごそ動くのが何だか滑稽。あれは予定の行動だったのか?女神が笛座前に座るのではダメなのかな。

そして幣を手にした雷神も登場。真っ赤な髪の毛に金色の飾り物をたらしています。これは素働の時につける雷をかたどった飾りだそうですが、髪の毛が赤たど以外に目立たない。
雷神の舞はさすが力強い。

なかなかに満足な一日でした。

面は前シテが増、後シテが怒天神、ツレが近江作の小面。
今回のパンフレットの解説(書いているのは山縣正幸という人)、なかなか内容が濃くて満足。


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by soymedica | 2017-05-29 22:30 | 能楽 | Comments(0)