国立能楽堂九月普及公演 貰聟 女郎花

d0226702_9471842.jpg国立能楽堂九月普及公演
2015年9月12日(土)13時より

解説 花と和歌と能 表きよし

狂言 和泉流 貰聟
シテ(舅)野村萬、アド(夫)能村晶人、小アド(妻)炭光太郎

能 金剛流 女郎花おみなめし
シテ 種田道一、ツレ 今井克紀、ワキ 安田登、アイ 山下浩一郎
笛 藤田朝太郎、小鼓 住駒匡彦、大鼓 高野彰、太鼓 桜井均
後見 松野恭憲、宇高竜成
地謡 今井清隆ほか


表きよしの解説は初めて聞きました。あらすじから解説する比較的オーソドックスなもので、聞きやすかった(でも、もっと個性の強い解説の方が好み)。

狂言の貰聟。酒癖の悪い夫に愛想を尽かして夫と子供を置いて実家に帰ってしまう妻。渋い顔をしながらも、「じゃあ」と娘を受け入れる父親。
ところが酔いの覚めた婿が迎えに来ると「娘はいない」という父の陰から娘が顔をだし、「のういとしい人」とかなんとか言いながら父親を足蹴にして、夫と手をつないで出て行ってしまう。

何だか現代でもありそうな話だけれど、後ろのオジサンに凄く受けていました。思い当るところがあるにちがいない。


初めて観る女郎花。初めての曲って何だかやたらに複雑な筋のような気がするのですが、良く考えると、簡単。石清水八幡に行った僧が女郎花の花を手折ろうとすると「それを折ってはいけない」という老人登場。夫の頼風の不実をなじって身投げした妻とその後を追って死んだ夫の話をしてくれます。僧が弔っていると、頼風とその妻の霊が現れる、というそれだけの話なんですが。

登場した地謡陣を眺めると、前列もベテランの風情。見かけを裏切らずなかなか良い。
ワキの安田登。いろいろな方面で活躍している方ですが、ロルフィングが役に立っているのかな、歩き方が綺麗。アイとの問答も感じが良かった。前半、詞章がきれいなので、もっと読み込んで来ればよかったな。

さて、後場、頼風と妻は塚に埋められたのだけれど、そのせいか詞章が求塚を思わせる(突き合わせたわけではないけれど)。中世信仰ではあまりに誰かを好きになると地獄に落ちるらしく、二人も地獄にいるらしい。
ツレの謡が性急な感じで、それがとても場面に合っていました。シテ、あんまり印象に残らなかった、ということはオーソドックスな上手な演技だったのだと思います。

最後、地謡の文句は「邪淫の悪鬼は身をせめて云々」。ここはもう少し力強く謡ってほしかったな。そういうメリハリのつけかたがあんまりないのが金剛流なのだろうか。
この曲と演者、またしっかり観てみたい。

面は
前シテ 三光尉、後シテ 中将(近江)
ツレ 小面
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by soymedica | 2015-09-17 22:01 | 能楽 | Comments(0)
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