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銕仙会青山能三月 昆布売 玉鬘

銕仙会青山能三月 昆布売 玉鬘_d0226702_19103270.jpg銕仙会青山能三月
2017年3月29日(水)18時30分より@銕仙会能楽研修所

仕舞
田村 クセ
小早川修
花月 キリ
鵜澤久

昆布売
シテ(昆布売)山本凛太郎、アド(大名)山本泰太郎

玉鬘
シテ 長山桂三、ワキ 則久英志、アイ 山本則重
笛 藤田貴寛、小鼓 田邊恭資、大鼓 大倉慶乃助
後見 浅見慈一、西村高夫
地謡 馬野正基ほか6人


今回は珍しく仕舞からみられました。鵜澤久、素晴らしい。が、地謡が何とも…。何とかしたほうが良いと思う。


バカ殿狂言の昆布売。何回か見ているけれど、昆布が真っ黒なものと、ちょっとざらざらした感じで茶色がかったものと色々ありますね。
この二人は安心して楽しめる組み合わせ。
そして、女性はお年頃になると急にきれいになると言いますが、凛太郎も急にかっこよくなってびっくり。
見所に日本語が全く分からないと思われる西洋人のグループがあちらに数人、こちらに数人。結構楽しんでいるようでした。
通りがかった人に自分の武器を預けちゃう平和な日本、と思ったことでしょう。


さてさて期待の玉鬘。斜め前の男性がiPhoneで詞章チェック。これ、ほかの能楽堂でやったらわけのわからんおばさんに文句言われそう。
ワキの僧は、石上、三輪神社から長谷寺に向かっているらしい。タクシーの運転手さんが「山野辺の道を歩かれるのなら石上から南が良いですね」と言っていたけれど、昔はどんな道だったのでしょう。
大鼓、張り切りすぎ。
やれやれ、初瀬川に着いたぞ。と一息入れていると女が小舟に乗ってくる。

卵の黄身のような色の装束を着けた女は右手に棹を。女性の面の下から男性の声が出てくるのに登場後しばらく違和感を感じるときと、全く感じないときとあるが、今回は「ああ、きれいな女性が一人やってきた」と違和感なく受け入れられる謡。
美人である。
秋の初瀬川の情景を地謡が謡いつつ、二本(ふたもと)の杉へ。ここで棹を落とすのかと思ったら、後見がすっと取る。

この後玉鬘はずっと座っているのだけれど型がきれい。ここの地謡、なかなか言葉が難しいです。これはアイ語りが必要だわ。
アイを聞くと、玉鬘は九州からの船旅の無事のお礼を祈りに来たのらしい。

そしてワキ僧が玉鬘の霊を待っていると、いよいよ登場。
ここの「恋ひわたる身はそれならで玉鬘」の一声で見所の注意を一気に引き付けるシテはやっぱりただものではない。
「九十九髪」のところで足拍子を踏むのだけれど、その足の上げ方にまで神経が行き届いている。

カケリも美しい。もう少し長い曲でも良かったのにな、と名残惜しい終わりでした。
本当に堪能しました。ご本人はいささか不本意なところがあったとツイートしておられましたが、楽しかったです。

地謡も若手でしたがきっちり。
囃子が若干…。小鼓は安定感ありましたが、笛と大鼓は良くなったな、と思ったら崩れたり。

面は前シテが若女(北沢耕雲)、後シテが増髪(伝 近江)。


最後は観世淳夫の解説。この人、皆に愛される良い人、という感じが全身から滲み出ています。でも、お話は苦手みたい。苦手な人はどんな短い話の時でも原稿作って何回か練習すると良いですよ。


by soymedica | 2017-04-05 11:01 | 能楽 | Comments(0)
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