第二回和氣乃會公演 一角仙人

d0226702_09181933.jpg第二回和氣乃會公演 能とお酒の饗宴
2017年9月21日(木)18時45分より@宝生能楽堂

お話 石井かほり

舞囃子 松尾 和久荘太郎

寝音曲 
シテ 山本則俊、アド 山本則秀

一角仙人
シテ 観世喜正、ツレ 鵜澤光、子方 御厨可也子、馬野桃、ワキ 御厨誠吾、ワキツレ 大日方寛、館田善博
笛 松田弘之、小鼓 大倉源次郎、大鼓 國川純、太鼓 林雄一郎
後見 小田切康陽、永島充、松山隆之
地謡 山崎正道ほか計6人


御厨誠吾の和氣乃会。今回はお嬢さんも大活躍できる一角仙人です。私、この演目好きなんですよね。
まずはお話からですが、無くても良いんじゃないかなー。

舞囃は宝生流の若手第一人者と私が勝手に思っている和久荘太郎。松尾ってどうやら脇能みたいですが、宝生流にだけある曲らしいです。

則俊、則秀の寝音曲。ラジオやレコードの無い時代、謡の上手い太郎冠者を召抱えていたらそれはそれは便利だと思われ、太郎冠者の方はそんなお役まで押し付けられてはかなわないと。主人と太郎冠者の攻防。
この二人で見るのは初めてだと思いますが、面白い。見所はどちらかと言うと「寝音曲なんて何回も観た」という見巧者が多い雰囲気だったけれど、思わず笑うお客さん多数。


一角仙人は子方がかわいらしく、好きな演目。
仙人のいる萩屋は引き回しをかけてワキ座近くに。大小前の一畳台に岩がおかれます。
一角仙人が雨を降らせる龍神をみんな岩屋に閉じ込めてしまって雨が降らない。それを憂えた帝が美しい旋陀夫人に仙人をかどわかして神通力を奪うように、と山奥に行かせます。

今回地謡は6人なんですが、何となく湿った感じの謡い方。
それにしても鵜澤光って声がお母さんにそっくり。
二人の輿舁をつれて山奥へ。
仙人発見。

一角仙人というのは修業を積んだ人、というより獣との混血で超常的な力のある人、という設定なのでしょう。角もあるし。なにせ、元のお話には(昔はアイ語りがあったらしい)ある仙人が修行中に鹿の交合を見て思わず精をもらし、それがついた草を食べた鹿が孕んだ子が一角仙人、とあるそうですから。

まんまと仙人を誘い出すのに成功した旋陀夫人。その美しい舞をみて、ちょっと酔っぱらった一角仙人は一緒に舞います。前回観た時にはシテが山本順之でしたが、今回は観世喜正。かなり体格も年齢も違って、舞の表現が違って面白い。
二人が待っている間、ボディーガードの御厨誠吾は定座に安座。

この二人の舞の最後のほうで、岩が相当に揺れます。どうやら岩の中の子方は最初からフルの装束を着けてくるわけでは無く頭は岩の中でつけることも多いらと聞きます。揺れているのはそのせいでしょうか。後見が助けに立ちます。舞台上で後見がなにやらひそひそ打ち合わせするのを見るのは初めて。

輿舁は囃子方の後ろにいたのが橋掛かりへ。仙人が酔っぱらって寝てしまうと、夫人も御伴の御厨も退場。ここからはちびっ子たちの見せ場。

元気よく岩山から飛び出すと、悪い仙人をやっつける可愛い龍神。
これには見所のお客様も大喜び。
映画やTVは「子役と動物」に食われると言いますが、能もかな。


能を堪能した後は、木下酒造の杜氏フィリップ・ハーパーさんと、御厨誠吾、そして最初にお話をした石井かほりさんの鼎談で終わったのでした。
お土産は写真に撮った小さなお酒。
これ、演能前に味見させてくださったのですが、あそこで4合瓶売っていたら嬉しかったのにな。


山本東次郎著の「狂言のことだま」玉川大学出版部に、この一角仙人のアイ語りについて書かれています。どうも仙人に危険が迫っているのを警告するような内容だったらしいです。それも観てみたい。


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by soymedica | 2017-10-02 17:37 | 能楽 | Comments(0)
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