若手能 敦盛 昆布売 葵上

d0226702_20154921.jpg第二十四回能楽若手研究会東京公演
2015年2月28日(土)13時より@国立能楽堂
正面席3100円

能 喜多流 敦盛
シテ 大島輝久、ツレ 佐藤寛泰、谷友矩、狩野祐一、ワキ 村瀬提、アイ 中村修一
笛 八反田智子、小鼓 田邊恭資、大鼓 佃良太郎
後見 塩津哲生、佐々木多門
地謡 狩野了一ほか

狂言 和泉流 昆布売
シテ(昆布売)深田博治、アド(大名)内藤連

能 観世流 葵上
シテ 清水義也、ツレ 関根祥丸、ワキ(横川の小聖)御厨誠吾、ワキツレ(臣下)野口能弘、アイ(大臣の従者)岡聡史
笛 栗林祐輔、小鼓 森貴史、大鼓 大倉慶之助、太鼓 大川典良
後見 観世清和、観世芳伸
地謡 山階彌右衛門ほか


「若手」とは言ってもなかなか豪華なラインナップ。これでこのお値段なら買いでしょう、と思ったら満席。GB席までぎっしり。皆知ってるんだな。

喜多流の人気若手の大島輝久の敦盛。大変失礼ながら、ワキが村瀬堤では役不足では、と思っていたらやはり…。出だしの道行からして、一の谷にやって来た出家した直実、という情景も実感もわかない。後半セリフは調子良くなってきたけれど、この人の謡って音程の基線がずれるような、とても落ち着かない謡いなんですよね。

ともあれ、4人の草刈り男登場。持っている草は本物のように見える。ネットで調べたところによるとシャガの葉を使うというが、もう少し大きく見えた。全員が小顔。橋掛かりをやってくる様子はまるで氷の上を四人が等間隔で滑っているよう。シテとツレの所作も謡も息がぴったり。
それなのに樵歌牧笛の掛け合いのところ、ワキがいまひとつなので大変残念な感じ。

草刈り男が一人だけ残り、自分が敦盛であると仄めかしてこれも帰る。
地元の男が敦盛の最後を語る。これは野村万作家の中村修一。わりとゆっくりテンポをとってなかなか良かったです。

さて、敦盛の幽霊が現れて自分の最後を語り、舞を舞うのですが、何とここでかなり八反田の笛が苦しそうに。今までにない不調。うーむ、今日は大島輝久、ついていない日でしたね。
特筆すべきは小鼓の田邉、この人養成所出身でお家の人ではないそうですが、物凄く上手い。大蔵源次郎の教え方が良いのだろうか。


狂言の昆布売。内藤連くん、大丈夫かな、と思ったら深田の大活躍で面白く見られました。深田博治って萬斎とほぼ同年なんですね。
ただ、前の能で草刈り男が草をもつ様子と昆布をもつ様子がかなり被るので、演目を考えた方が良かったかもしれない。


葵上。これは、シテ、ワキ、アイ、全員良くできました。
まず小袖の葵上登場。照日巫女、臣下も登場。このツレの照日巫女が上手い。今までこの関根祥丸くん、子供だと思って殆ど意識していなかったけれど、注目株。
清水義也も良かったけれど、何となく引きつけられるものがなかった。観る方の私が疲れていたのかもしれないけれど。

ということで、青女房も出てこないし、ふつーの葵上。御息所が凄く美人。正体を現して(いや、変身して)般若になっても前の美人のイメージが残るのでちょと怖い。
若干動きにキレが無いような気もしましたが。それと飛び安座のあとで裾がはだけるのはちょっと…。

筋の面白さにも助けられ、楽しめました。

小鼓、結構な音と掛け声だとは思うのですが、姿勢や小鼓の揺れが気になる。あれは音に影響を与えないのだろうか。やはり田邊はダントツに上手いな。
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by soymedica | 2015-03-02 20:17 | 能楽 | Comments(0)
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