国立能楽堂十月普及公演 咲嘩 夕顔

d0226702_8351394.jpg国立能楽堂十月普及公演
2015年10月10日(土)13時より

解説 闇に消えた儚い恋 梅内美華子

狂言 和泉流 咲嘩
シテ(太郎冠者)松田高義、アド(主)野村又三郎、(咲嘩)佐藤友彦

能 金剛流 夕顔 山端之出 合掌留
シテ 宇高通成、ワキ 大日方寛、ワキツレ 殿田謙吉、梅村昌功、アイ 奥津健太郎
笛 一噌幸弘、小鼓 幸清次郎、大鼓 柿原崇志、
後見 金剛永謹、豊嶋幸洋、宇高竜成
地謡 松野恭憲


ぼんやりと前を行く人を眺めていたら、あら、お洋服姿の馬場あき子さん。今日は喜多流だったっけ?と思ったら解説の梅内さんがお弟子さんだったのですね。
その梅内さんの解説、源氏物語の夕顔の巻の概観と、謡の中に出て来る和歌などの解説をオーソドックスにするものでしたが、丁寧で好感が持てました。

狂言の咲曄。伯父さんがどんな人かも知らないまま主に言われるとおりに都に行って詐欺師の咲曄を連れ帰る太郎冠者。主と咲曄がポーカーフェイスで御座敷で対面しているのだけれど、それをぶち壊す馬鹿正直な太郎冠者の話。
野村又三郎家って派手さは無いけれど好きです。


金剛流って観世や宝生に比べて小さいとおもうのですが、はずれの無い舞台をすると思う。今回の夕顔も丁寧で風情のある舞台でした。
ワキが舞台中央に、ワキツレが橋掛かりに。名乗りのあと三人がいつもの位置に着こうとすると、幕の内側から「山の端の…」とうたう声が。それにかぶせてワキが不思議やなー、というところ、風情がありました。

シテが姿を現し、改めて「山の端の…」とうたいます。最初のうちには女性なのに太くて低い声だなー、と思うのですが、だんだん舞台が進行していくうちに「この声でなくては」と思うようになります。このシテもそう。謡は非常に綺麗ですが、若干詞章が聞き取りにくい。でも、そこは国立能楽堂、字幕があります。

女は僧の尋ねるままにここで亡くなった夕顔の話をして消えていきます。シテは実際はどんな姿形の人なのか良く知りませんが、とてもしっとりして良い前場でした。

里人が夕顔の話を聞かせてくれます。そこで僧たちは夕顔を弔っていると夕顔の幽霊が。

本当は恋の執着のために成仏できないでいる夕顔をたっぷり見せて最後に成仏する、という筋なんですが、最後の「あけわたる…」のところがとてもきれいで、夜明けとともに成仏していく夕顔の印象だけが残る舞台でした。

面は孫次郎。
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by soymedica | 2015-10-16 08:37 | 能楽 | Comments(0)
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