桑田貴志 のうまつり 悪太郎 鉢木

d0226702_16453934.jpg桑田貴志 のうまつり
2016年5月21日(土)@宝生能楽堂
カンフェティ席5500円

仕舞
実盛 観世喜正
景清 観世喜之

狂言 悪太郎
シテ(悪太郎)野村萬斎、アド(伯父)深田博治、小アド(僧)中村修一

鉢木
シテ 桑田貴志、ツレ 小島英明、ワキ 森常好、ワキツレ 森常太郎、アイ(二階堂の下人)高野和憲、(早打)飯田豪
笛 一噌庸二、小鼓 幸正昭、大鼓 亀井広忠
後見 奥川恒治、鈴木啓吾
地謡 観世喜正ほか


切符をいただいたので行ってきました。天気も良いし、水道橋まで行くのは面倒、と思っていましたが、行って良かった。
でも、悪太郎は疲れていたので後半寝てしまった。ごめんなさい。萬斎と深田みたら、良いかな、と思って…。


鉢木は地味だけれど好きな演目。パンフレットには桑田の写真が使われていてこの人ビジュアル的にどうよ、と思っていた(失礼)のだけれど、会の最初の挨拶に出てきたお顔を拝見したらきりっとした感じ。曲が始まってからもなかなか良い感じの方でした。写真が良くないのか、動いているときの方が良く見えるタイプなのか。

ま、それはともかく、貧乏な常世の妻が出シ置で座っている。茶系の縦じまの着物なんですが、縦じまって装束としては珍しいような気がする。顎の細い面で、面の色が濃いのかツレの小島が色白なのか、あんまり面と肌色の差が無い。

そこに旅の修行僧とは言え、なんだか恰幅も良いし、声もよろしいお坊さんが一夜の宿を借りに来る。外は大雪だし妻としては泊めてやりたいけれど、僧侶とはいえ主人の留守に勝手に許可するわけにもいかず、「お帰りをお待ちください」と。そこで僧は囃子方の後ろで待つことにします。

ふと気が付くと常世が一の松で「ああ降ったる雪かな」と。とても重要でとても有名な言葉なので、シテもちょっと緊張気味。
雪の中を妻が「お客様があるのですが」と迎えに行く。
この曲を語るときに、「妻」については誰も解説しませんが、この人、とても良い人なんだろうなー。

常世は、泊めて差し上げたくはあるけれどこのあばら家には、とお断りします。食事にも事欠く毎日でお客がくるとまた大変だから、という気持ちもあるのでしょう。
この夫婦、ふたりとも気の毒な僧を泊めてやりたいけれど、お互いを思いやって断ったのではないのでしょうか。

でも、やはりこの大雪、夫婦の心は一致して泊めてあげようということになり、常世は追いかけて呼び戻します。
「駒とめて、袖打ち払う影も無し さののわたりの雪の夕暮」
この「さの」は上野国ではないのだという事を、今日せりふを聞いていて初めて知りました。

夫婦は粟を炊いて僧をもてなします。ここで邯鄲の話を持ち出して教養高いところを見せます。
いよいよ盆栽を薪にするために持ち出します。松の盆栽ですが雪の細工が今一つ。
大切な、梅、桜、松を切って薪に。驚く僧に、「来ていただいたおかげで私たちも火に当たれます」と。
しかし、薪というものは入会地でだれでも取れるのかと思いましたが、それは百姓だけの特権なのでしょうか。その辺のことも勉強してみたいな。

驚いたことにここで初めて常世は名前を聞かれます。この辺も民俗学的に面白いところかもしれませんね。ここまで落ちぶれても、鎌倉殿のために馬を飼っているというのが凄い。
僧はもてなしに感謝して旅立っていきます。また鎌倉でお会いするかもしれませんね、と。

アイが最明寺殿が武士に召集をかけていることを語ります。

森常好の時頼、凄く豪華な出で立ちです。
そして痩せ馬にのった常世登場。いかにも痩せ馬に乗った感じ。ドン・キホーテを連想しましたが、桑田、上手ですねー。
でも、貧乏侍の割に、持っている長刀が先の悪太郎よりも立派。長刀がかぶらない演目の方が良かったかもしれません。

時頼は「みすぼらしい武士を探して来い」と命令。これ、時頼が二階堂に、二階堂が家来に、という伝言ゲームが毎回笑えます。

常世は覚悟して御前に。時頼のお褒めの言葉がとても良かった。やはり森は上手い。書付を投げ与え、感動した常世はそれを皆に見せます。
めでたしめでたし。

おめでたい演目ではありますが最後は祝言。まだワキが橋掛かりにいるうちにおめでたくおさめました。

桑田貴志、とても良かった。次回は来年の5月13日(土)だそうです。都合が合えば行ってみたい。演目は花筐。女性をどう演じるのか興味があります。
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by soymedica | 2016-05-23 16:47 | 能楽 | Comments(0)
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