銕仙会定期公演十月 連歌盗人 江口

d0226702_9594929.jpg銕仙会定期公演十月 連歌盗人 江口
2015年10月9日(金)18時より@宝生能楽堂

狂言 連歌盗人
シテ 野村万作、アド 野村萬斎、小アド 石田幸雄

能 江口 干之掛
シテ 観世銕之丞、ツレ 長山桂三、谷本健吾、ワキ 森常好、ワキツレ 館田善博、森常太郎、アイ 野村萬斎
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 林吉兵衛、大鼓 柿原崇志
後見 岡田麗史、野村四郎
地謡 浅見真州ほか


連歌盗人、割と長い演目で、石田幸雄が登場する前に寝落ちしてしまった。本日は万作、萬斎のテンポに乗れなかった。


江口は比較的重く扱われる曲ですね。前に見たのは観世宗家。今回は銕仙会の銕之丞。
小鼓が大きい人のためか、柿原崇志がやけに縮んで見える。それとも痩せたかな。
旅の僧の一行が登場。すでにこの時代にすたれてしまったという江口の里につく。森常太郎ってなかなかハンサム。

あらすじとしては、江口の里に着いた観光中の僧が、有名な西行法師の歌(西行法師が泊めてほしいと言ったのに遊女が出家を泊めるわけにはいかないと言ったお話に基づく)を思い出していると里の女が現れ、江口の長の話をする。じつはその女は江口の長の幽霊。後場ではその江口の長が普賢菩薩となって去っていく。

ですから前は謡やコトバが重要になっているのですが、森常好の美声と、銕之丞の深みのある声が重なってとても綺麗。銕之丞の謡は物凄くわかりやすい。
前シテの面は節木増というのだそうですが、これが美人。もう前場だけでおなか一杯という感じ。

アイは萬斎。狂言とアイと同じ日に同じ人がやるのは珍しくありませんか?出てきたところで長袴の裾が何かに引っかかったのか、若い人が幕から出てきて直す場面があって面白かった。萬斎って声が歳よりも若い。そして野村万作家の人たちは装束の色合わせが上手。

大鼓の柿原、縮んだだけでは無くて体調も今一つなのか、アイ語りが終わって床几にかけているほんの少しの間に居眠り!でも、その辺の若い奴とは違って演奏はちゃんとしているのがベテランというもの。

綺麗な舟が橋掛かりに出されて、遊女たちがやってくる。これ、前に見た時にも橋掛かりに出してありましたが、本舞台に出すこともあるらしい。物凄く豪華な衣装を着たシテ。棹サシの装束が水色を基調にしているのが珍しい。
まず、地謡が「川舟を泊めて逢瀬の波枕」と謡いはじめるのですが、これは上掛だけで、普通はシテとツレが謡う部分だとか。

ツレの二人は舟の中で謡ったあとすぐに切戸口から退場してしまってもったいない。一緒に舞っても良いような気がするけれどそうすると印象が散漫になるでしょうね。

後場の謡は漢語が多くて難しいのですが、シテの優美さでそれも気にならない。私が退屈してしまうはずの序之舞も綺麗。神様の舞はこんなにも綺麗なのか、という感じ。つまみ扇というのだそうですが、開いた扇の要の少し上をもって垂直に掲げる形があって、これが好き。
そして最後に雲に乗って帰って行くのでした。

満足したなー、と思ってふと見ると常太郎がしびれが切れて立てないらしく、面白かった。

もう一度見てみたい舞台でした。


江口の遊女伝説については先月の国立能楽堂のパンフレット(385号)に詳しいです。
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by soymedica | 2015-10-12 10:01 | 能楽 | Comments(0)
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