銕仙会青山能三月 口真似 葛城

d0226702_2054685.jpg銕仙会青山能三月
2016年3月30日(水)18時30分より@銕仙会能楽研修所

仕舞
放下僧 小歌 岡田麗史⇒観世銕之丞に
花筐 クセ 清水寛二

狂言 口真似
シテ(太郎冠者)善竹富太郎、アド(主人)野島伸仁、(客)善竹十郎

能 葛城
シテ 長山桂三、ワキ 則久英志、ワキツレ 梅村昌功、御厨誠吾
アイ 善竹大二郎
笛 杉信太朗、小鼓 大山容子、大鼓 大倉慶之助、太鼓 梶谷英樹
地謡 西村高夫

  しもと結う葛城山に降る雪の間なく時なく思ほゆるかな


数日前に仕舞が岡田から観世銕之丞に変更になっていたが、どうしたんだろう。インフルエンザ(また流行っている)程度の事なら良いのですが。

狂言の口真似。そんなに面白い話ではないけど、まあまあ面白かったのはこちらの心持のせいか、それとも演者か。


能の葛城。シテの長山桂三は同世代の演者の中で頭一つ抜きん出ていると思う。
若い囃子陣がなぜかつんのめるような勢いで開始。大鼓のせいかな。
山伏の一行登場。美声である。だが、雪に降りこめられたというよりは、これから雪山登山でもしようかという感じ。

と、急に静かになった舞台に「のうのう」と女の声が静かに響く。
雪をかぶった笠のせいで顎から下しか見えないと、かえって面の顎が動いているように見える。手に綿菓子のように見える雪をかぶった細木(しもと)を持っている。女は「雪でお困りでしょう、ぼろ屋ですが如何」と誘うのだが、山伏一行はどうも綺麗な女の家で宴会でもしそうな勢い。

女が後見座で笠をとると、手に持っていたしもとの雪も落ちる。
全体を通して型も謡も綺麗なシテなのに、しもとを拾うところで、なぜかギョットするほど雰囲気が崩れたのはなぜだろう。

夜になりお勤めをする山伏に、女は自分のためにも祈ってほしいと言って、自分は実は役行者の怒りをかった葛城明神で今も蔦で戒められているのだと打ち明けて消えてしまう。

里人から葛城の岩橋の話を聞いた山伏たち。この里人、さっきの太郎冠者にそっくり。御兄弟ですね。
山伏は勧められて早速お祈りを始めます。

と、美しい女神が。自分の姿が醜いのを恥じていたと言いますが、美人。控えめな方だったんでしょうね。天冠には綺麗に紅葉した蔦の葉。女神と山伏の問答。ワキは美声で音量十分ですが、なぜか雰囲気で女神に負けている。

美しい舞を舞った後、女神は消えて行きます。

囃子もワキも今一つの中で、シテが輝いていましたが、やはり長山桂三には大物のワキや囃子陣と対抗してほしい。そういう訓練も大切じゃないかなー、と思いながら舞台を観ていました。


最後の西村の解説が、奇しくも「ワキが場を作る」話でした。おそらく宝生閑を思い出していたものと思われます。

前シテの面は洞白作の深井、後シテは作者不詳の増女
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by soymedica | 2016-04-04 20:06 | 能楽 | Comments(0)
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