国立能楽堂一月定例公演 成上がり 山姥

d0226702_17364350.jpg国立能楽堂一月定例公演
1月16日(金)18時30分より
正面席4900円

狂言 大蔵流 成上り
シテ(太郎冠者)山本則秀、アド(主)山とすりかえられて本則孝、(すっぱ)山本則重

能 金剛流 山姥 白頭
シテ 豊嶋三千春、ツレ 豊嶋晃嗣、ワキ 工藤和哉、ワキツレ 則久英志、大日方寛、アイ 山本泰太郎
笛 藤田六郎兵衛、小鼓 鵜澤洋太郎、大鼓 河村大、太鼓 小寺佐七
後見 宇高通成、豊嶋幸洋
地謡 金剛永謹ほか


お正月は連休まであちこち出かけていたので、今年初めての能楽堂です。ちょっと遅れて行ったので狂言は観られませんでした。どうやらすっぱに太刀を盗まれ、杖竹にすり替えられてしまった太郎冠者が主人に言い訳をする話らしい。


 松風共に吹く風の、声澄み渡る谷川に、手まづ遮る曲水の、月に声澄む深山かな。

山姥は実に何回も見ている曲。百魔(金剛流ではこう書くらしい)山姥という美しい芸人の一行登場。お供の工藤、またさらに年取った感じ。親の十三回忌に善光寺参りをしようと、越中と越後の国境に差し掛かった一行。百魔山姥は若いだけあって(?)何となくセリフが性急。緩急がないのかな。どの道を行こうか考えて里人に聞くと、大変ではあるけれど上路越えがご利益があるだろうと言われ、そこを通ることに。

するとにわかに日が暮れて途方にくれる一向に「お宿を貸そう」という親切な女登場。あんな、幕の奥の方からおどろおどろしく声をかける女について行ってはいけないよー。この女、所作の感じからはかなりの年よりらしいのだが、髪が黒々していて何となく妙。姿勢も前傾姿勢というよりは亀背なんだけれど…。

ここでふと気づいたのだけれど、シテは右膝を立てて座っているのに、ツレは左膝をたててすわっています。金剛流ってそうなの?

ついて行ったらこのおばあさん、百魔山姥に向かってお得意の山巡りをやってみせよ、という。私こそは真の山姥なのに挨拶が無いじゃないの、というわけ。ここのところのシテのばあさんの言葉が大変に綺麗。聞きやすいしテンポが良い。
この山姥にさからったらまずいだろう、と百魔山姥が考えていると、「ちょっと待ってなさい、本当の私の姿を見せるから」と言って山姥は消えてしまう。

そこで一行が先ほどの里人に山姥とは何か、と尋ねると、それは「ドングリに木の葉のくっついたものだ」とか「野老(ところ、山芋の事)が長雨の後に山姥になるのだ」とかはては「家が腐って柱が残り、木戸が山姥になるんだ」とか適当なことを言って、怒られる。

いよいよ山姥が真の姿となって表れる。この山姥の面、なかなか素敵。そして前シテの姿とは打って変わって動きにキレがある。やっぱりあのヨボヨボぶりは演技だったのだと思うけれど、だったらあの黒々した髪の毛はちとミスマッチ。前回この人を観た時には後半息切れしたようだったのですが、今回は全然違う。一の松で謡ってからイロエ、その後の謡が素晴らしい。
最後の舞働きのあとでもしかして詞章を間違ったのではないかな。あれっと思ったら後見が若干動揺していたので(笑)。
それがあっても素晴らしかった。

最後一の松のところで欄干に足をかける型が面白かった。最後幕は巻き上げ、長い半幕で名残惜しげに去っていくのでした。

面は:
前シテ 曲見、後シテ 山姥、ツレ 小面
作者は示されず。
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by soymedica | 2015-01-18 17:39 | 能楽 | Comments(0)
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