銕仙会定期公演7月 浮舟 土筆 善界

d0226702_21574712.jpg銕仙会定期公演7月 
2015年7月10日(金)18時より@宝生能楽堂

浮舟
シテ(里女、浮舟)柴田稔、ワキ(旅僧)大日方寛、アイ 山本則重
笛 栗林祐輔、小鼓 曾和正博、大鼓 亀井広忠
地謡 浅見真州ほか

土筆どひつ
シテ(遊山の者甲)山本泰太郎、アド(遊山の者乙)山本凛太郎

善界 白頭
シテ(善界坊、天狗)片山九郎右衛門、ツレ(太郎坊)観世淳夫、ワキ(比叡山飯室ノ僧正)宝生欣哉、ワキツレ 則久英志、御厨誠吾、アイ(能力)山本則秀
笛 竹市学、小鼓 成田達志、大鼓 佃良勝、太鼓 観世元伯
地謡 山本順之ほか


浮舟。諸国一見の僧が宇治を尋ねると、綺麗な里女が出てきて浮舟が二人の貴人に愛されたのですよ、と語り、私は物の怪につかれているのでよろしく、と消えてしまう。後半、浮舟の霊が出てきて生前のありさまを語ってきかせる、という話なのですが、これは間語りが無いと何が何やら良くわからない。もうちょっとじっくり詞章を読み込んで行った方がよかったかも。


まず、ワキ僧登場。大日方寛。何をやってもそつがないけれど、元気が時に良すぎる、という感じの人ですが、本日はなかなかしっとり。宇治見物です。
と、女がやってくる。橋掛かりを歩む様子が(人影で足が見えなかったこともあって)水の上を来るようにすーっとやってくる。
3年前にも銕仙会で山本順之で見ているのですが、その時には作り物の舟があったような。そして女は笠をかぶっていたような記憶があるのだけれど定かではない。

この間林真理子の「UKIFUNE」を読んだせいか、面が何だかsexyに感じられる。甫閑作の増女だそうです。
このシテの柴田の持ち味は前シテのほうがぴったりくる。所作が綺麗。後シテは何だか中途半端な感じ。衣装が与える印象に私が引っ張られているのかもしれないけれど、もっとはかなげか、もっとゴージャスか、に寄せて演出しても良かったのでは。
最後に扇を閉じてから遠くにふっと視線をやる姿が印象的でした。


土筆は野遊びに出かけたのにけんかして、相撲で勝負を始めてしまうナンセンスコメディー。泰太郎と凛太郎、土筆を摘むしぐさの手首のひねり方が反対向き。あれはわざとだろうか(泰太郎のやり方のほうが摘みやすそうだけれど)。

我が恋は松を時雨の染めかねて 真葛が原に風騒ぐなり
難波津にさくやこの花冬ごもり 今は春べとさくやこの花

の歌を間違えて引用することからけんかになるのですが、今回歌を間違えるのは両方ともシテですが、ネットで見るとシテとアドが一度ずつ間違える台本もあるのだそうですね。


結構好きな演目の善界。どう組み合わせても観世淳夫クンの訓練のために一流どころをそろえてみました、みたいに見える配役(笑)。ま、訓練の甲斐あってぐんぐん上達しているように見えます。

後の囃子陣を見ると、一番年上に見える大鼓の佃良勝が一番髪の毛たくさんありそうで生物の不思議に思いをはせる…。本日二番とも囃子が良かった。

中国から日本制覇をうかがう悪い天狗の善界坊。太郎坊と二人で相談。ここの二人で座り込む所作が好き。
前場で引っ込むとき(今回のように)シテが走り去ってもツレはいつもと同じでゆっくり入るのはどうしてでしょうね。

比叡山の能力が手紙を萩箒に挟んでやってくる。にわかに天候が悪くなってこれは天狗の仕業に違いない、と逃げ帰ります。山本家のアイは悪天候に怖気づく様子も若干地味。

立派な車が出されて偉いお坊さん登場。飯室の僧正。お供が2人。あんまり活躍しないワキなのに欣哉なのが贅沢。

善界坊がやってきて戦うのですが、僧正びくともせずに追いやります。善界坊がシテ柱によって橋掛かりから舞台をのぞくしぐさが面白い。善界坊は凄く綺麗な細くて長い数珠を持っているのですが、これを最後に橋掛かりから舞台に投げ込んで退散。前に見たときに、これあったかな。なかなかの演出でした。

前シテの面は作者不詳 多賀。後シテは洞水作の大癋見、ツレは高津紘一作の怪士。
[PR]
by soymedica | 2015-07-12 21:59 | 能楽 | Comments(0)
<< 国立能楽堂七月普及公演 簸屑 ... のうのう能Plus Vl.8 玄象 >>