第九回日経能楽鑑賞会 清水座頭 融

d0226702_19594980.jpg第九回 日経能楽鑑賞会 
2015年6月4日 (木)18時30分より@国立能楽堂
B席7000円


清水座頭
シテ 野村萬、アド 野村万蔵

 クツロギ
シテ 友枝昭世、ワキ 宝生閑、アイ 能村晶人
笛 一噌仙幸、小鼓 曽和正博、大鼓 國川純、太鼓 観世元伯
後見 香川靖嗣、中村邦生
地謡 粟谷能夫ほか


清水座頭は初めての演目です。まず瞽女の万蔵登場。セリフを聞きながら、「なるほど昔は盲目の女性は生きていくのも大変だったろうな」と思う。食べ物を手に入れて調理する、という生きていく根本のところが女性の役割だったはずで、そもそもそこが難しそうですものね。

やたらにゆっくりと登場した万蔵と対照的にスタスタと萬登場。狂言の筋では綺麗になっていますが、要するに清水の観音様にお参りに来た男女が雑魚寝をするうちに夫婦となるという話。酒を飲む場面で萬の「平家」が聴けるなどお得な演目です。


考えてみると友枝昭世のを見るのは二度目。ラッキーだなー。前回はワキが欣哉、今回は閑。閑は確か袴能でこの役をやっているのを観たことがあり、印象的だった。どんどん痩せて色が白くなって声が小さくなる宝生閑。こちらも月の精か。

潮汲みの友枝昭世登場。この尉の面がとても素敵。海も無いのに潮汲みをするというので僧が不思議に思って分けを尋ねる。「こんなに荒れ果ててしまって」と尉が泣くと、僧も思わずもらい泣き。慰めようと、「近隣の名所を教えて」と言う。
ここの名所教え、しっとりして能楽堂の中に月が輝いているようでした。

アイ語り、聞く方に中だるみがありましたが、前後の僧とのやりとりもきちんとされていました。しかしアイは最初野村太一郎とされていましたが、今回も他の人に。

融の登場。謡が仕草を引き出すのか、型が謡を引き出すのか、
今回脇正面だったので宝生閑の様子がはっきり見て取れたのですが、シテの方を向いて座っているときにはかなりはっきり視線を動かして舞を観ている様子。ほかのワキだと中をにらんでいる人が多いのですが、とても楽しそうに見ていました。舞っているのが友枝昭世。良い役割だな。

「幻視の座 能楽師・宝生閑聞き書き」に融について一章割かれて書いてありますが、宝生閑はそこで「舞をぼーっと見るのは楽しい」と語っています。

美しい融に「名残惜しい」と声をかけているのは観客なのか、僧なのか。もっと見ていたかったのに融は幕へ。
留めた宝生閑がちょっと大きくなったように見えました。


パンフレットの馬場あき子の解説が秀逸(いつもですが)。喜多流の宝ですな。
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by soymedica | 2015-06-08 20:02 | 能楽 | Comments(0)
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