銕仙会定期公演二月 賀茂 痩松 箙

d0226702_14235997.jpg銕仙会定期公演2月
2017年2月10日(金)18時より@宝生能楽堂

賀茂
シテ 鵜澤光, 前ツレ 青木健一、 後ツレ 観世淳夫、 ワキ 則久英志、ワキツレ 梅村昌功、野口能弘、アイ 高野和憲
笛 藤田次郎、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井実、太鼓 大川典良
後見 観世銕之丞、鵜澤久
地謡 西村高夫ほか

痩松
シテ(山賊)石田幸雄、アド(女)中村修一

シテ 浅見慈一、 ワキ 大日方寛、 ワキツレ 館田善博、野口琢弘、 アイ 竹山悠樹
笛 栗林祐輔、小鼓 古賀裕己、大鼓 柿原弘和
後見 浅見真州、馬野正基
地謡 浅井文義ほか


昼間は小雪が舞っていたけれど、夜には上がってしまった。
切符には余裕がございます、と言う割にはほぼ満席に近い宝生能楽堂。

この寒いのになぜ賀茂かな、と思うけれど、まずは正先に作りものが出されて、室明神の神職が兵庫県からやってきます。この出だしの謡が清冽な雰囲気を出していて上手。はるばる賀茂神社まで来てみると、白羽の矢が立っている。あれは何だ、と言いあっていると二人の女性がそれぞれ水桶を持ってやってくる。
ツレの装束がブルー系の地色でちょっと珍しい。シテはオレンジ系。

実はちゃんと本日のシテは鵜澤光、とわかってきているのに謡を聞いたら何となく鵜澤久だと勘違いしてしまった。そして後から貢献に入った久を見て、「あれっ」。親子って、声が似ますからね。
そして女たちは矢のいわれを語り、自分たちの正体をほのめかします。
中入りのところでくるくるとまわる姿がきれい。
今改めて詞章を見ると、前場は結構長いのですが、その長さを感じさせないシテ、ツレ、そして地謡でした。

そこに賀茂社の末社の神が出てくる。このアイが末社の神、っていうのが結構好きなパターンです。
ワキ僧の夢の中に出てくるわけなので、アイが僧に向かって話しかけても全くワキは反応せずに独り言になるのも面白い。
高野はアイも軽々とこなします。

天女登場。この天女は美人です。
謡はいつものごとくいつもの様ですが、観世淳夫、舞や所作は上手くなったのではないだろうか。

そして別雷神のシテが。これが中々カッコイイ。下居して袖をかずく型があるのですが、とても力強い。お稽古をしている人は「やってみたい」と思うのではないだろうか。

鵜澤光って地謡につまらなそうな顔をして座っている所を見ると、小柄な普通の女性ですが、ご本人の技量十分なうえに、舞台上でツレの力量を引き出す才能がありそうな。期待しましょう。

面は前シテが増女(堀安右衛門)、後シテが大飛出(出目満照)。
前ツレは小面(西村雅之)、後ツレは万眉(近江)


人相の悪い山賊登場。痩松というのは山賊の符牒で、収穫の無かった時のこと。あったときは肥松。そう言う説明をする山賊。痩松を嘆いていると、大荷物を持った女が夕暮れの道をやってくる。
この女からまんまと色々せしめたと思うのに、逆に身ぐるみはがれてしまう哀れで間抜けな山賊という石田が上手い。


今まさに梅のさかりなので、。生田川についたお坊さんたち。あまりに綺麗な梅に、「これは?」と地元の人に尋ねる一行。浅見滋一って50過ぎていると思うけれど、凄く若く見えます。素袍白大口といういで立ちなんだそうですが、その素袍が茶の唐草模様の裾に水色の水のデザインが入っているというもの。好きな色合わせでは無いけれど、よく似合います。

里人は「これは箙の梅と言って、梶原景季が一の谷、生田の合戦で箙にさした梅なのだ」と教えます。合戦を物語るときに正中に座っている姿がとてもきれい。
地謡が揃って聞きやすい。全列はさっきとあんまり変わっていないメンバー。囃子はちょっと賑やか過ぎるかな。

そして里人は自分は景季の幽霊だと言って去っていきます。

竹山のアイ語り、寝ていたわけではないのだけれど、あんまり印象に残らなかった。失礼。
私の席から見ると、ワキとワキツレの水衣と頭巾の色合わせがきれいだなー、とぼんやり見ていました。

そして、景季の幽霊が。背負っている梅は白梅です。現在生田神社にある梅はピンクがかった白らしいです。ただ、色々な演能写真を見ると、紅梅を使うこともある様ですね。

きびきびとした所作と若々しい地謡で戦いの様子を見せて行きます。シテは「巧み」、という感じがしますが何となくスケール感に欠けるような。一曲目の演者が若者でしたからそう感じたのでしょうか。

後シテの面は平太(近江作)。

初めから終わりまでなかなか質の高い演技が楽しめた本日でした。

写真は上賀茂神社の御手洗川


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by soymedica | 2017-02-17 08:50 | 能楽 | Comments(0)
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