東京茂山狂言会第二十一回 棒縛 太刀奪 素袍落

d0226702_20473891.jpg東京茂山狂言会 第21回
千作が愛した太郎冠者たち
2015年10月8日(木)19時より@国立能楽堂

棒縛り
茂山七五三、茂山逸平、茂山宗彦

太刀奪
茂山千三郎、茂山あきら、茂山童司

素袍落
茂山千五郎、茂山茂、茂山正邦


楽しい茂山一家の会です。
まずは皆が好きな棒縛。これを見るたびに、中国の民話「天国でも地獄でも皆物凄く長い箸をもってご馳走を食べます。天国ではその長い箸で向かいの人の口にご馳走を入れてあげるのでお腹いっぱいです。地獄では長い箸で自分の口に入れようとするのでご馳走が食べられず皆餓えています」という話を思い出す。

見事縛られながらも酒を飲むことに成功した太郎冠者と次郎冠者、酔っ払いうるさいぞ、という宴会を始めます。七五三の運動能力の高さと舞のうまさにしびれた一曲でした。今年の5月にも観ているんですが、何回見ても良いなー。七五三の間の取り方が秀逸。


太刀奪、ちょっと前後の曲に喰われましたがこれもなかなか。あきらと童司、不思議な感じの親子ですね。

素袍落。実はこれを観て本当に面白いと思ったのは今回が初めて。千五郎、縮んだ感じがしたのは装束の肩衣が新しくてパリパリだからかな。
明日かねてよりの願いの伊勢参りに行くという主人。どこから出発するのか、割と近くに住んでいるのではないだろうか。京都かな、奈良かな。

礼儀上誘っていた伯父さんを一応形だけ誘いに行かされる太郎冠者。太郎冠者の千五郎が小柄でおじさんの正邦は大きい。逆だったらビジュアルとしてどうなんでしょう。伯父さんは体も大きいけれど心も鷹揚な人。
そうかそうか、まあ、一応誘ってくれてありがとう。急なことで行けないが、いつも苦労している太郎冠者、自分は下戸だから到来物の良い酒でも飲むか、餞別もやろう。

美味しい酒を振舞われてだんだん酔っぱらっていく太郎冠者の芸が見もの。ここが見どころなのだけれど、長いし、その先がどうなるか読める展開なので、芸の力で客を引き付けるのは凄いことだと思う。楽しい場面でした。

主人の茂もしわい感じで良かった。


最後は松本薫が祐善。そう、千作の追善でしたね。

これぞ誠の極楽世界 これぞ誠の極楽世界の
  あみかさや南無あみかさの ほのかに見えてぞ失せにける


皆さん、次回は来年3月17日ですぞ。
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by soymedica | 2015-10-10 20:51 | 能楽 | Comments(0)
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