国立能楽堂十二月普及公演 鶏聟 殺生石

d0226702_1704585.jpg国立能楽堂十二月普及公演
2015年12月12日(土)13時より
正面席4900円

解説 白狐の正体 障碍と護法 
大谷節子

狂言 大蔵流 鶏聟 古式
シテ(聟)茂山良暢、アド(舅)大蔵彌太郎、(太郎冠者)大蔵基誠、(教え手)大蔵吉次郎
地謡 大蔵千太郎ほか

能 観世流 殺生石 白頭
シテ 片山九郎右衛門、ワキ 館田善博、アイ 河原康生
笛 寺井宏明、小鼓 幸正昭、大鼓 亀井広忠、太鼓 梶谷英樹
後見 味方玄、梅田嘉宏
地謡 山崎正道ほか


もう丸一週間も前の事なのでだいぶ忘れてしまった。簡潔に。
解説の大谷節子先生はいかにも学者さんという感じの紺のスーツのスレンダーな方。
最近は14世紀に生きた玄翁の研究が進んでいるそうです。玄翁は曹洞宗の普及に力を尽くして秋田から鹿児島まで寺を建てたのですが、その寺々には必ず不思議な伝説があるそうです。化生の物がいるとか、自然現象の変異など。
山岳信仰の対象となっている山のふもとに寺を作ったこと、それに関連して修験道に拘わるものの信者が多かったこと、さらには鉱山労働者や手工業などの職能集団を信者として獲得していったこと、などがかさなり、次第に曹洞宗から異端視されていったそうです。

などなどの能の解説に加え、今回は鶏聟の解説も。中世というのはお作法が庶民に広まる時代、そのお作法に関するハウツー本もできたような時代だそうで、そこから滑稽な聟入りものが生まれたとか。この鶏聟は蹴鞠の庭の設定や家に上がらず遠慮する設定などがとても良くできている話です…と言われたのに鶏聟、ほとんど寝てしまいました。

聟殿がハート模様の長裃だったのが面白かったけれど。


殺生石はspectacular で好きな演目。大きな石が割れるところが(若干桃太郎みたいではあるけれど)好き。
出だしの館田の謡が良くて期待が高まります。
那須野原に着いて、上を飛ぶ鳥が落ちてしまう不思議な石をみつけます。ここのアイとの問答のタイミングが悪いなー、などと考えていると怪しい女登場。「その不思議な石は那須野の殺生石です」と教える。若干声が涸れているけれど、さすが九郎右衛門、上手です。

このアイの河原康生、九州で活躍されている方だそうでたぶん初めて観ますが、アイ語りは今一つでした。間の取り方が良くなのかな。

能力が玉藻前伝説、殺生石伝説を語り終えると、囃子が何事かを期待させるようなテンポの良い調子を奏で、ワキがお経というよりもっとわかりやすい謡を唱え始めます。ここも玄翁の館田、役になりきっていて上手。
石が割れて九尾の狐登場。頭に載せた狐の9本のしっぽの先が赤くて花びらのよう。

後見の味方玄が蔓桶を出したりひっこめたりしているのだけれど、やけに息がぴったり合う。同じ京都の同世代なんだなー、としみじみ思わせる。

シテの謡も良いし、地謡も調子よく九尾の狐が討たれる話を語り、楽しませる後場。カケリで欄干に足かけたりと大活躍。

前シテは万媚 銘 化生 近江作
後シテは泥小飛出
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by soymedica | 2015-12-19 17:02 | 能楽 | Comments(0)
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