国立能楽堂二月 企画公演 蝋燭の明かりによる 梟山伏 砧

d0226702_11254322.jpg国立能楽堂二月企画公演 蝋燭の明かりによる
2016年2月19日(金)18時30分より
正面席6300円


狂言 和泉流 梟山伏
シテ(山伏)高澤祐介、アド(兄)三宅右矩、(弟)三宅近成

能 金剛流 砧
シテ 豊嶋三千春、ツレ 豊嶋晃嗣、ワキ 宝生欣哉、ワキツレ 大日方寛、アイ 三宅右近
笛 一噌仙幸、小鼓 曽和正博、大鼓 柿原崇志、太鼓 三島元太郎
後見 宇高通成、廣田幸稔、豊嶋幸洋
地謡 宇高竜成ほか


行ってからろうそく能だったことに気付く。しかも狂言から。今年は謡講が無いのが残念。
そしてひっそりと掲示された、「宝生閑さんのご逝去に伴い」という出演者交代のお知らせが寂しい。

今月号のプログラムには綺麗なカラーの絵が載っていて、20円高かったです。

蝋燭能で梟山伏を観るのも何となく変わっていて楽しい。隣のお兄さんがとても楽しそうに笑う人だったので私の楽しさも倍に。
三宅のお家は派手さは無いけれど、堅実。


。芦屋の何某は閑から欣哉に変更。観ているこちらの心持か、家のトップになってから短時間ですが何となく演技の質が変わったような(良い方向に)気がする。小柄なのはいかんともしがたいけれど、謡に落ち着きがもう一つ加わったような。
ろうそくの光に夕霧と何某のシルエットが綺麗です。

ここで夕霧に伝言を託して主人は退場。橋掛かりに出たとたんに何となく気配が消えるような感じがするのは、ろうそく能のなせる業か。ろうそく能では本舞台と橋掛かりの距離がはっきり感じられます。

夕霧が蘆屋の妻のもとへ。夕霧が派手な着物なのと対照的に妻は物凄く地味な出で立ち。ひょっとしたら蘆屋の何某よりも年上なので焦っているのかもしれない。
それにしても本日の見所は非常に静か。

ここで後見が砧を正先に持ち出します。
シテは後見座で唐織の肩を脱ぎます。
どうなるのかな、とみていると「いざいざ砧うとうよ」のところでまた後見が砧をワキ座へ。そこで妻と夕霧は砧を打つのですが、杵は扇で代用するのではなくて、ちゃんと黒地で先が金色の物が二本用意してありました。

シテは実年齢が77歳。動きがゆったりしているのは地なのかもしれませんが、夕霧との対比が綺麗。実は最初に出てきたときにはやけにギクシャクした感じだったのですが、だんだん調子がでてきました。関節に油が乗ったのか(笑)。

「殿はこの年の暮れにも御下りあるまじいにて候」と言われ泣く妻。観る角度によるのかもしれませんが、ろうそくの明かりで見るとあのシオリの動作が本当に泣いているように見える。

中入りで後見が正先に砧を戻します。
間語りもなかなかしっとりした感じで良かった。

後ジテはつまり妻の幽霊なんですが、白っぽい装束で一部に金が入っている。大口が淡いグレーか銀色に見える。とても綺麗。
そして前半の妻の弱さと対照的に動きがダイナミック。地獄から来た、というよりも、夫の願いに答えてどこか別の世界から来た幽霊といった体。

何だか太鼓の音がとっても湿っていたのが気になりましたが。

地謡もとても良かった。

砧には実にいろいろな演出の方法があるらしく、今度は観る前にもっと勉強して行こう。

面は前シテが曲見 大和作
後シテが霊女
ツレが小面


参考は能の鑑賞講座一 三宅襄 檜書店
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by soymedica | 2016-02-22 11:29 | 能楽 | Comments(0)
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