国立能楽堂普及公演九月 伊文字 玉鬘

d0226702_17482052.jpg国立能楽堂普及公演九月
2016年9月10日(土)13時より

解説 「玉鬘」の狂相と悟り 西村聡

狂言 大蔵流 伊文字
シテ(女、通りの者)茂山逸平、アド(主)茂山茂、アド(太郎冠者)茂山千五郎

能 玉鬘 観世流
シテ 浅見重好、ワキ 飯冨雅介、アイ 茂山宗彦
笛 寺井義明、小鼓 幸正昭、大鼓 白坂信行
後見 武田尚浩、野村昌司
地謡 岡久広ほか


解説の西村先生はいかにも真面目な感じ。源氏物語にそって、玉鬘の解説をきちんとなさいました。狂言の解説もかなり意識していらっしゃいました。どちらにも観音様が登場するのですが、「申し妻」「申し子」と言うのは、「観音様にお願いして授かった妻・子」と言う意味だというのは初めて知りました。
玉鬘が女一人で舟を操って川をさかのぼって登場するのは、玉鬘の人生を象徴しているのではないか、などのお話も。


狂言は伊文字。なんだ、千五郎がシテじゃないんだ。逸平、熱演でしたが。
同じ大蔵流でも東次郎家とちょっと型が違うような。



玉鬘。源氏物語ではわき役に近いものがありますが、印象に残る女性ですよね。
ワキ僧登場。トボトボあるくいかにも田舎の旅の僧。謡も曲趣に合っていて優しく主張しない。ふと気付くと岩の多い川を船でさかのぼってくる女が。
寂しげな女、というより何だか真面目な小学生のようなきちんとした女。着付けのせいだろうか。謡は成人女性風なのに姿がミスマッチ。多くの男性をひきつけることを苦にしていたという玉鬘。装束は目立たない紺と水色の地味なもの。竿を手にすーっとやってきます。

僧の無害に見える様子に安心した女は一緒に長谷寺にお参りすることに。道々玉鬘と長谷寺の関係を話します。
地謡も素敵だし、地味なワキが良い味を出しているのですが、どうも玉鬘のきちんとしすぎている感じが…。

茂山宗彦のアイ語り。最初、元気良すぎ!と思ったけれど全体の流れからはあのくらいのテンションの方が良いのかもしれない。

さて、後シテ。脱下げというのだろうか、肩脱ぎして、一筋髪が垂れている(力毛というとどこかで聞いたことが)。そして面も前シテとはガラっと変わっている。こちらの方がいで立ちが躍動的なのはもちろん、動作や謡も惹きつける。浅見重義の良さが出ています。
前シテとの対比が面白い。

地謡も生き生き。囃子がちょっと。御調べの時から笛がわたしの好みでは無いかも、と思ったのですが、やっぱり…。大鼓もタイプではないなー。小鼓は安心して聞ける幸正昭でしたが。

でも大筋満足できる舞台でした。

面は前シテが小面、後シテが友閑作の十寸髪。
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by soymedica | 2016-09-15 17:52 | 能楽 | Comments(0)
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