第十五回一乃会 塗師平六 道成寺

d0226702_11185144.jpg第十五回一乃会 道成寺
2014年12月20日14時より@国立能楽堂
脇正面


お話 林望

仕舞
野宮 観世喜正
 観世喜之

狂言 塗師平六
シテ 野村萬斎、アド(師匠)野村万作、(妻)高野和憲
地謡 石田幸雄ほか

能 道成寺 赤頭
シテ 鈴木啓吾、ワキ 森常好、ワキツレ 森常太郎、館田善博
アイ 深田博治、竹山悠樹
笛 竹市学、小鼓 観世新九郎、大鼓 亀井広忠、太鼓 観世元伯
後見 永島忠侈、遠藤喜久、永島充
地謡 長山禮三郎ほか
鐘後見 観世喜之ほか、狂言鐘後見 野村萬斎ほか


ちょっと遅れたので、お話の途中から。
林望って物凄いお金持ちの息子で、慶応はそのお金を目当てに「斯道文庫の教授にしようか」と考えたくらいだ、という話を聞いてじーっと見るとなるほどお坊ちゃまぽい。

塗師平六、皆良かったとは思うのだが、これは脇で観るものではないな、と。で、道成寺も今までは正面からだったのでどうなる事かと思ったけれど、意外にこれは面白かった。

後見が橋掛かりに出てきて切り火。わりとせわしなく長いことやっていた。引っ込んでからも御調べの間中やっていた。

鐘をかついだ4人の狂言方登場。身長に高低差が無いのに、やたらに大変そうな顔をした人と、そうでもない人と、皆つま先立になってがんばる。そういえば装束をつけないときには足袋は白足袋なんですね。一度シテ方の鐘後見も長袴というのを観たことがあるけれど、今回は鐘後見は全員普通の袴。

さて、鐘供養をするぞよ、女人禁制だぞよ、と言っているのにすぐに騙されて白拍子を入れてしまう深田&竹山(いかにもやってしまいそうな二人組ではある)。尚、女の面は古そうだけれどもとても品が良い。
前に「あまり印象に残らない」と書いた鈴木啓吾だけれど、今回もすらーっとした謡。自己主張が無く本に忠実というイメージ。きっと真面目な性格なんだろう。
何となくこの女なら境内にいれても大丈夫なのでは、と思わせるところあり。

舞をみせてあげましょうねー、と烏帽子をかぶる。後見座で後見の助けを借りてかぶるところがとてもよく見えたのだけれど、シテのクビが閉まってしまうのでは?!と思わせるほど永島が力を入れて顎紐を縛っているのがみえて面白かった。動きに強く、かつ簡単に脱げる、という縛り方にはコツがあるのでしょう。

花のほかには松ばかり…と珍しく地謡前後列で扇を取り上げるタイミングが大きくずれる。脇でみていると妙なことが気になるものです。
乱拍子、わりと前の方の席だったので力が入っているのが良くわかる。面白いし、綺麗。これは正面だろうが脇だろうが前の席方が良いかも。時々「いつまでやってるんだ?」と思われる乱拍子があるけれど、この人のは良かった。

いよいよ鐘入り。良いのだか悪いのだか、(きっと良かったのだと思う)結構乱拍子で楽しんだので前場は満足。
橋掛かりで能力二人が驚いて転げまわる。竹山悠樹って近くで見るとハンサム。それはともかく、「誰が女を入れたことを申し上げるか」でもめた挙句、深田がご報告。正直に告白して胸がすーっとした、というのだが、わりとパターンとしてこなしていたような感じ。深田にはもう少し期待したのだけれど。

森常好が道成寺の恐ろしい話を打ち明ける。こんな恐ろしい話を聞かされているのに、ワキツレ二人がじーっとして大した感想も述べないのは一体どういうことであろうか、と思わないのかな、皆。もうこの道成寺を数百回やっているであろう森常好。芸談を聞いてみたい。

そしていよいよ祈りにこたえて鐘が上がります。一度ちょこっと鐘をあげてチラ見せするのがとても怖い。いよいよ蛇女登場。後見、ちょっと手際が悪いな。
ともかく、出てきた蛇女、若干おとなしめではありますが、なかなかの動きで簡単には祈り倒されない。最後の幕入りの時にも弱っている様子は無く、また何年か後にはやってくるのでしょうね。

わりとさらさらと演じられた蛇女でしたが、素敵でした。この人、結構気に入りましたよ。次回の藤戸も行ってみよう。
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by soymedica | 2014-12-25 12:17 | 能楽 | Comments(0)
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