銕仙会青山能5月 文山賊 東北

d0226702_8385398.jpg銕仙会青山能5月 
2016年5月25日(水)18時30分より

仕舞
杜若 クセ 鵜澤久
敦盛 キリ 北浪貴裕

文山賊ふみやまだち
シテ 高澤祐介、アド 三宅右矩

東北
シテ 鵜澤光、ワキ 館田善博、ワキツレ 野口能弘、森常太郎、アイ 前田晃一
笛 一噌隆之、小鼓 鳥山直也、大鼓 佃良太郎
地謡 柴田稔ほか計6人


満席。膝が痛くて正座の席は困る、というお年寄りが数人ぶつぶつ。この能楽堂初めての人のためにはそういう注意も前もってしておかないといけないのかもしれない。
なぜか最前列で双眼鏡で何事かをのぞくおじさん。装束でも見ているのかと思ったけれど、囃子方を見ているようにも見える。おけいこしている人かな。
最前列で補聴器を鳴らすおじいさんが…。後者には注意してほしいものです。本人は気づかないでしょうから。


文山賊、二人ともノッていました。こういう演目は、演者が楽しんでやっているとこちらも楽しい。
狂言の小品はこのくらいの大きさの舞台が見やすいし楽しいですね。


東北は筋だけ読むと何が面白いのか、という作品ですが、これが舞台にかかると風情があります。
東国からやってきた僧の一行 ―東国と言ってもそんなに遠くからでは無いような印象ですが― が東北院で綺麗な梅に気付きます。地元の人がこれは「和泉式部という名前だ」と教えてくれます。そんなに丁寧に教えたわけでもないような気がしましたが「ねんごろにお教えいただき」と感激してまた梅を眺めます。
館田一行の謡って何となくそのまま洋楽の譜面に移せそうな感じがして面白い。

と、そこに美女が一人。本日は母上が仕舞をやった後なので、あまりに声が似ているのに気づいてびっくり。女性は梅の正しい名前(好文木あるいは鶯宿梅)を教え、また「これは和泉式部が植えて軒端の梅として眺めていたものです」、と教えます。現代だったらこういう事を言う人はおばさんに決まっている、と思ったらちょっと笑ってしまいました。
東北院の西には和泉式部の寝室も残っているらしい。

そして、女性は「私こそ梅の主」と言って消えてしまいます。すると、さっき梅についてちょっといい加減なこと(たぶん地元の人たちはそう信じていたのでしょうけれど)を言ってしまった門前の人が出てきて、和泉式部の事を教えてくれます。
ところで、囃子方がくつろぐとき、小鼓は笛の方を向いていたのですがいつもそうでしたっけ?いつもは大小が向かい合っていたような。

一行が待っているうちに和泉式部の霊が現れます。長絹は紫の地に藤の模様。梅の模様では曲との重なりが煩いし、デザインも難しいかも、と思いながら見ました。
後半。謡にはまあいろんな説明や理屈も織り込まれているのですが、メロディーと舞を楽しむという趣向。
前半ちょっと重かった大鼓は調子を上げてきましたが、惜しむらくは笛が苦しくなってしまった。

でも、そんなことがあってもこのシテ、とても良かった。舞の途中で静止した姿勢が良いのと、動きにタメがあり、目に心地よい。
前に銕仙会で胡蝶を観た時より数段良いと思う。単に演技が会場の大きさに会っていると言うだけでなく上手になったのだな、と思って調べたら前回は2012年。4年も前でした。
ファンになりました。


面は 都築港の若女
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by soymedica | 2016-05-31 08:40 | 能楽 | Comments(0)
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