国立能楽堂定例公演一月 難波 松楪

d0226702_15114434.jpg国立能楽堂定例公演一月
2018年1月6日(土)13時より

難波 金春流
シテ 金春安明、 ツレ 金春憲和、 ワキ 殿田謙吉、 ワキツレ 大日方寛、則久英志、 相 山本則秀
笛 一噌隆之、 小鼓 曾和正博、 大鼓 内田輝幸、 太鼓 三島元太郎
後見 本田光洋、横山紳一
地謡 辻井八郎ほか

松楪 大蔵流
シテ(攝津国の百姓)山本則孝、 アド(丹波国の百姓)山本則重、 アド(奏者)山本東次郎
笛 一噌隆之、 小鼓 住駒光彦、 大鼓 内田輝幸、 太鼓 三島元太郎


解説が無いのに、終了予定が4時となっていたので狂言と能とどちらが長いのだろう?と思っていたが、能が110分の予定になっていた(実際は2時間以上かかったらしい)。

役者たちにとっても難波は比較的遠い曲らしい。
まず、正先に紅梅の作り物が出される。
天皇の臣下が熊野三山で年を越して津の国(攝津)難波に到着。梅が名木であるのでいわれを聞こうと言うと、おりしも若い女と大口の翁(右手には箒)が登場。なぜか女は楓模様の着物。なんだか紅葉狩りみたいね、とこの辺の装束の約束事が全く分からない私。

出だし、囃子方の大小の息が合っていないような気がしたのだけれど、この辺からは安心。翁と女は橋掛かりで謡うのだけれど、親子の訳者で声質が似ているために一瞬どっちが謡っているのかわからなくて面白い。
後見の本田、暇そう。

「難波津に咲くやこの花冬ごもり、今は春べと咲くやこの花」の歌にかけて、仁徳天皇の即位のお話が延々と語られます。ところどころ聞いた記憶のあるようなエピソードもあるのですが、何せ語られない部分も多く、詞章を見ていても良くわからない。でも、地謡が綺麗。地謡陣が若いのは遠い曲で覚えるのが大変だから???

女と老人はそれぞれ花の精と仁徳即位を勧めた王仁だと明かして消えます。
そこに、梅の精が。面はうそふきかな。笛を吹きます。吹いているのはもちろん囃子方で、「おや、音が後ろから聞こえてくるような」と言って笑いを取るのはお約束。

アイが帰った後、ここで後見が梅の作り物を引きます。プログラムの写真では後シテと梅が同時に写っているので、そういう演出もあるのでしょうか。
ともあれ、木花開耶姫と王仁登場。王仁は一の松で蔓桶にかけています。姫は舞台に入って天女の舞を。この御姫様は目の小さなちょっと変わったお顔ですね。

次いで王仁の舞。「楽」と言うらしい。とても立派な鳥兜をつけていますが、これをつけると全体に下を向いているように見える上にだんだんかぶとが面にかぶさってくる。後見が神経質に何度も直します。
この「楽」もまた長い。そしてハコビが面白い。

木花開耶姫も王仁も、何となく舞が地味。観世流を見慣れているせいですかね。
そして地謡がおめでたい文句を連ねて終了。
王仁の舞の時にワキ柱のところに座っていた姫が立って帰ると、そこにワキがもぞもぞと詰めます。何かするのかなー、と思っているとただ立って帰るだけ。やっぱり定位置から引っ込むというのがお約束なんでしょうか。

長かったー。でも、もう一度観ても良いかな。

面は前シテの老人が小尉、後シテの王仁が鷲鼻悪尉、ツレは前ツレの女と後ツレ木花開耶姫が増。

伊藤正義「謡曲入門」(講談社学術文庫)に詳しい解説があります。

え、松楪はどうしたかって?ごめんなさい、ほとんど寝てしまって肝心のところが観られませんでした。これもおめでたい舞の曲だったらしいのですが…。

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by soymedica | 2018-01-08 18:03 | 能楽 | Comments(0)
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