能楽BASARA 第二章Ⅳ 神々の在りますところ (三輪ほか)

d0226702_08413194.jpg能楽BASARA 第二章Ⅳ 神々の在りますところ

樋の酒 
太郎冠者 野村萬斎、 次郎冠者 高野和憲、 主 竹山悠樹

解説 神聖と穢れ 三輪をめぐって  林望

仕舞 高砂 観世喜之

三輪 白式神神楽
シテ 駒瀬直也、 ワキ 森常好、 アイ 深田博治
笛 武市学、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 佃義勝、太鼓 観世元伯
後見 観世義之、奥川恒治、遠藤義久
地謡 関根知孝ほか

都合が付けばなるべく見たいと思っているこの人の公演。ここ数年はなかなか見る機会がなかったので久しぶり。
チケットを買う時に奥様(?)に「そこのお席の見え方はご存知ですか?」とインタビューされてしまった。凄く感じの良い方。おそらく駒瀬自身の舞台と客に対する姿勢が家族にも伝わっているのでしょうね。

まずは万作家の樋の酒から。安心して観ていられるメンバーで、曲の中心となる謡も良かったのだけれど、なんだかテンポが速くないか?そんなことないのかな???

ついで林望の解説。高価そうな袴姿についついじろじろと。解説のほうな何となく起承転結のはっきりしない話だった。三輪の神は男か女か…。女のもとに通ってくる蛇神様なら、男だけれど、能では女だし、と言ったお話。

観世喜之の仕舞のあと、いよいよ三輪
杉小屋の作りものが笛座前に斜めにおかれる。白式以外の時には大小前におかれるらしい。
森常好の玄賓僧都登場。いつも通り素敵な謡、素敵な所作ですが、何となく迫力がなくなったような。毎日来る綺麗な女性に名前を聞こう(今回の詞章では住みかを聞く)と、つぶやく。林望の解説にもありましたが、住みか聞いてどうするんでしょうね。そんなことして良いのだろうか。

と、そこにその女登場。左手に水桶、右手に数珠。紅の入らない地味な装束ですが、なかなか素敵。かなり長いこと橋掛かりで後ろ向きに謡うのですが、詞章ははっきり聞こえます。そしてなんといっても後ろ姿の佇まいが素敵。
僧とかわす問答が教養高く美しい。確かに何者なのだろう。
で、いきなり寒いから衣くださいと、女は僧に頼む。普通だったら逆でしょ?
ここまでの話、僧は女の魔術にかけられて操られているのかな。

と思っているうちに女は作りものへ。深田のアイも良いな、と思っているうちにうとうとしてしまった。残念。

はっと気付くともう森の玄賓僧都はさっき与えた衣のかかっている家に着いている。
女の美しい声が中から聞こえてきて、僧はうっとり。

引き回しがおろされると小屋は青竹で作られていて、半分程度白いぼーずが巻かれているという清々しい作り。素敵です。
白式なので、白一色の姿に榊の枝を持っています。髪型が面白くて、後ろで髷に結っているように見えました。
そして、前場ではあまり意識しませんでしたが、地謡が綺麗。女神にふさわしい謡です。詞章自体は凄く説明的なのですが、それが気にならない美しさ。

何だかシテも地謡もきれいだなー、と思っているうちに神楽が始まります
この神楽もいかにもすがすがしい舞で、舞っている駒瀬本人が楽しんでいたのでは無いでしょうか。
橋掛かりまで大きく使ったダイナミックな演出で楽しめます。
榊を扇に持ち替えて、天照大神との関係を謡った後、女神さまは帰って行くのでした。
そしてそれをみた玄賓僧都は思わず合掌して見送る。

今回も良かった。
また来年、良い日程でやってくれると良いな。

ところで、
宝生流では後シテが男神の場合もあると聞きましたが本当でしょうか。



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by soymedica | 2017-08-24 17:54 | 能楽 | Comments(0)
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