国立能楽堂一月定例公演 岡太夫 蟻通

d0226702_15273775.jpg国立能楽堂一月定例公演 
2016年1月15日(金)18時30分より
正面席4900円

狂言 和泉流 岡太夫
シテ(聟)野村萬斎、アド(舅)石田幸雄、小アド(太郎冠者)深田博治、(妻)竹山悠樹

能 宝生流 蟻通
シテ(宮人)田崎隆三、ワキ(紀貫之)飯冨雅介、ワキツレ 椙元正樹、岡充
笛 竹市学、小鼓 野中正和、大鼓 佃良勝、太鼓 徳田宗久
後見 宝生和英、佐野由於
地謡 小倉敏克ほか


岡太夫、観た覚えのある狂言なんだが、ブログ検索しても出てこない。ま、ともかく、聟入りものではあるけれど、「文蔵」のように物の名前を思い出すパターンの狂言でもあります。
最後に新婚夫婦がいちゃいちゃして終わります。竹山悠樹、この人もだんだん上手に。野村万作家は男の子が少ないけれどお弟子さんがグングン上手になりますね。


蟻通は観世喜之と福王和幸の組み合わせで観て大変に面白かった記憶のある演目なのですが、今回は宝生流。紺の狩衣に白大口の紀貫之、ワキツレは長裃で無帽。出だしのワキとワキツレの同吟がやけに重く、幸先悪し。

玉津島神社に行く途中の紀貫之が蟻通神社の前あたりでにわかに日が暮れ大雨にあい、しかも馬までが倒れ伏してしまう、というシチュエーション。これ、凄く大変なことだと思うのですが、なぜか淡々と謡は進んでいきます。

そこに青い傘(柄が凄く長いのはなぜ?)をさして右手にたいまつを持った神職登場。白大口に両肩を上げた狩衣を着ています。面は小尉だそうですが、とても良いもののように見えます。耳を出すかつらの着け方は宝生流特有だそうですが、何となく不思議。
宮守がきちんと働いていないぞ、と嘆きつつ歩いていると、そこに紀貫之が声をかける。

真っ暗な中に火が見えて、やれやれ助かったと思う貫之と、下馬もしないこの人は何だ?と思う禰宜。そのやりとりがやけに淡々としている。貫之君、本当はそんなに困っていないんじゃないの?

ここは蟻通神社だぞ、と地謡が謡うところで後見が傘をひくのですが、この傘はちゃんと閉じることができます。作った人は大変だったでしょうね。

シテ、面使いの細部や型の細部が相当に残念な人だな、と思ったら手で面の位置を直している。そこに原因の一つがあったらしい。クセの前のところで後見が肩をおろしてそのついでに再び面を調整。でもたぶんこの後も面の位置がずれてきたのではないだろうか、という面使いがありました。プロでもそういう事あるんですね。

この辺りでワキの動きが小さいな、と思うのはお歳のせいですかね。
シテが後半扇と幣を交換したり、又戻したり、両後見がひそひそ話をしたり、そしてシテの謡がだんだん乱れてきたりと、何だか忙しい。そしてネギは幣でシテ柱をたたき、それを肩越しに放り投げて退場。何となく「終わってよかったですね」と声をかけたくなる。

貫之も喜んだようだけれど、型が小さくて良くわからん。とりあえずワキ留で終了。

…いろんな意味で面白い舞台でした。

なお、googleによると、蟻通神社から玉津島神社までは車で50分、電車で1時間半くらいだそうです。
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by soymedica | 2016-01-17 15:29 | 能楽 | Comments(0)
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