銕仙会定期公演三月 文蔵 当麻

d0226702_08283894.jpg銕仙会定期公演三月
2017年3月10日(金)18時より@宝生能楽堂

文蔵 
シテ 野村萬、アド 野村万之丞

当麻
シテ 観世銕之丞、ツレ 西村高夫、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 大日方寛、野口能弘、アイ 能村晶人
笛 松田弘之、小鼓 大倉源次郎、大鼓 亀井忠雄、太鼓 小寺真佐人
後見 浅見真州、浅見慈一
地謡 浅井文義ほか


調べると意外に何回も見ている文蔵。前回も萬で見た。
シテの主人が源平盛衰記を語って聞かせるところが目玉なのだけれど、この主人は最後に「手間をかけさせおって!」と太郎冠者を怒る。なんだ、本当は聞かせたかったのじゃないのかな?
そして太郎冠者は主人が語っているときに皆退屈そうな顔をしている。だから、別に聞きたいわけでもないらしい。
不思議な狂言ですけれど、萬の語りをたっぷり聴いて満足。


本日の当麻は本来は小書き「二段返」(太鼓方が重要となる小書き)が付く予定で、太鼓が観世元伯だったのだが、何と入院中とのことで太鼓は小寺真佐人に。そして小書きも無くなりました。

今回、詞章(新潮社)をコピーして持って行ったのですが、それとかなり道行きが違うのにびっくり。
僧の一行が待っている所に綺麗なお嬢さんと年取った尼さんがやってくる。どうもこの年取ったほうが中将姫というのがピンとこない(まあどっちでもいいけれど)。
出だしのシテとツレの謡が仏法のありがたさを謡ったものなので、ちと退屈。
遠目に見て、あれ、銕之丞痩せたかなと思ったけれど舞台に入ってくるとやっぱり前後の厚みが凄い。
特筆すべきはツレの謡のうまさと型の美しさでしょう。
クセの地謡もきれい、なーんて思っているうちに年寄りの尼は杖を捨てていなくなってしまったのでした。

アイ語りがなかなか良かった。曼荼羅の軸にするものがないなー、と思っていたら一夜のうちにおあつらえ向きの竹が生えてきてそれを使ったのだそうだけれど、それを一夜竹というんだそうな。

さて後半。これは天冠を頂いた天女(正確には菩薩となった中将姫)が登場。声も体も太すぎるな、と思っていると、天女は浄土経をワキに授ける。
まあ、それで早舞を舞ったりするわけなんだけれど、大鼓がどんどん調子を崩してくるような…。「小鼓がんばってらしたわねー」とホールでおばさまがおっしゃっていたけれど、松田の笛の頑張りも半端じゃない。
囃子が崩れるのに気付くと、何だか謡も…。
亀井忠雄にしてあんなことがあるんですねー。無理せず長くやってほしい。

面は前シテが姥(堀安右衛門)、後シテが増女(是閑)、ツレの小面は銘「閏月」(作者不詳)


ところでところで、終わった途端に見所に鳴り響く大声。
どうやら脇正面で写真を撮ろうとしていたオヤジがいたらしく、それを後ろの席から注意したオジサンがいた。ところががやめないので、最初は肩をたたいていたけれど、最後は頭をたたいた、それに写真オヤジが逆切れってことらしい。
出口のところで銕仙会の人の前でも揉めていたのだから、二人を引き離すなりなんなり主催者はちゃんとコントロールすべきだと思うけれど、少なくとも数分は皆あぜんと立ち尽くしていた(笑)。最後、どうなったんだろう。

今日は観世元伯の病気に始まってけんかにおわる物凄い日でした。

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by soymedica | 2017-03-16 08:32 | 能楽 | Comments(0)
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