国立能楽堂普及公演六月 舟渡聟 半蔀

d0226702_11502616.jpg国立能楽堂普及公演六月 
2017年6月10日(土)13時より

解説
「半蔀」のドラマトゥルギー 夕顔巻からの反照 河添房江

舟渡聟 和泉流
シテ(聟)野村又三郎、アド(船頭)松田高義、(船頭の妻)奥津健太郎

半蔀 金剛流
シテ 今井清隆、ワキ 大日方寛、アイ 野口隆行、笛 藤田次郎、小鼓 幸清次郎、大鼓 山本哲也
後見 広田幸稔、今井克紀、工藤寛
地謡 金剛永謹ほか

解説がこれはなかなか面白かったのだけれど、そして国立にしては珍しくハンドアウトまでくれたのだけれど、一週間たつとほとんど忘れている。これじゃあ解説する方もむなしいでしょうね。
まあ、覚えているところは、夕顔というのは枕草子でも「花は良いけれど、実はちょっと」などと書かれており、高貴な朝顔に比べて庶民的な花の象徴だということ、夕顔の白は源氏物語の中ではエロチシズムの象徴の色でもあること、とか。
肝心の「心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕がほの花」の解釈については私の記憶の混乱が…。これは解釈が何通りかあるそうですよ。そして原作(源氏物語)では夕顔から源氏に歌を詠みかけているのですが、これはちょっとルール破りで、円地文子などによると「夕顔の遊女性」を示したものだと解釈されているとか。ところが能では歌を詠みかけるのは源氏であって、この夕顔の「心あてに…」の歌は採用されていないのだそうです。そして、能の純な夕顔は、今でも源氏をしたって半蔀の影でこの世をさまよっている。
…といったお話だったような…。


舟渡聟は好きな演目なのだけれど、ついウトウトしてしまった。別に演者が下手とか言うわけではありません。聟が酒樽だけでなく派手な鯛も担いでいて(ぬいぐるみかな)、華やかだったのに。

本当に作り物が可愛らしいのですよ、とシテ方能楽師が自慢する半蔀。初めて観る演目です。
名乗り笛で僧とアイ登場。僧は真中で念仏してから、ワキ座へ移る。後から考えるとこのワキ僧の大日方の端正な感じがこの曲にピッタリ。法事に使った花も供養すると言う所がいかにも仏教的。
すると、花の影から綺麗な女の人が現れる。夕顔の花、五条、などと謎めいた言葉を残し、女は消えてしまいます。

里人に五条へ行くことを勧められた僧が着くと、何やら由緒ありげな家が。(ま、実際には紺の引き回しをかけた小宮が運び出されるのですが。)中から女の声が。ここ、シテが実際に謡う所もあるのですが、地謡が謡う所も。その地謡がとても素敵。途中で引き回しが下ろされると、金銀の小さな瓢箪と花が飾られた半蔀が。
女は葛桶に座って向きを変えるのですが、この所作がとても優雅。

そして女は家から出て序の舞を。このとき後見が後ろから半蔀を棒で押し上げるのですが、そうすると、瓢箪と花が向きを変えて垂れ下がり、可憐。
もうここから先はあらすじを追う世界では無くて、ひたすら舞の優雅さと後ろの作りものの美しさを愛でるのが正しいでしょう。残念なことにシテのハコビが若干優雅さにかける所がありましたが。

そして最後に女はまた家に入って行くのです。(最後は出て終えていました)。

面は友閑作の小面。



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by soymedica | 2017-06-20 21:34 | 能楽 | Comments(0)
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